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相棒となら異世界だって!  作者: 眠熊猫
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チーズ作り 始めました

私とリュートはノルト村とフェル村へ一日置きに遊びに行くことになった。

ノルト村のハルさんからは

「うちの村だけに来てたのは気になってた。ちょうど良い。向こうの村とも仲良く出来ると良いな。」

と言われてしまった。

フェル村の人たち、そんなに祝福魔法をして欲しかったんだろうか。


フェル村ではまず村長のタブさんの家を訪ねる。フェル村には今二人の妊婦さんがいて、祝福して欲しかったんだって。なるほど。

だけど、フェル村を訪ねた日から朝夕の礼拝で広範囲の祝福魔法をかけることにしたところだったの。

ギルドによると私の祝福魔法はちょうどハプス島を覆うくらいの範囲らしい。

南北両方の港町の近くにも小さい村が二つずつあり、そこにも届いていると教えてくれた。

だから。わざわざ村に出向いて祝福魔法をかける必要はなくなった。朝夕二回、大教会から勝手に降って来るもの。


でも、一日置きの村の訪問は両方の村に喜ばれてる。

何故かは知らないけれど。

多分ちょっとした癒し魔法とかを頼みやすいんだろうなぁとは思ってる。実際よく頼まれるし。

まだ来始めて二ヵ月くらいだけど祝福魔法を受けている作物は実りが良くて美味しいらしい。

気のせいかもよ、って言ってるんだけど。


で、両方の村から

「お礼をしたい」

って言われてる。でも毎日(村からすれば一日おきだけど)美味しいミルクをコップ一杯ずつもらってる。他にもトマトとかパンとか干しぶどうだって。

ちなみに南北の港町とその付近の村やギルドには教会に寄付をお願いしてる。ほんの気持ちで良いからって。だって勝手にしてることだからさ。


リュート、あのね。

「チーズ作り、始めるか?」

「うん!やった!ありがとう。」

リュートは二年前に牛乳を固めるのに使えるものを見つけてた(以前魔法で創れるというのも嘘ではなかったけど、要するにチーズを作らせたくないと思ってたんだね)。

カビではなくて、ケヤキみたいな木(ワスの木っていう)なんだけど。この世界ではどこにでも生えてる木だ。ゴムとかウルシみたいにワスの木の幹を傷つけて取れる樹液が凝固剤になる。

でも、教会にきちんと所属するまでチーズを作れないって許してくれなかったんだよ。やっとで作れる。


最初はフェル村でチーズ作りをお願いしてみた。

村中の牛を飼っている家からミルクを分けてもらって大鍋で煮て。煮立ったところでワスの樹液をいれる。かき回してしばらく置くと固まる。細かく切って型に詰めて重石を置いて水気とり。出てきた水分は家畜に飲ませた。


あとは毎日塩水で拭く。半年後には食べられる。筈。

タブさんの家に預かってもらう。

来る度に一つずつ作りたいと言ったら考え込まれちゃったけど。

一日置いて、次にフェル村に行った時には真新しい倉庫が出来てた。チーズ(この言葉で定着してしまった)専用の置き場だって。

私たちが来る度に一つか二つ作っていくことになった。食べられるのは早くて秋の二月だね。


フェル村に少し遅れてノルト村でもチーズを作り始めた。チーズ専用の倉庫も作って。責任重大だわ。失敗したらどうしよう。


「大丈夫だよ。でもそんなにお前が不安ならヨーグルトも作ってやる。」

え?

「明日、行くのはノルト村か。ちょうど良い。」


リュートはそう言って、一昨日一壺分分けてもらったミルクをその壺ごとノルト村に持ち込んだ。

「一昨日もらったミルクを食料庫に置き忘れて。今朝見たら酸っぱいけど良い匂いがするから食べてみた。美味しかったから持って来たよ。」

私たちは嬉々として、ハルさん一家は恐る恐る味見する。

「美味しい!」「旨い!」

「この中から少し掬い取って新しいミルクに入れて涼しい所に置くとまた新しいのが一晩か二晩で出来るみたい。」

「リンは鑑定持ちなのか?」

「うん。」


安心してもらう為と、今後作ってもらう為に話しておく。

ハルさんは驚いたけれど妙に納得してた。

「なるほどなあ。鑑定持ちなら食える物と食えない物がすぐに判るからなあ。」

「ミルクのままより少しは保つよ。これ。」

「本当か?」

「少しだよ?涼しい所で二日くらい。」

「いや、それでも充分助かる。ミルクは半日くらいで駄目になるからな。夏場は特にだ。」

そうなんだ。

「あの、これフェル村にも教えてくれる?役に立つのなら。」

「おお、そうだなあ。引き受けよう。」

良かった。ヨーグルト(この名で定着した)も少しは商品になりそうだ。


その後、しばらくして。

ヨーグルトは夏の期間、傷みやすいミルクの代わりとして売られ始める。が、独特の爽やかな酸味が気に入った人が結構いた為に通年取引される商品になった。

また農家では売れ残りのミルクをヨーグルトにして自家で消費するようになる。

また、ヨーグルトからでもクリームを掬ってバターは作れる為、バターの生産量も増えた。



そして寮の食堂でも学食でも。

ヨーグルトのかかったサラダやヨーグルト入りシチュー、フルーツのヨーグルトがけなどがやたら出るようになった。


わたしのおやつをミルクにしてって頼んで良かったと思うくらい、この夏中ずーっとヨーグルトを食べた。

ごめん。私はヨーグルトにちょっと飽きちゃったよ。
















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