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相棒となら異世界だって!  作者: 眠熊猫
19/97

休みの間

結局六日間、教会はお休みした。

カボチャとジャガイモの収穫を母さんにさせない為だ。

「大丈夫よ。」

と母さんは言い張るけれど、だからってハイどうぞという訳にはいかない。

秋二月の麦の収穫の時も、秋三月のリンゴの収穫の時も何日か休むことをリュートと決めた。


父さんも母さんもあと三、四年は一緒にいたいと言ったら喜んでくれたし。家に私たちがいる間は今度産まれてくる子を家族みんなで可愛いがろうね。楽しみだなぁ。

リュートも学校に行くなら私と一緒に行きたいと言ってくれたのもすごく嬉しいし心強い。

「相棒だって言ったろうが。」

でも嬉しいんだからいいでしょうが。


あ、嬉しいといえば。去年の夏に娘さんを亡くしたカナさんのところに一昨日男の子が産まれた。名前はロウって付けたって。

カナさんのおじいさんで今でもカナさんの故郷の村で畑仕事をしてる人の名前なんだって。元気で丈夫な子になるんだよ。

今日、リュートと祝福を祈りにカナさんの家に行ったら、癒しの魔法を使った時のような光がカナさんとロウを覆ったのでカナさんたちに喜ばれた。

カナさんは産後のだるさや疲れが取れたって特に喜んでくれた。嬉しい。

じゃあ、母さんが出産する時にも祈ってみようっと。

リュート、いいよね?


あとは休んでいる内にと、裏山と野原で出来るだけ沢山の薬草と果物とキノコを採って来た。かたっぱしから干して貯蔵する。

薬草を干す為にザルに並べていた時に思い出したことがあった。


そうだったわ。リュートに訊かないと。

「リュート、チーズ作りたいの。凝固剤になるカビ、どうすれば出来るか調べて?」

「あのなぁ、リン。もうこの村で新しい物を作らなくて良いと思うぞ。」

「私が食べたいだけなのに?私がチーズ好きなの覚えてないのかな?」

「父さんと母さんへの置き土産にもしたいんだろうが。お前らしいけどな。でも」

「本当に食べたいだけ。余ったら売ったっていいけどさ。でもチーズなんて前の世界でも色んな種類があったでしょう?だから」

「俺たちが教会に入ってからでも充分だと思う。」

リュートは譲ってくれなかった。頑固になったこいつに勝てないのは今も前も変わらない。

ちぇっ。

…でもリュートは意味無く私の思いを却下するような奴ではない。

何か考えがあってのことだ、そのくらいはわかる。

伊達に長い付き合いではないのだ。


でも、何でなんだろう?

私は根本のところが莫迦だからそういうことが判らないんだよね。




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