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五魔(フィフス・デモンズ)  作者: ユーリ
五魔捜索編
24/360

新たな仲間達

漸く五魔も3人です(^_^ゞ

後二人目指して頑張ろ~(^-^)

「ノルウェの子・・・だからノルウェと似た匂いしたのか」

 ジャバは落ち着いたのを見計らったリナ達の説明で、漸くノエルがノルウェじゃないことを理解した。

 現在リナ達はラクシャダの洞窟の前に集まり、状況を整理している。

 因みにノエルはのびてゴブラド達に介抱されている。

「たくよ~、お前もいい加減力加減覚えろって」

「うぐ、ごめん・・・」

 ジャバはしゅんと小さくなる。

 先程の暴走した姿を見ているせいか、少し可愛く見える。

「というかお前、なんであんな首輪着けたんだよ?」

「うが!? 首輪どこ!? あれリナから貰った大事なもの!」

 ジャバは慌てて首輪を探しだす。

「落ち着けって! 大体あれ俺がやったんじゃねぇよ!」

「う? リナじゃない? だってあいつら、リナのプレゼント言ってた」

「ああ、そういうことか」

 要するにアルファ達はあの首輪をリナからの贈り物と言ってジャバに渡したのだ。

「おれ、リナの匂いしたから・・・嬉しくて信じた。 でも首輪着けたら・・・何も覚えてない」

「この前戦った時、匂いが付いたんだろう」

「あいつら、今度会ったら一発殴ってやる」

 クロードの推察にリナがボキッと指を鳴らす。

「でもおれ、リナとクロード、また会えて嬉しい!」

 子供の様な笑顔のジャバに、リナとクロードも顔を綻ばせる。

 思えばジャバは寂しかったのかもしれない。

 元々人懐っこいジャバの性格だ。

 それが好いたリナ達と10年も会えなかったのだ。

 懐かしさのあまりあっさり信じてしまったのも仕方ないのかもしれない。

「まあ、なんだ・・・俺達また集まるつもりだからよ・・・お前も来るか?」

 リナの言葉に、ジャバの表情が一気に明るくなる。

「行く!! おれ! リナやクロード達と! また一緒!」

 ジャバは嬉しそうにまたリナに抱きついた。

「だから! 力! 力強すぎだっての!?」

「とかいって、姉さん満更でもなさそうッスよ」

「てめ・・・後で潰す!」

 茶化すライルを睨み付けながらも、リナも芯から嫌がっていない様には見えなかった。

「のおお!?」

 すると突然ゴブラドの叫び声が聞こえた。

 リナ達が見ると、先程のデスサーベルタイガーがノエルに近付こうとしていた。

「貴様! ノエル様には触れさせんぞ!」

「大丈夫。 そいつ襲う気ない。 通して平気」

「し、しかし・・・」

「ジャバが言うなら大丈夫だろ。 通してやれ」

 ジャバとリナの言葉に渋々ゴブラドが道を空けると、デスサーベルタイガーは仰向けのノエルに近づき顔を舐めた。

「ん・・・うわ!?」

 目を覚ましたノエルはぼんやりしながら目を開けると、目の前にいたデスサーベルタイガーに驚き飛び起きた。

 デスサーベルタイガーはノエルになつくように顔を擦り付けてくる。

「そいつ、お前気に入った」

「え、僕を?」

「お前そいつに勝った。 だからそいつ、お前ボスと認めた。 撫でてやれ」

 ジャバの言葉に従い、ノエルはデスサーベルタイガーの頭を撫でてみた。

 するとデスサーベルタイガーは気持ち良さそうに喉を鳴らした。

「なんか・・・可愛いですね」

「そいつ、本当はあまり人になつかない。 お前いい奴だからなついた。 おれお前気に入った!」

 嬉しそうに笑うジャバに、ノエルも笑顔をこぼす。

「所で、ジャバさんは僕らと・・・」

「うが! おれ一緒行く! おれノエルの力になる!」

「!ありがとうございます! ジャバさん! よろしくお願いします」

「うがう!」

 喜ぶノエルに、ジャバも嬉しそうに返事する。

「で、そいつどうすんだ? 随分お前にご執心みたいだが・・・」

 デスサーベルタイガーはノエルから離れる気配はなく、ずっとくっついていた。

「う~ん・・・連れてく・・・ことは出来ませんか?」

「マジか!?」

「いや、なんかここまでなつかれると、置いてくの可愛そうな気がして・・・」

 ノエルの言葉に驚くライルの横でらリナはやれやれと首を振る。

「まあ、そいつもそこそこ強いから、足手まといにはならねぇだろ。 好きにしろ」

「!ありがとうございます! リナさん!」

「となると名前が必要だね・・・」

「でかい猫みたいなもんだから猫丸でいいんじゃねぇか?」

「リナさん、それは流石に・・・」

「そりゃないっスわ」

「だね」

「そいつ猫違う!」

「申し訳ありませんリナ様。 私もフォロー出来ません」

「てめぇらな~!!」

 全員から呆れられた様に言われ、リナは顔を真っ赤にして喚きだす。

「なら、これはどうかな? 東方では、刃をジン、牙をガとも読むんだ。 だから、刃と牙を持つものってことでジンガ、というのは」

「おお・・・なんかかっけぇ」

「凄くいいです! 流石クロードさん!」

「まあ、伊達に100体近くの人形に名前付けてないからね」

「こいつも、気に入った言ってる!」

 ジンガは嬉しそうに「ガウ!」と返事をした。

「よろしくね、ジンガ」

「ガウ!」

「・・・俺の猫丸だって可愛いじゃねぇか」

 いじけるリナに苦笑しつつ、後でまたケーキ作ってあげようと思ったノエルだった。

「あの、ノエル様。 我らからも願いがございます」

「え? なんですかゴブラドさん」

 ゴブラドは他のゴブリンと頷き合うと、ノエルの前に膝まずいた。

「我らラクシャダに住まうゴブリン50名! ノエル様達の旅へ同行することをお許し願いたい!」

「え! いや、そんな急に・・・」

 突然の申し出に戸惑うノエルに、リナが口を挟む。

「お前らの役目は俺らが戻るまでのラクシャダの管理だ。 それももう終わったし、はっきり言ってかなりヤバい旅になる。 そんな旅に来るよりも、亜人の村にいる同族の所に帰ってやった方が・・・」

「承知しております。 ですがこれは、皆で話し合い決めたことです」

「念のため聞くが、ノエルとノルウェ混同してるんじゃねぇよな?」

「・・・確かに、当初はそうでした。 いえ、今ももしかしたらそう思っている部分はあるかもしれません。 現に私は先の戦いのノエル様の姿に、ノルウェ陛下の面影を見ました」

「だったら・・・」

「 ですが! ノエル様自身に付いていきたいという想いもございます! ノエル様に付いていきお役に立ちたいのです! それを我らの心が願うのです!」

 ゴブラドの言葉に、リナも言葉を引っ込めた。

「それに、今回の件は我ら亜人にとっても大きな問題になるかもしれません。 もしかしたら、ノルウェ陛下の築き上げた今の亜人の安寧を聖帝に壊されるかもしれません。 私は亜人の一人として、それを見極めなければならないのです」

 ゴブラドはまっすぐノエルを見つめ、ノエルはゴブラドに歩み寄り視線を合わせるように屈んだ。

「正直僕達も、この先どうなるかわからない危険な旅です。 それでも来ますか?」

「覚悟の上です」

 ゴブリン達も続けて頷くのを見て、ノエルはリナ達と頷き合う。

「わかりました。 ただ、これだけは約束してください」

「約束・・・ですか?」

「はい。 決して命を無駄にしたり、無茶な事はしないでください。 それだけは、約束してください」

「・・・ハハッ! 承知いたしました!」

 ゴブラドが頭を下げると、ゴブリン達からは歓声が上がった。

「これからお世話になります、ゴブラドさん」

「はい、全力でお仕えさせていただきます」

 ゴブラド達の事が決まり、リナはジャバに向き直る。

「なら、さっさと行くか。 急に大所帯になったし、早く行かねぇとまたあの馬鹿どもが来るからな。 ジャバ! ラクシャダ起こせ!」

「うがう!」

 ジャバは返事をすると、息を大きく吸い始めた。

「姉さん、起こせってのは?」

「ラクシャダはこの10年、ずっと冬眠してたみたいなもんなんだ。 それを起こせんのが、ジャバってわけだ」

 ライルなリナが説明すると、ジャバは一気に叫びだす。

「ウロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!」

 ジャバの大音量の叫びが森中に響き渡る。

 すると、地面が地響きが始まり、それが大きくなっていく。

 そして、洞窟の周りにヒビが入ったと思ったその時、何かが勢いよく飛び出してきた。

「な! なんじゃこりゃあああ!?」

 ライルは驚き叫んだ。

 とてつもなく長い蛇が天高く伸び、こちらを見下ろした。

 その体躯はジャバは勿論周りの岩山すら越え、全身紫色の鱗に覆われ、陽光に照らされ美しく光る。

 その姿はまるで東方に伝わる龍の様だった。

「ラクシャダ! 目が覚めた! よかった!」

 顔を近付けるラクシャダを、ジャバは嬉しそうに撫でた。

「俺達・・・この蛇の中に入ってたんスね・・・」

「まあな。 まあこいつはまだ小さい方だし、比較的大人しいから安心しろ」

「これで小さいんスか!?」

「そうだね。 一説には太古の昔に、中に国が造られたと言われるほど巨大なアーススネークもいたそうだよ」

 クロードの説明に、ライルはポカンと口を開けた。

「ん? どうしたノエル? お前もビビったのか?」

 ずっと黙ってラクシャダを見上げるノエルに、リナはからかうように声をかける。

「いや、なんかもう凄くて・・・それに、凄く綺麗だなって・・・つい見とれちゃいました」

「・・・お前も結構神経太いよな」

 ノエルの言葉に、リナは楽しそうに笑った。

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