プロローグ?
「ふあぁぁ」
眠い、眠い、猛烈に眠い。
別に疲れてはいない。
疲れるようなことはしていない。
と、いうかしない。
この授業がつまらないんだ。
と、結論を出してもう一度寝ようとした時
誰かが俺に声をかけてきた。
「ねえ、あなた」
「・・・・・・(眠いなぁ)」
「ねえ、聞いてる?」
「・・・・・・(めんどくさいなぁ)」
「エティレ皇国国立召喚士育成学校高等部1年、中途入学生のヒ」
「聞こえてるよ」
「聞こえてるなら返事しなさいよ!」
「いやだ」
「っ!な、な、な・・・」
「どうした、熱でもあるのか。顔が赤いぞ?」
「ないわよ!」
「じゃあ何だ、俺は眠いんだ。手短に頼む。」
「なんで授業中に寝てんのよ!」
こいつは何を言ってるんだ?
そんなの決まっているじゃないか!
「眠いから。」
「へ?」
「それだけか?」
「う、うん・・・・」
「じゃあおやすみ」
「あ・・・、おやすみ・・・って寝るなあああああ!!」
何だ?
なんか熱いぞ。
それに、この力は・・・
「そんなに寝たいなら、私が眠らせてあげるわ。永遠にね。」
「は?」
お、おい。何言ってんだこいつ。
ここで召喚術使うつもりか。
周りに生徒いるんだぞ。
「おいで、サラマンダー」
『キュイ、キュイーーーーン』
あぁ、呼んじゃったよ
どうするかなぁ
とりあえず、周りの生徒逃がすか。
「おーい、お前ら。逃げた方がいいぞ。巻き込まれるからな。」
「え?」
「マジでやる気か?あいつ。」
「うそだろ・・」
「と、とりあえず逃げるぞ。」
「うん、そうだね」
「ま、待ってよ。私も行くから」
ふう、しょうがない
たまには運動をしたほうがいいかもな
「ウンディーネちゃん」
ちゃぽん、という音とともに目の前に水溜りのようなものが浮かび上がる。
そこから、小さな女の子が顔を出す。
『なになに、遊んでくれるの?』
「そこのかわいい女の子が、遊んでくれるってさ」
『ほんと♪、やったあ♪』
「本気出すなよ」
『はーい』
「せ、精霊としゃべってる?なんで・・・」
「なんだ、お前話せないのか」
「う、うるさい!サラマンダー!焼き払いなさい!!」
『キュイ!』
空中に炎のかたまりが精製される。
そのかたまりが、こっちに早い速度で飛んでくる。
『おー、すごいなぁ。綺麗♪でも熱いのは嫌だから、消しちゃうね♪』
『キュイ?』
『シャボン玉♪』
ポワンと音がすると薄い透明な膜が出来、サラマンダーが精製した炎に向かってふわふわと
飛んでいった。
「あなた、そんなので勝てると思っているの?」
「ん?」
まあ、大丈夫だろう。
「よく見てみるんだな。こいつの魔法はお前には破れないよ。」
「強がり言っても遅」
ボン!!!
「いのよ・・・って何・・これ?」
「うん、シャボン玉だな。」
「見れば分かるわよ!なんで炎が止められるのよ!」
またまた、こいつは何言ってるんだ?
ただシャボン玉の中に炎が入っただけだろうが。
『ねえ、これだけ?これだけ?じゃあ次は私の番だね!』
「おい、やめとけ。これ以上やっても面白くもなんともないぞ。」
『はーい、つまんなかったなぁ。もうちょっと楽しめるかと思ったのに。』
「そう言うな。さ、一緒に寝よう。俺は疲れた・・・」
『うん!えへへ~♪』
まあ、あいつもこれで大人しくなってくれるだろう。
しかし、その予想が見事に外れることになろうとは、その時の俺には思いもよらなかった。