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世界は魔法で満ち溢れている!  作者: 六侘 アヤ
第一章 世界は驚きで満ち溢れている!
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世界は驚きで満ち溢れている!⑧ー1

「ごめんなさい。本当にごめんなさい!」

ギルド集会所、人が賑わう中一部、全力で土下座をしてる俺がいる。

「いやいや気にするな、あれは俺達が悪いんだ。お前は謝らなくてもいい」

「そうですよ、ロクヤは正義の鉄槌をかましただけですし、こんな罪引き人に土下座なんて止めてください」

「セ、セレアちゃん……そこまで言う、言っちゃう?」

衝動でギィメスを殴ったことには変わらない。謝らないと気が済まないため、何度も謝っている訳だが……先程から周囲の視線が痛い。ギィメスとギィメスの仲間とセレアはとっくに気づいているはずなのに何故触れようとしないんだろう。

しかし、話しかけてきてもいいだろと少しは思う。

セレアとギィメスが言い合ってる中、チラッと周囲の一部で一人と目が合う。

銀髪の長い髪が右にサラッと流されていき、人混みの中に消えてしまった。俺何もしてないのに逃げられた。

「辛い……」

どうしたんですか? とセレアに聞かれたのでありのままの気持ちを伝えた。

「辛いんだよ……」

「はい」

一言であっさり流されてしまった。辛い。何で逃げるんだ。

一人、絶望に浸っていると、テーブルの向かい側に座っていたギィメスが声をかけてきた。

「そんなことより、おめぇ達さ。ギルド……あれ、創るんじゃなかったか?」

あ、またすっかり忘れていた。

「一日で何回も忘れる俺ってちょっと……ヤバイよな」

「そういえばそうでしたね私も話してたらすっかり。ロクヤさん、ギルド創りましょう! 受け付けはあっちにあるので、ついて来てください! ほら!」

「う、うん。あ、待って……」



セレアについては行ってるがさっきから妙にすんなり通り過ぎていると思う。なんでわざわざ道をあけてくれるんだろうか。

俺からしては不快で仕方がない。歓迎されていないことは確実だ。思いっきり避けられている。

深いため息をつき、前を見ると受け付けに着いたのを知った。

「いらっしゃいませ!」

元気良く挨拶する受け付けの女性、の胸を凝視して見るセレアが信じられない、と

「……新人さんですよね。……で、デカイ。ま、まぁいいですッ! あ、あの。ギルドの設立についてなんですどー。設立するためのー……そのー…紙? ください」

「ギルド申請用紙ですね! 少々お待ちください!」



待つこと数分。


申請用紙を準備するにしてはかなり遅いと思う。


「なぁ……遅すぎじゃないか?」

「イライラしますね」

「破壊するなよ?」

「さすがにしませんよ。イライラする度に攻撃的な魔法ぶっぱなしてたら破壊神じゃないですか。私は桜桃族なんですよ?」

「関係ないだろ」

「桜と破壊は違うって事ですよッッ!」

そんなやりとりをしていた時、ようやく先程の受け付けの女性が戻ってきた。

しかし、何故か表情が引き攣っている。それに後ろにいるもう一人の女性は誰なのだろうか。見ると偉そうな人に見えるが……セレアに喋らせるとめんどうな事になりそうだったので、ここは、正直嫌だが俺が相手しよう。

「……お、遅かったですね」

「た、大変申し訳ございません! 少し--」

受け付けの女性の謝罪の途中、言葉を止めるようもう一人の女性は前に立ち、冷たい眼差しをこちらを向けながら、ため息混じりに瞼を閉じ、やがてまた冷たい眼差しがこちらを向く。

「お客様、大変お待たせして申し訳ありません」

その言葉には、感情が伝わらない。まるで「興味がない」、そう捉えてしまう。

「申し訳ありませんが、ギルドの設立、またはギルド申請用紙の要望は只今受け付けを停止しておりますので、お客様の要望に応える事が出来ません。これは一時的なものであって、終了した訳ではありません。すいませんがまた明日、お越しください」

「え、あ、そう……なんですか。わかりました」

そうだったのか、なら仕方ないな。引き返そう。

セレアを連れてギィメス達の元へ戻ろうとすると、セレアは戻ろうとせず、ただずっと先程の女性を睨むように見ていた。

「お、おい、どうしたんだよセレア。行くぞ」

「……はい、行きましょう」



ギィメス達の元へ戻ると、セレアの機嫌が悪い事に気づいた。

「な、なぁセレアちゃん? 一体どうしたっていうんだ?」

「……あの女。気に入らないです」

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