世界は驚きで満ち溢れている! ③~④
③~④まで書きましたぁ! 毎週土曜に更新するという使命感を自分に与えてから小説をちゃんと書き始めました(笑)
色々と悩む、ギャグだけで通すか少し重い話を作るか…
ああああ……
3
「あれ……、んー……。…………」
あ、あれ、何も見えない。……あれ、動けねぇ! …・・・…あ…そうか、俺捕まったのか。
………そういえば………なんで意識がなかったんだ。
まぁいいか。
どうやら俺は今拘束されているらしい、目隠しで視界を奪われ手足を縄らしき物で縛られている。
街の壁を破壊し(セレアが)、この街の有害となる人物と思われたんのだろうか。
もう前から思われてると思うけど。
あれ、セレ……!セレア!……くそっ!!動けねぇ!
あいつも俺と同じ場所にいるのか……?くっそ、解けねぇ……。
「おいおい、暴れすぎなんじゃないの」
「…!」
唐突にすぐ傍から聞こえた声。
「………だ、だ…だれだよ…あんた」
「……はっはっはっは!へぇ君ホントに人見知りなんだね!やっぱり長年、人と話してないと怖いもんな の?さすが引きこもりの子!」
人見知りと引きこもりという事を知ってる上で
おっと、これは…まさか。
「………」
何も言わない、恐らくこいつは俺のことを―…。
「ねぇ、紅魔族のロクヤさん」
「やっぱり知ってたか。ていうかさ、話す前にこの目隠しと縄を解いてくれないか。抵抗しないから解いてくれよ…」
「まぁ、抵抗しても君が考えた良案は現実にはならないけどね、おい、解いてやれ」
俺と話してる奴の指示により、指示された者は俺の縄を解いていく、どうやら服従関係があるらしい。やがて俺の手足を拘束していた縄は解かれていき、目隠しを取られた。
目の前には一人の男とその隣の俺から見て右側にいる女性がいる。
男は金髪で翠玉色の目をしている凛々しい顔の青年、隣にいる女性は黒い鎧を身に着け、馬の尻尾のように後ろに髪を垂らしている無表情の美少女だ、年齢は俺より…ちょっと上くらいで、差程変わらないだろう。
目を開き、周りを見る。そこに広がるのは暗い世界…周りは宇宙のようなデザインをしている、これは…恐らく空間魔法だ。
セレアも使えるようなことを言っていたが本でしか読んでいなかったため空間魔法だとは断言出来ない…が、恐らくそうだろう。
空間魔法の中では上下関係が生まれる。有利か不利ということだ。空間を創るには地上で魔方陣を地に創り、中に入っている人物を空間へと移動させるとい、説明が簡単な魔法だ。
空間へと移動した人物は創った者と空間の中でお互いしかいなくなる。
創る者のレベルによって使える技が違うが、魔法陣の中に入らなかったものは普通の世界におり、何も起こらない。
入れられた者が出るには創った者が解除するか、創った者を倒すか。
レベルによって空間魔法は違う。例えば、空間へ移動させて爆発。今の状況は一人部屋に敵が二人いて三人きりのようなもんだ、無の空間に三人いて、何も起こらない。かなり下位の魔法かな?
何がどうなってこうなったのか分からないが、俺はかなり不利な状況という事は確かだろう。
弱いせいで何も出来ないというのが、一番の理由とは思いたくない。
何か警戒するように睨んでいた俺を見て金髪のイケメンは察したような顔で言ってきた。
「…あれ、もしかして…これが空間魔法だってわかったの? ……へぇ、すごいね! 初心者がこんな魔法を知ってるなんて、珍しいなぁ、勉強したの?」
やっぱりか……。下位っぽい感じだけど!
ていうか珍しいのか、知っている事。
初心者は知らないも同然らしい魔法を俺が知っているのは、家に本が沢山あるので、本を読んで得た知識が多いせいなのだと思う。
「……別に」
「もーなんだよ、冷たいなぁ」
男は両手を肩まであげやれやれ、と呆れていた。
「で、なんだよ。俺に聞きたいことがあるんじゃないのか」
…俺の問いを聞きしばらく金髪のイケメンは口を閉じ驚いたように目を開け続けていたが、ふふっと唐突に笑い出した。
「ふふ、ふふはっはっはっはっは!」
何が面白いか全く理解は出来ないので俺はあえて触れないでおく。
金髪のイケメンは左手で腹を押さえながら蹲り右手で地面を叩き爆笑していた。
地面という物がこの空間にあるかどうかはわからないがドンドンっとさっきから地面を叩いている音はする。
どういう仕組みなんだ。
隣で蹲っている金髪のイケメンとは違い女の子は無表情だ。
なんだろう、金髪のイケメンすごい可哀想に見えてきた。
「…………」
数分後やっと笑いは止まり顔がキリッと凛々しい顔に戻った。
切り替えが見習いたい程早く、素晴らしかった。
「ふはは、先程は申し訳ないね。さて、本題に入ろうか」
「ちょっと待ってくれ、セレアはどうした」
忘れえてはダメだ、仲間じゃないとはいえお互い危険な状況に合ってる、さすがに見過ごせない。
「セレア…?ああ、あの桜桃族の彼女の事?」
やっぱり知っていたか、俺と同じくどこかで捕らわれているかもしれない、あいつが壁を壊した張本人だし捕らわれてない訳がないが、ここはあいつが今どこで何をされているか聞いておくべきか。
「あ、ああ。あいつは今何をされているんだ? 俺とは別で違う空間魔法の中にいるのか?」
「え、彼女なら僕の仲間と……あ、女の子ね。この街で買い物したり食べ歩きしながらのんびりしてると思うけど……」
………え-?
「……え?」
――金髪のイケメンが創り出した空間で俺が暴れるのも数秒後の事だ。
俺は壁を壊した張本人であるセレアが楽しく買い物をし食べ歩きもし、その代わり何もしていない俺が捕らわれているという意味不な状況で怒りが爆発してしまっている。
「可笑しいだろおおおおおおお!!!!!!!!」
「ちょ、ちょっと、落ち着いて!」
「落ち着いてられるか! 明らかに可笑しいだろ! 壁を壊したの俺じゃなくてセレアだから! 意図的な!? 無実の俺がなんでこんなふうに密閉の空間にいるんだよ! ここから出せよ!」
俺が叫び、暴れるため金髪のイケメンは俺を落ち着かせようと戸惑っているが相変わらず女は無表情だ。
「とりあえず、落ち着こう! え、てか壁壊したのあの子だったの!? あ、君を空間に移動させたのは理由があってやったんだ! 交渉だよ交渉!」
「……は? 交渉……?」
唐突に言われた交渉という言葉に俺は耳を向けた。
「あ、ああ、実は、君の仲間を私達のギルドに渡してくれないか、という話なのだが。渡すだけはさすがにしない、渡してくれたら君には一生困らない大金を寄付する。どうだ、悪くない話だろ?」
………。
まず仲間じゃねぇ……。
でも、そう簡単にセレアを渡す訳には…確かにあいつはいい加減だし、個人的に相性は悪いと思うし。
だけど、俺のギルドに入りたいって言ってるんだ、仲間になって欲しい、そんな事を少し思っている。
考えてみたら、たった一人の彼女に俺は街に行く事ができた。
…………。
それに一人にしたら…あれ、確か女の子達と出かけてるんだっけ。
……なんだよそれなりに友達とかでき…でも…何故あいつを欲しがってるんだ。
あいつを必要とするところがわからん。
俺の頭の中が金髪のイケメンが何故セレアを欲しがるか……考えが頭の中で積み重なっていった。
俺の判断だけでこいつには渡してはいけない…そして俺の勘が渡してはいけない、そう言っている。
今、俺とセレアの関係は知り合いに近い、仲間だと思っている金髪のイケメンにこれを知ったら俺は用無しになるだろう。
疑っている俺は金髪のイケメンに問いただした。
「……とりあえずお前さ、何者だよ。俺が知りもしない奴にセレアを渡すと思うか? 人に交渉を持ちかける前に名前を名乗ったらどうだよ」
……突然女が金髪のイケメンの耳に口を近づけ、何かを話していた。
「………」
「おい、なんか言ったらどうだ」
金髪のイケメンはさっきとはまるで別人のように黙り込んでしまった。
空間に沈黙が流れる……金髪のイケメンは俺に問いやっと口を開いた。
「…………ねぇ、もう、時間がないんだ。君は仲間を、そして僕は一生困らないお金を。というだけの話なんだよ。ロクヤ君? はやくしてくれないかな」
「俺の質問は完全に無視、か。わかった、じゃあこの話は無かった事にしよう。まぁ、どんな結果だろうとこの交渉は成立しないどろうけど」
俺は金髪のイケメンの交渉を断り…また、相手は黙りこんでしまった。
「………そろそろここから出してくれないか? そろそろ出たいんだけど」
空気が嫌な雰囲気になっていくのを感じていた。
怒って覚醒してきそうな雰囲気が周り出ててすごい怖い。
俺は相手の様子を伺った。
ふと気づいた、金髪のイケメンは下を向いたままぶつぶつと言っている。詠唱? と最初は思ったが、違った。
少しずつ大きくなっていく言葉が聞こえる大きさになって言った。
金髪のイケメンは。
「どうして……どうして……どうして……」
どうして、と何回も言っている。
その言葉は次第に大きくなっていったが、今は何かを訴えるかのように、泣き叫ぶように「どうして」と連呼している。
長い。
長すぎる……三人しかいない空間で一人だけ叫んでいる金髪のイケメンは何も感じないのだろうか、そう思っていった。
流石に長すぎるので俺は苛立ち始めた。
相変わらず女は無表情だが。
一人泣き叫んでる金髪のイケメンは誰にも声をかけられず、見てるこっちは…同情してしまう。
どんな理由かは知らないが泣き叫ぶ程欲しいという事は伝わった。
…………!
俺はとある事を思いつきながら突っ込んだ。
「長いわ! わかったよ、わかった! とりあえず理由を聞かせてくれ! だけどまず、俺をここから出してから理由を教えてくれ、理由次第で考えてやるから! だけど最終的に決めるのはセレア自身だ。でも良いか? 強制はダメだから」
「ほ、ほんとかい!?」
「ああ!」
「あ、ありがとう! よ、よしちょっと待ってて!」
ちょろいな。
4
金髪のイケメンがまんまと罠に引っ掛かってくれて無事、俺は外に戻れた。
戻ってきた時、意識が失って捕まった場所にいた。
遠く、周りには人が大勢いた……空間魔法の中にいた俺達のすぐ傍に八人の冒険者と思われる人達が俺達を守るかのように立っていた。
状況を思い出し、焦っていると、金髪のイケメンが八人の冒険者に「通してくれ」と指示をした。
その指示により、一人が。
「ネルセマ様がお通りになります! 道を開けてください!」
と、大勢の人々に向かって叫んだ。
というかネルセマって誰だよ……この二人のどっちかか? 結局名前聞いてないない……後で聞こうか。
守るかのように立っていた人が金髪のイケメンの指示によって大勢の人々に通る事を告げ、道が開いた。
金髪のイケメンが。
「さぁ、行こうか。僕の後ろに付いて来てくれ」
こいつかな? ネルセマ。
「あ、ああ」
金髪のイケメンの言葉で俺は付いて行く。
前から金髪のイケメン、俺、無表情の女の子と、直列で歩く。
左右に大勢の人達にジロジロ見られながら金髪のイケメンに着いて行く。
歩く度に幽かにと聞こえる、「紅魔族」という言葉だけで恐怖心でいっぱいになってしまった。
やがて人々から離れ、一つの店に着いた。
今俺はディレクトルの喫茶店の外に置いてある椅子に先程の三人、金髪で翠玉色の目をしたイケメン、その隣の椅子に座っているのが金髪のイケメンの仲間と思われる馬の尻尾のように垂らしている髪の無表情の女の子。
そして俺は二人の反対側に座りっている訳だが、先程空間魔法の中にいた時言った「理由次第で考えてやる」という事で俺は向かい合って話し合いをする、という。
正直、出たかっただけで考える気なんて全然ない。
「で、交渉の件だけど」
「その前に名前教えてくれよ、頭の中でお前らの事金髪のイケメンと無表情の女の子としか思ってないんだよ、ネルセマってどっち」
「え、あ、ああああ! す、すまない! そういえば名乗っていなかったね、僕の名前はネルセマ、冒険者をしている。そしてこの子は僕のギルドに所属しているシエーナ」
俺に「よろしく」とでも言っているかのようにこくっと無言で首を振ったネルセマのギルドのシエーナ、コミュニケーションをとったのは初めてな気がする。
「……よろしく」
名前を聞いた所でどうでも良くなってしまった。
とりあえず理由を聞いて断っておこう。
「えっと、じゃあ、セレアを欲しい理由を聞きたいんだけど……」
「ああ、実は……」
訳ありのような顔をし、少しの間黙っていたネルセマが口を開いた。
「…………彼女に恋をしました」
真剣な表情で俺に向かって、言ってきたネルセマの目は嘘はついていなかった。
「…………そっか」
ネルセマから視線を逸らし、空も見上げてどうでもいいかのように言った。
空って、やっぱり綺麗だ。
「そ、そっかってどういうことなんだ! 僕は真剣に言っているんだぞ!?」
「だから何だってんだよ! 好きだから渡せって事かよ、お前の恋なんてどうでもいいわ! セレアに好きって告白してこいよ! あいつもお前の事好きだったらお前に付いて行くって事でいいだろ! お前そんな事を言うために俺を空間魔法の中に入れたのか!?」
ネルセマの首を絞める俺。
「げほっ……げほ…そ、そうか! その手があったか!」
「俺を巻き込むなっ!」
再び首を絞める俺。
「うぇっ…げほっ…う、うぇ…………」
「……ご、ごめん………」
さすがにやり過ぎたと思い、手を離す。告白する前の人を殺めてしまうとこだった。
「い、良いんだ。そ、そんな事よりも僕は桜桃族のあの子に思いを伝えなければ……! 一目惚れなんだ!」
「……が、頑張れよ……」
と、そこで。
「ああーっ! ネルセマ、あんたこんな所にいたの!?」
「げっ! ハーディラ!? な、なんで……」
「なんでって……酷い! 今日はこの街をブラブラしようって言ったから楽しんでたのに、あんたがいきなりこの子渡して「悪い! 少しの間この子とちょっと遊んでてくれ!」って言うもんだから……!」
理由も話さず渡したのか。
俺とネルセマが少し揉み合っていたところ来たハーディラという一人の女と手にいっぱい食べ物を持っているセレア。
ハーディラという女は見たところと、先程の会話でネルセマの仲間だと思える。
「こ、これには深刻な事情があって……!」
「そ、そうなの……!?」
ハーディラという女を見ると、ネルセマの言った事を本気で信じていた表情をしていた。
この世界はバカしかいないのか?
「い、一体どんな事情なの!? あ、そ、そっか、知らない人達いるもんね。私もその話聞かせて。場所を変えましょう」
「ちょっと待ってくれ、大丈夫だ、幸いここには事情を知っている人達しかいない。ここで言ってもいいさ」
セレアさんいますけど、と伝えたい。
「あ、そうなの?」
「ああ、実は…………僕は桜桃族のあの子に恋をしあああああああああああああおおおおおおっ!」
「あんた、またそれか、死ね!」
ハーディラという女の見事な拳によりどこかへ飛ばされてしまったネルセマ。
好きな女ころころ変わってるのか。
「まったく、何でいつもああなのかしら! そうだ、調教しましょう。二度とと逆らえなくさせてやりましょう! シエーナもあいつに迷惑かけられてるし、一緒にやりましょ!」
「…………う、うん」
「…しゃ、喋った……」
初めて会ってから少ししか時間は経ってないが、無表情で無口な人なのだろうとずっと思っていたので、今言葉を発したのが俺にとっては驚きであった。
「うん! 一緒に調教しましょ!」
「……うん、頑張って、殺す!」
「殺しちゃダメよ!? 一応仲間だから、一応!」
…………聞いていないことにした。
よく見ると、ハーディラの近くにいたセレアが消えていた。周りを見ると、いつの間にか椅子に座っており、お菓子やアイスを黙々食べていた。
あいつとらは関わらないでおこうと思い、セレアの元へ行った。
「……おい」
「あ! ロクヤしゃん! どうひまひた?」
「……いや、大丈夫かなって。何かされたとか……」
「おお、さすがロクヤさんですね! 優しいです! 大丈夫ですよ、あの子とはすっごく仲良くなりましたよ! お菓子もいっぱい買ってくれましたし!」
今までハーディラと会話してるとこは見てないけど……仲良くなってたのか。
ハーディラとシエーナの会話が耳に入った。
「も~それにしてもホント疲れたよ、急に渡してくるからさ」
「桜桃族のあの子を渡された後……楽しい事あった?……」
「楽しい事なんてないわよ! だってお菓子とかアイス、あの子食べてるけど全部私が払ったから! 「あー!」って言って勝手お店に入っていくのよ!? もう財布の中空よ! うあああああん!」
「……またネルセマのせいで……ハーディラを泣かせた……許さない」
「……可哀想だな……泣かせるなよ」
「ふぇ? なんでしゅか?」
長年引きこもっていた俺でも知っている常識を知っているいるか? と、言いたくなったが美味しそうに食べるセレアを見て。
「はぁ、食べてから喋ろよ……」
「おいひいですううううう!」
俺は少し甘いのかもしれない。
ふぁああ、終わりました!④まで!
次の更新は⑤~⑦までです!
そして新しい章に入ります!
どんなものに満ち溢れているのか! 考えてます。
Twitterで少しずつ載せてますけど、セレアちゃん、ちょいちょい載せてます。描いてます!
ロクヤ君の服装どんなのにしようかなぁって考えてます。
マフラー付ける予定です。
悩む、悩む……。