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世界は魔法で満ち溢れている!  作者: 六侘 アヤ
第一章 世界は驚きで満ち溢れている!
1/6

世界は驚きで満ち溢れている! ①~②

初めまして!六侘 亜夜と申します!

小説初めて書きました!少しずつ、遅いと思いますが少しずつ書いていくので頑張ります。

読者になってくれると嬉しいです。

― プロローグ ―

 この世界は魔法で満ち溢れている。冒険者同士でお互いの魔法の強さを比べあったり、人種や職業によって使える魔法も違う。モンスター達がこの世界のあちらこちらにいるため、人達は生きるために討伐する、が中には迷惑なモンスターもいるので生きるとか関係なしに殺したりする、仕方ない。恐らく弱肉強食の世界なのだから――。

 

この、強さと魔法で満ち溢れた世界で1人、昔から全ての人達に嫌われている紅魔族こうまぞくで生まれ俺――ロクヤ。今は絶滅危惧人族の1人と呼ばれている……。


         1


 今俺は、とある街に幼い頃からいる白い城壁で囲まれ【ディレクトル】にいる。

 一つの人種には必ず村がある。村と言っても人種によって村の造りはそれぞれ異なる。中には街にしか見えない豪華ところもあるというのも聞く。


 人に帰る里があるというのは羨ましい……。

 16歳になった俺だが、家族か友人を欲するようになってきた。


 街は様々な種族の冒険者などが交流する場である。ギルドを創り依頼のクエストを受け、依頼を達成したら賞金を貰って生活をする。説明は簡単な仕事だが、いざ仕事をやるとなると簡単な事ではない。

 ≪命≫を掛けているから、やるとなると難しいのだ。難しいというのも、その冒険者がやるか、やらないかの気持ちの問題だ。街は冒険者にとっては必要な場らしい。

 勿論、街だけでは無く、村でもギルドは創れる。だが、村でギルドを創るとなるとデメリットがある。一つの種族じゃ大変だと言う事だ。違う≪種族≫と≪職業≫で使える魔法は違う。魔法には二つ種類がある。≪種族魔法≫に≪武器魔法≫――。その名の通り種族は≪種族魔法≫、武器の魔法は≪武器魔法≫だ。さらに一つの種族には専用の≪スキル≫が一つか二つある。中には一つの専用スキルを持ち、もう一つはどの種族でもスキルポイントで覚えれるスキルを最初から持っている種族もある。

 一つの種族でも、一人一人職業が違えば何とか良いギルドには一応なるだろう。でも、限りがある。

 様々な人種の冒険者などが交流する街があるからこそ、様々な人種とギルドを作り自分の役目は自分に種族にあった事をし、仲間を支える。

 攻撃に特化した種族や回復に特化した種族はそれを無視したら何かと不便だぞって事だ。回復に特化しても攻撃したいなら前衛にはあまり出ないで欲しい、せめて後衛で攻撃してください、みたいな感じ。

 

 だけど、俺は一度もクエストを受注したことがないので別に必要とか思っていない。

 金とかはそこらへんの木の実とか土から掘って出てきたなんか売れそうな奴売ったりして頑張って生きてる。この世界で言うと貧乏に近いかもしれない。

 

 なんでクエストをを受注しないのかというと。



 差別されているからだ…。



 紅魔族は昔から嫌われている人種なので黒髪で紅の瞳を持つ俺は、目を合わせるだけでも怖がられるし、ゴミをなかには投げてくる人もいて酷い目に合わされる。

 それを幼い頃から受けていたので恐怖心で街にはもういけない。要するに怖くてビクビクして動けないって事だ。

 じゃあ今は俺はどこにいるかというと、ディレクトルを半分囲んだ森の中に、通り道が昔誰かが使って…まるで廃墟のような古い家にいる。

 さすがに汚かったので大掃除したけど。

 新築ではないが昔誰かが使われていた家に住んでいる。

 幼い頃何度も酷い目に合わされ、それでも街を離れようとしない俺に呆れたのかこの家を街の人達がくれた。感謝してる。


 因みに言うと、俺は一応冒険者の一人なのだ。

 ギルドも結成してて一応、冒険者なのだ。なにもしてないし、仲間なんて誰一人いないけど。

 昔、四年ぐらい前にひっそりと街にフードを被って集会所に行った時仲間募集をしたことがあるけど何年経っても来ない。

 募集の紙捨てられた可能性もあるが仕方がない気もする、住所書いてるし、俺の事を知っている奴は絶対来ないし、知らない奴は、こんな森の中にあるギルドに警戒するかもしれない。


 つまり俺はずっと1人なんだ。

 

 長年誰とも話してない俺は友情とかそういうの知らない。友達がいない。

 家に沢山本があるため色々知恵はあるが、人と関わりが嫌いと言ったら嘘だ。

 本で読んだが、女といのは素晴らしいと思う。

 思春期真っ盛り、友達というのが欲しいし女の子と話したい十六歳のぼっちの俺にとってはかなりの今の生活が苦しい。

 ていうか誰かと話したい! 仲良くなりたい!

「……はぁ」

 ……ため息がでる。誰かと話したいのに話せない。行きたいのに足が動かかない……。

 俺は二階の窓から上半身を出し、ぐったりとしながら街を見てると……。



 ヤバイ、なんか人がこの家に向かって来てる……!?



 誰? 誰? 誰ですか? 

「……っ! ……まさか」

 この家を奪おうってか……? 服装が見た感じ女の子だが、市民とは異なる服装をしている。冒険者だ、どちらが強いかでこの家の持ち主が決めるってか……?

 ありそうであるようなことを考えながら苦笑した。

 俺は時々この家を襲ってくるモンスターを倒し、レベル2の状態とフード付きの上からした、全部が黒の黒ずくめのコートを着て家から出た。

 まともな服がこれぐらいしかない。 



 ……俺は今待っている。家の外で先程の冒険者を待ち伏せしている。

 さっき窓から見たが今女の冒険者はこの家まで一直線に向かっている、もう少ししたら来るだろ。


 ……来た。

 俺がいるとも知らず少女は驚いていた、やがてこちらに向かって来る。きっぱり言おうかと思っていたが声が出ない……!

 ……可愛い。

 目の前の女の冒険者は癖毛一つない肩までのびた桜桃色おうとういろの綺麗なセミロングで、目の前にいる女の冒険者は俺が今まで拾ってきた本の中の人達より可愛いかもしれない。

 俺のさっきまでの心の中だけの威勢はすっかり消えていた。

 あまりの可愛さに動揺してしまったいた。


「あ、あのぉ…」

 おおっと、なんか声かけてきた!

 ちゃんと返事しないとな、返事をする前に深呼吸をしよう。人と話すのは久しぶりだな、4年くらい前だったかな、最後に話したの。

 確か、小さい頃お腹空いたとき食べ物が食いたくて近くのお店で食べ物分けてくれないかと言ったら「消えろ」って言われたのが最後の会話だったかな……。

 いつも害のないモンスターと話してる俺が人間とまともな会話をするデビュー来たか。

 俺は、意を決して自分の口を開いた。

「こ、ここここ、こんにゅちひゃ!」

「……ぶふっ」

 ……死にたい。真っ赤に染まった顔と絶望という感情になり俺はその場をすぐにでも逃げたくなった。

 目の前でお腹を抑えてなんとか笑いを堪えようとしてる女の冒険者だが、 もう素直に笑って欲しかった。

 女の冒険者は笑いを堪えながら俺に尋ねてきた。

「ぶ、ぶふっ、あ、あの…ぶっ」

「……あ? なんだよ」

「す、すいません、ぶふっ……」

 うぜぇなこいつ。

 ……もう絶望というより苛立ちが大きいかもしれない。苛立ちを察したのか、まともに女の冒険者は話してきた。

「あ、あのロクヤさんっていう紅魔族の人って知ってますか? 地図でこの辺りに住んでるって書いてるんですけど、知ってたら教えてくれませんか?」

 やっぱり俺に用事があったのか。嘘をつくわけにはいかないので答えておこう。

「……その、ロクヤって人。俺ですけど」

「あ、やっぱり! 黒髪で紅の目だったので、やっぱりそうでしたか!」

 じゃあそれが俺かどうか聞けばいいだろ。

自分の予想が当たり嬉しいのか、やっぱり、やった、を何度もぶつぶつ言ってる。俺への用とは何だろう。

「……えと、俺になんか用がならさっさと言ってくれないか?」

 女の冒険者が先程から持っている紙を両手で俺の方に差し出しながら言った。



「私、このギルドに入りたいんで、ここにサインください!」



 ……え?



         

「あ、そこの席に座って」

「あ、はい」

 俺と女の冒険者は現在俺の自宅にいる。

 先程ギルドに入りたいと言っていたのでとりあえず家にあがらせて、何で入りたいのかだけでも聞こう。

 女の冒険者は家をキョロキョロ見て、すごいすごいとぶつぶつ周りを見ながら言ってる。

 まぁ、この家はそれなりにいいからな。話を進めたいので俺は女の冒険者に言った。

「入りたいって、本気? マジで?」

「え、ああ。本気ですけど」

 本気かよ……まぁ、理由はどうあれとりあえず友達と話し相手でも欲しかったから嫌な気持ちではない。

「そっか、まぁ別にいいけどさ」

「ホントですか!!」

 おおっと! 急に立ち上がるなよ。びっくりするわ。

「あ、ああ。だけどほんとにいいのか?このギルド……」

 ギルドと認められていることでちょっとにやけてしまった。

 女の冒険者を見るとにやけ顔に引いてるようだ。

「ん、んっふ……! えっと、このギルドは訳ありなんだよ」

「訳あり……ですか?」

 どんな訳ありか? と聞いてくるような目をしてるので言わざるを得ない。

「俺って紅魔族だろ、だから昔からみんなに嫌われてるんだよ。そんな紅魔族がいるギルドに入ったら間違いなく君も酷い目に合わされる。ゴミとか投げられたい? 臭いぞ?」

「……し、心配してくれてるんですか……」

「あ、ああ。まあ……」

 まぁ、そりゃあな。共に差別され共に酷い目に合おうだとか、さすがに思ってない。最後の言葉でさすがに身を引くだろう。

 と、想像通り断ると思ったら。

「でも、もう他に行けるとこないんですよ」

「……え、このギルド以外に他にいっぱいあるだろ」

 俺の答えに女の冒険者は言った。

「いえ、全部のギルド行ったんですけど、どれだけの強さか確認するためのクエストの後いつも丁寧に断られるんですよ! 可笑しくないですか!?」

 ……つまり、こいつは弱いってことか……?

「あはは、まぁこの世界は魔法で満ち溢れてる世界なんだ、どんな魔法でも使い物にならなかったり弱かったりしたら死ぬもんな。断られるのも仕方がないと思うけど」

「わかってますよ、ていうか何ですかその言い方。私が弱いみたいじゃないですか」

 ……え?

「弱いんだろ?」

「あなたちょっと私の事なめてますね、ちょっと外出てください」

 ちょっと半切れ気味な女の冒険者は俺に喧嘩を売っている。

「は? え、ちょっと待って! ねぇ、もしかして俺と戦うつもり!? 俺レベル2だし魔力とかすごい少ないんですけどっ!」

「なわけないじゃないですか、この私を誰だと思ってるんですか。戦ったらロクヤさん死にますよ? まぁ、私が魔法で創った空間で戦えば死にはしませんけど、痛みはあります。やります? ていうか……レベル上げしてくださいよ。この募集要項の発行4年前ですよ……」

 随分なめられたもんだ、まぁ魔法で空間を創るほどの高度な魔法を創れるらしいし、なにより嘘ではなさそう。

 だがあえてレベルの事は触れないでおく。

 さっき聞いたギルド断りの話と今の話を聞いて悟ったのだが恐らくクエストに出て実力を見せようということなんだろう。

「いや、断っておく。な、なぁ、もしかしてクエストに行こうって思ってる? 行こうとしてる?」

「それ以外何をして実力を……あ」

「……あ?」

 女の冒険者は良い事を思いついたかのような顔をして俺に向かって言った。

「ロクヤさん、そういえばまだでしたよね、ここにサインするの。このギルドに入れてくれるのまだ認めてくれないってことです……よね?」

 顔をニヤつかせながら俺に尋ねてくる。

「あ、ああ。まぁそうだな」

「はい!じゃあこうしましょう!私とクエストに出て役に立つ存在だと思い知らせてやります!」

「いや、別に役に立つとかどうでもいいんだけど」

 と、女の冒険者は俺の言葉を遮るように言った。



「因みに言っておきますけどロクヤさん、私はあなたが紅魔族だからってあなたを嫌ってませんよ。ディレクトルのギルドの集会所でもロクヤさんの事聞きましたけど、ロクヤさん何も悪い事してないじゃないですか。私種族で差別するとか意味がわかんないですけど、まぁ紅魔族は確かに他の種族とは違うタイプの差別ですが。私はあなたを一人の人間として見てます、だから気にしないでください。あなたに興味があります、だから入りたいんです。このギルドに」


 声が出ない…嬉しすぎて俯く俺はこんなことを言われたのは初めてだった。


 ―――だが心のなかで冷静になってた俺は考えた。


 冷静になって出てきた疑問を俺は女の冒険者に言った。

「あ、ありがとう。本当にありがたい言葉だけど、一つ聞いていいか?」

「はい、遠慮なくどうぞ!」

「お前ここ以外の全部のギルド断られてもう入れないから残されたこのギルドに入りたいだけで俺にはこれっぽっちも興味ないだろ」

「さぁ、クエスト受注しに行きましょうか!」



         2



 あれ、何でこの本持って来てんだ……うわぁ内容があれだしこいつにはバレたくねぇ……。

「あ、お、おい待てって……!」

「なにしてるんですか、置いてきますよ」

「……あぁ、わかった、じゃあな!」

「あ、待って!待ってください!ごめんなさい、ごめんなさい!私が悪かったです!もう置いて行きませんから見捨てないでください!!」

泣きながら俺の脚を抱きかかえ、謝る姿を見て可哀想だと思ってしまった。演技派か、こいつは。

「うっ…ぐすっ…うっ…」

俺たちは俺の自宅の丘から降りデェレクトルに向かっている。クエストに行ってこの女の冒険者実力を見て、ギルドに入れるか判断して欲しいらしい。

だが見て欲しいということで俺もクエストを同行しないといけなくなってしまったのだ。街には行きたかったが心の準備というものをしていないので何年も街に行ってないので引きこもりだったぼっちの俺は幼い頃に街の人達に合わされた事の恐怖心で唐突に行くことになった街に行くことは断ったが行くと聞かないので仕方なく、だけど手続きとかはすべてこいつに任せたのでそういう訳で俺はフードを被り女の冒険者と森へ降りている。

…まだ泣いてるしうるさい…。演技じゃないのか。

「あ、そういえば名前聞いてなかった」

唐突に思い出した。そういえばお前とかしか言ってないか、俺は募集要項に書いてるからわかってもらってるが…一応聞いておくか。

「なぁ、そういえば名前聞いてなかったんだけど…」

「うっ、うっ…な、なまこ?」

「名前だよ」

「あ、名前!忘れてました!名乗り忘れてましたね。私、桜桃族おうとうぞくのセレアです」

「へぇ、セレア。桜桃族って桜とさくらんぼが有名ってとこか。名前は覚えても縁がなさそうだし意味がないと思うけど。うん、ありがとう」

「ねぇ、ちょっと私への態度酷くないですか!?あなた他の人にもそんな態度してるんですか!?」

「いや、人と話したの五年以上も前だし」


「あぁ、ぼっちなんですね」


すらっと俺が傷ついちゃう言っちゃいけない事を言ってきたので。

「しばくぞ」

「レベル2で?ふふふっ」

「……」

「あれ、どうしたんですか?なにも言えなくなっちゃいました?あはは!!」

俺はここでは引き下がれない。森を下りながら口喧嘩をしてる俺たちに俺は遂に終止符を打った。

「俺さ、まだ仲間いらないわ。ギルドを支えていく程の実力ないし、何よりもあんたが入って来ても俺足手まといになるし。レベル上げるから一旦仲間の募集中止して、また改めて来てくれないか? 悪いけどこの話は無かったことに」

「うああああああああああああん! ごめんなさい、ごめんなさい! 私が悪かったですううう!」


驚いた、女の子ってこんなにめんどくさいんだな。

本の中の女の子とは全然違うのでさっきまで照れていた自分が恥ずかしい。

顔以外嘘をつかれた気分だ。俺に現実を教えないでくれよ。もう少しの間だけ女の子を異性として、興味を持っていたかったなぁ。

そんな風に考えていると、セレアは。

「うっ…うっ…ホントに…ごめんなさいっ…ぐっ…」


泣いたり泣き止んだり、俺に挑発したりと忙しい奴だ。

泣きながら俺に付いて来るセレアを見て、見てくれはかなりの美少女だが…俺は深いため息を一つした。



――街が見えてきた。



森を降りやがて見えてきた、ここから見ても右と左まで、どこまで続いているかわからない白いレンガで造られた城壁を見て俺はつばを飲み込んだ。


「す、すごいな…家から見てはいたけどこんなにでかかったのか…」

ふと後ろに付いて来ていたセレアを見たが、何故か辺りを見回し何かを探してるようだった。

「どうした?」

俺の言葉を無視したのかと思いきや、数秒後。

「……いや、門ってどこかなって、思って」

………は?

「は?え、ちょっと待って、お前今さっきここから登ってきたばっかだろ。まさか忘れたのか?」

迷うことなくセレアは。

「はい、忘れましたね。確かに門から出てあの家まで行ったんですけど…」

「おい、ふざけんなよ。ここから見て右も左もどこまで続いてるか分かんない程でかいんだ…いや、どっちも門はあるかもしれないな。さすがにこうもでかいと門の数も多いだろ」

一時絶望したが俺の考えに希望が見えた、行動後希望か絶望かどちなるか分からないが俺はどちらでもあると信じ神様の言うとおりに従おうとした。

「どれにしようかな 天の神様の言う通り 天に魔砲撃ってドンドンドン もひとつ魔法でバンバンバン」

…右か。

「よし、セレア。神様が右だってよ」

「おお!さすが神様ですね!」


俺たちは神様を信じ右をひたすら進んだが左は白いレンガの城壁、右は森。

遠くを見ても白いレンガの城壁と森のままだ。途中で曲がったりしたが何も景色は変わらない。

歩くこと数十分。…さすがに可笑しい。

「……なぁ、セレア。神様って嘘つくか?これはさすがに酷くないか?」

俺は足の苦痛に負け遂に神様のせいにしてしまった。八つ当たり。

今思えば二択の時の神頼みは使い物にならないんだった。

神様に愚痴を言いながら歩く俺にセレアは。

「…ロクヤさん。まだ、歩くつもりですか?私さすがにもう限界なんですけど!」

「お前さ、ほんとどうやって来たんだよ。…はぁ…もしかして左だったか?」

「わかりませんよ…どうします?この壁壊して穴あけます?」

「ふざけんなよ?疲れて頭いかれたのか?」

急に破壊をしようとしてるセレアは余程疲れたのだろう。数十分歩いて。


俺たちは疲れたので一緒にボーっとしていると。

「ふざけんなよてめぇえ!!!!!!!」

突然の怒声に俺たちは驚き肩あがった。

俺は突然なことと恐怖心で少しの間体が硬直してしまったが、我に戻った俺はセレアをふと、見る。

セレアも怒声に驚いていたが、急に立ち上がり城壁の前まで走っていった。

騒ぎのとこに駆けつけたいのだろう。だが目の前に城壁しかない状況でどうやって騒ぎの場駆けつけようとしてるのか。


大体予想は出来ていた。

――嫌な予想しか。


『ローズ・レイ!!!』


魔法を唱えたセレアはドヤ顔を決めていた。

魔法によって砂埃すなぼこりが起こってしまったが確かに白いレンガの城壁は消えていた。目の前でドヤ顔を決めている破壊神により。

「こら!!破壊神!!なにやっとんじゃあああ!!!」

「いいじゃないですか、騒ぎがある時はすぐ駆けつかなければ…ていうか破壊神やめてください」


俺たちが揉み合ってるうちに砂埃は消え…そこには商売のおじさんと男の冒険者、腰に矢を所持しているので弓なのだとすぐわかった、片手には弓をもっており今使っていたかのように見える。

後ろには仲間の冒険者だと思われる人が三、四人いたが。そのおじさんと弓使いの男を囲むようにいた様々な人種達は俺達に視線を向けていた。

「え、な、なに…!?」

弓使いの男の後ろにいた冒険者の一人、女の冒険者が言った。


俺は戸惑いなんていえばいいのかわからず硬直していたがセレアは。

「あ、初めまして皆さん。なにかお困りのようですが。私にできることがあれば言ってください」

こいつ壊したことなんてどうでもいいと思ってやがる!!!

「お、おい!セレア!!」

何かを言いながら人達に向かっていくセレアの腕を掴み、セレアの足をとめた。

「お前バカか!?なんで城壁壊して平然と人のとこに行こうとしてるんだよ!!怯えてるだろ!!破壊神の力封印しろ!!無害の人達まで破壊すつ気か!!」

「なっ!私は人助けしようとして…!!ていうか破壊神の力じゃなくて普通の魔法です!!」

「助けようとするのはいいが登場の仕方があるだろ!!破壊しないと登場できないのかよ!」

俺達が揉み合っていると…。


「は、破壊神だって…」

…え?

「みんな、戦闘準備だ。戦闘態勢に入れ!まだ奴らの行動を見よう。敵が攻撃してこない限り動くな。攻撃してきたらただちに殺せ!街を守るぞ!」

「了解!住人の皆さん!!ここから離れてください!!危険です!!」


「きゃああああああ!!!」

一斉に悲鳴を上げ、一斉に非難し逃げる人々。

……ちょ、ちょ、ちょちょ!!!!!

まずい展開なんですけど!!!え、ヤバイ…完全敵だと思われてるんですけど…!


「ちょ…せ、セレア…?」

「は、ははは、はい?な、なんですか?」

この先何が起こるか不安に感じながら、お前のせいだぞと心の底から思いながらセレアを呼び、セレアの顔は不安でいっぱいで震えながら俺に返事をした。


戦闘態勢に入ってる数十人の冒険者を目の前に俺達は何も出来ず振るえていた。


そこで先程おじさんと揉み合っていた弓使いの男が言った。

「お前達は何者だ!!どこの人種族だ!!何を企んでいる!!」

「い、いえ…俺達は…」

「動くな!!!」

てんぱって手と口で説明しようとしたがあたふたしてしまい弓使いの男が怒鳴った。俺達は抵抗する気もないので大人しく震えながら正座をしていた。

「大人しく俺たちに付いて来てもらおうか、何を企んでいるのか吐かせてやる」

別にこの街を破壊する!だとか毛頭ないし。クエストを受注しに来ただけなんだけど。

…弓使いの男が仲間に向かって俺達には聞こえないように小声で話していた。

話が終わったのか俺達の方に向かって歩いてくる。

「ロクヤさん…私…死にたく…ないです…」

目に涙を浮かべながら話してくるセレアに怒る気にもなれなかった。

こいつも悪気があってやった事ではな………微妙だな。


九割は悪気があってやったんだろう。


やがてこちらに歩いていた冒険者が来て。俺たちに向かって言った。


『スリープ・ハール』



…視界がだんだんせまくなり。かすれる意識と一緒に、やがて俺の視界は暗闇となる…俺は意識を失った。

最後まで読んでくれてありがとうございます!

一話の文字数は少なめにしました。最初は出会いみたいなので残酷とかまったくなかったですがこれからちょいちょいあると思います。

この「世界は魔法で満ち溢れている!」の一章、「世界は驚きに満ち溢れている!」は①~⑦くらいまであると思います。

大体、一章は①~⑦にします。


ロクヤとセレアどうだったでしょうか?

二人をtwitterで描いたりしてるのでtwitterも是非見てください。


最後まで読んでくれた方も途中まで読んでくれた方にも感謝です。

これからも書いていきますのでよろしくお願いします。

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