わたしのいないよのなかは、
ぼそり、と耳元いわれたことば
『おまえなんか、いらないよ』
夜のまくらにぐるぐる回る
部屋のしずけさとともに 心臓に
ちゃぽんとしずみこむ
明日が訪れるまえに
すべてをわすれてしまいたい
わたしのいないせかいは
すこしはいい よのなかになる、と
おもうわたしは
昨日のきずあとが未だ乾かない
すべて忘れてしまえるように
横たうベッドはつめたくて
からだがおもい
わたしの傷をえぐったあのひとに
わたしも心臓にナイフ差し込んだように
ひとの血であしあとつけて
歩くのがくるしく
こころを削ってまで
なぜ生きているのだろうと
めのまえがまっくらになるのに
ゲームオーバーはまだ来てくれないから
せかいはきっとやさしくない
トントントンと
とびらがたたく
明日が訪れるまえに
すべて忘れておわりたい