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防具は、動きやすいものがいいという二宮さんの注文に従って、上半身を覆う柔らかい革製のものを選んだ。二宮さん、動き、早いからね。
一着三万、三着で九万ルド。剣より単価が高いとは思わなかった。
工藤さんの武器はできるだけ軽いものを、ということでとりあえずダガーになった。腰にぶら下げるようだ。これが一万。
指輪と、工藤さん用の時計と、合わせて五万五千。
組合証の残金ピッタリの買い物となった。
道具屋を出た工藤さんは指輪を右手の指でいじっていて、とても気にしている。きっとふだんつけてないので違和感があるのだろう。そのうち慣れるさ。
「次は互助組合に行くよ。由佳の組合証を作ろう」
二宮さんが先頭に立って歩き出す。工藤さんはその隣りを歩いている。一歩下がって俺がついていく。
なるほど、この立ち位置は力関係を表してもいそうだ。
「組合でクリアオーブの残りを納入しちゃおうか。たしかに、二宮さん、二個持っているよね」
「そうね。私たちの組合証にも入金してもらえば、買い物もできるし。そうしよう」
互助組合で工藤さんの組合証を作ったあと、残り八個のクリアオーブを納入する。三人の組合証に25000ずつ、入金してもらい、残りの5000ルドは二宮さんが持つことになった。
三人がことばを理解できるため、今まで俺がお金の管理をしていたが、その役割は二宮さんがすることに自然となっている。25000ルド分けてもらっただけでもよかったのかもしれない。
俺の役割がなくなっていく(涙目)
「さあ、それでは今日の宿に行って部屋に荷物を置いたら玄関前集合ね。さっそくダンジョンに行ってみよう」
二宮さんはやる気満々だ。
宿までの道すがら、工藤さんに下の名前を聞かれた。
「一人っ子なんだけど長男なので太郎っていうんだ」
俺がそう言うと、工藤さんはクスッと笑った。
「そうなんだ。母方の実家で犬を飼っているんだけど、その犬も太郎くんなんだ。私、太郎くんと仲がいいんだよ」
そう言ってクスクス笑っている。
俺とはまだ仲がいいとは言えないんだけど、笑顔が引き出せてうれしいよ。でも犬の名前と一緒か……
『快適な城』は空いていた。もちろん二部屋だ。二宮さんと工藤さん、それから俺は一人、ちょっと一人は寂しいかもしれない。それこそ、犬とかペットがいると、紛れるのに。
背負い袋とマントを部屋に置いて玄関前に行く。
しばらくすると二人が玄関前に来た。
「お待たせーー。じゃあ行こう。みやじくん、地図持っているよね。案内お願いね」
「タローって頼もしいね」
工藤さんがクスリと笑う。
「タローって呼び方いいねー、私もタローって呼ぼう!」
二宮さん、セリフが棒読みだよ……
それ、事前に打ち合わせしていない? と思ったが、それは言わない。
タローという呼び方とともに、俺の新しい役割が、今できた。
案内係だ。
地図を持っていてよかった。
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