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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第六章 初めての街
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 ベス村には大通りから入らず、裏道を使って互助組合に戻る。頭のマップがあるので、来た道を戻るだけだ。

 時計をみると八時ほど。ちょうど十時間ぐらいだから約束の十二時間以内にはどうにか帰ることができた。


 バイクを駐車して、鍵を持って互助組合の受付に行く。

 建物の中に入ると、二宮さんが、聞こえてくる声がわかる、とつぶやいている。


 これからはダンジョン内の人との会話に、より一層気をつけようと俺は思った。いや、俺はふだんから気をつけているけど。


 受付の窓口にはマトトさんがいる。バイクを借りるときにもいたけど、何時間働いているのだろう。互助組合って互助なのにブラックなのだろうか?

 マトトさんの窓口に行き、ありがとうございました、これ鍵です、と言って差し出すと、マトトさんは、おつかれさまでした、用は無事すみましたか、と聞いてくる。


 おかげさまで、助かりました、そう答えると、よかったです、もうお帰りになるだろうと思って、受付を代わってもらって待っていたんです、と言う。わざわざ待っていてくれて、受付、代わってくれたのか。マトトさん、いい人だ。


「わざわざ、代わって待っててくださったんですね。ありがとうございます。それで私も組合証を作りたいのですが」

 わきから二宮さんがマトトさんに話しかける。話しかけるタイミングを待っていたかのようだ。


 ゴブリン語が話せるようになった二宮さんからは、なんとなく迫力を感じる……


 冷静なマトトさんは、それではこの書類に必要事項をご記入ください、と紙を二宮さんに渡す。

 旅人なので記入は簡単だ。記入できるところが少ないのだ。サラサラと記入をしている二宮さんを放っておいて、壁に貼られている求人を見に行く。ことばがわかるのだから俺がついていなくとも大丈夫だろう。


 さまざまな求人がある。


 宿屋の掃除……街までの仕入れの手伝い……家の修繕……宿屋の改装、と見ていたら、後ろから声をかけられた。


「旅の方ですか?」


 女性の声に、振り返って見ると……とても驚いて、すぐにはことばが出なかった。


 同じようなマントを着てフードを目深にかぶっている人だが、驚いたのはフード越しに見える口元から下、あご、首元にかけて色が白いということだ。服はマントで見えないが、この色の白さから、この人はゴブリンではない。我々日本人より白いように見える。


 俺たち以外に地上の人間がここに来ていたのか……


「あ、はい、旅の者です……」

 なんとか質問に答えると、その女性は顔を上げ、俺を見てから、お久しぶりです、お母さん……リーゼは元気です……そう言って姿が透明になり、消えてしまった。


 なんだ? 消えたぞ? 幽霊か? お母さん? 俺は男だし、リーゼなんて娘はいないし……


 顔を上げたときに瞳が見えたが、黒くはなかった……水色に見えた。西洋の人? カラコン?


 呆然としていると、向こうで二宮さんがヒラヒラと手を振っているのが見えた。


 まさか二宮さんとの娘? の、わけがあるか!


 恐る恐る二宮さんのもとに行くと、

「みやじくんも掌、登録したの?」

 とのんきな表情で尋ねてくる。


 なんだかホッとして、うん、したよ、と答えてから。



 ……いや、なにもしていないから、娘はいない! と心の中で思った。










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あと、もしよければ、


【悲報】楽しみにしていたジョブは【愚者】でした


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