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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第六章 初めての街
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「それより、早くダンジョンに行きましょ。今日こそは街で【スライムの知恵】を買うんだから」


 そうだね。早くことば、わかるようになりたいもんね。


 きっとほんとうにその必要を感じれば、英語ってもっと話せるようになるんだろうなあ、などと違うことを考えてしまった。


「準備はできている。よし、行こう」

 キッパリ言うと、プレハブに向かって二人で歩き出す。


 二宮さんが鍵を開けてくれ、俺は袋を背負う。今回は短刀は持っていかない。梯子を降りて、短刀が入ったクッキー缶の前で手を合わせてダンジョンの安全を祈る。


 洞窟内はすでにスライムはいない……二宮さんはさっさと転移陣に向かう。転移陣のアトラクションを楽しむと、そこはもう広場だ。


 柵のところに行くと、大丈夫、荷物は昨日のまま置かれている。盗られることはないと思っていたが、ホッと一安心だ。

 懐中時計を見ると10時過ぎ。午前とか午後とかあるのか? あってもわからないけど。


 時計をポケットに入れ、指輪をはめ、マントを着て、袋を背負い直し、剣を肩にかける。


 二宮さんの準備も整ったようだ。


 クリアオーブは今回は多めにもらって行く。互助組合に納入する分もあるし、街で複製品を買うための資金も必要だ。複製品の値段も高価だということ以外わからないので、念の為十個ほど袋に入れる。

 広場さん、お世話になります。


 二宮さんに声をかける。

「複製品の代金の件もあるので、クリアオーブは多めに持って行くよ」

「いくつ持って行く?」

「十個!」


「それだけあれば買えるよね? でも、ここのオーブって勝手に持っていっていいのかな」

「俺たちしか入れないみたいだから、俺たちへのプレゼントなんじゃない?」

「ミヤジくんって楽観主義ね……」

「だって、お金ないし、すぐに稼げそうにないから、いいんだよ。これがなきゃ、複製品、買えないよ?」

「……念の為、私も二個持っていく……」


 背に腹はかえられない二宮さんだった……





 まずベス村に向かう。村まで俺はお散歩気分だ。二宮さんはマントを掴んで草原から林に入るとスライムと戯れるのに忙しい。


 楽しんでいるようにも見えるが、もちろん、そんなことは言わない。


 林を抜け、再び草原を歩く。


 ちょっと遠足気分である。そんな気分が伝染したのか、二宮さんが俺に聞く。


「広い草原を歩いているとまるでお散歩みたいね。二人より三人だったらもっと楽しいかな?」




 どういう意味? 俺と二人は嫌ってことなの?


 だったら一人ダンジョン、行かせてほしい……








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