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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第一章 穴を掘ってみる
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 短刀を和紙でくるみ、箱に入れてフタをする。


 誰かに見られたら大変だ、銃刀法違反で捕まるかも。そんな考えが頭をよぎり、後ろを振り返る。

 目が合ってしまって、身体がビクッとした。


 ミケがこちらをじっと見ている。


「おどかすなよ」

 そう言って穴から箱を持って出た。梯子を登って、じいさんの家に行く。ミケは庭先までついてきていたが、その後はどこかに行ってしまった。


「こんなものが出てきました、開けちゃいましたけど」

 そう言って玄関口に行くと、

「上がりなさいな。ケーキがあるから」

 ばあさんの声がする。


 どうも午前中に駅前のケーキ屋で買ってきてくれたらしい。


 俺は居間でストロベリーショートケーキとお茶をいただきながら、二人に経緯を話した。


「あなたが掘り当てたのだから、これはあなたが持っていなさい」

 じいさんがそう言うと、ばあさんも、

「きっと役に立つよ」

 と訳のわからないことを言う。短刀が役に立つって俺は人を殺す必要にせまられるのか? 

 

 人を殺す以外に短刀の役割が思いつかない。発想力のない俺……


 短刀なんて役に立たないよ。捕まっちゃうよ。


「持っては帰れないので、穴の中に奉納しておきましょう」

 と言ってごまかすと、

 二人ともなぜか、そうじゃのう、と賛成してくれた。


 とりあえず捕まらずにすみそうだ。


「明日は土曜日なので午後早めに来て、続きを掘ってみます。俺の学校、午前中は授業があるので」


 そう言うと、うんうんとじいさんがうなずいた。


 帰り際に、俺は、はたと気がつく。

「すいません、そういえばもう夕飯の支度の時間ですよね。ご迷惑をおかけします」


 じいさんが、かまわん、孫は帰るのが遅いから、八時過ぎなきゃ夕飯にならん、という。


 孫? 孫と三人で生活してるのかなと気になったが、家庭内のことをあれこれ聞くのは失礼すぎるだろうと思って、そうなんですかー、それではまたあした、と言って玄関を出た。


じいさんの名字を知らないことに気がついたのは、家に着いてからだ。




第五話、お読みいただき誠にありがとうございます

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