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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第五章 ふたりダンジョン
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 俺は、間違いをしたことに気づいた。


 時計を一つしか買っていない!


 二部屋に分かれたときに、時間が片方の部屋でわからないのだ。


 あんなに一泊を考えていたのに。もちろん、同室ではなく、別室で考えていた……嘘じゃない、ほんとうに別室だ……もちろん、彼女が同室を希望したら、やぶさかではないが……でもそんなことないよね……


 部屋に入る直前で気がついた俺は、

「ごめんなさい。時計、一つしか買ってなかった。俺が持っているので、一時間半したら、ドアをトトントトンとノックするから帰り支度をしてね。三回トトンしたら、宿屋を出る時間だから」


 彼女も今、時計の重要性に気がついたようで、

「ありがとう。気を遣ってくれて」

 と笑顔で返してくれた。


 ひとまず安心だ。二宮さんが部屋の中に入り、カチリという音を確認してから俺も部屋に入って鍵を閉める。ダンジョン内なので用心は大切だ。


 時計を見ると一時半ほど。これから二時間となるとかなりゆっくりできそうだ。


 靴を脱いで部屋に入る。部屋の広さは六畳一間、テーブルがあり座布団も用意されている。窓際は板の間になっており、テーブルに向かい合わせの椅子が置かれていた。思っていたよりいいかもしれない。


 剣と袋を下ろしてマントを脱ぎ、短刀も置いてくつろぐ。


 部屋の片隅にあったカゴにはバスタオルと小さなタオルが入っている。さすがに浴衣はないか。


 さっそくジャージ姿でお風呂に行く。二宮さんに会うかと思ったら会わなかった。残念。


 男湯のピクトグラフを確認して中に入る。この表示なら文字の読めない二宮さんも間違えることはないだろう。

 ジャージを脱ぎ、ドアを開けるとそこは露天である。露天風呂のみなのか、いいねえ。

 湯の中に入る。お湯はトロトロヌルヌルの高アルカリ性の泉質のようで、全身を包み込まれるような触感が気持ちよかった。ぬるめなので、まさに俺向きな湯である。


 スッキリして部屋に戻り、しっかり涼んだあと、背負い袋を開けて買った服を着てみる。


 まずは服を全部脱いで、買ったばかりのパンツを履き、ズボンを履き、靴下を履く。下は完了。

 上はTシャツのような下着を着て、その上に短めのワンピース状の服を着る。

 どれも生地としてはコットンのような感じで柔らかくもないが、硬くもない。色は全体がくすみブルーの色合いで統一されている。なかなかしゃれていて地上に戻っても着られそうだ。


 着ていた服はクリアオーブ、替えのワンセットとともに袋の中に畳んで入れる。


 ゴロゴロして時間を見たら三時近くになる。二宮さんの部屋をノックしに行こうかと思ったら、逆に部屋のドアがトトントトンとノックされた。もしやと思って出たら、やはり二宮さんだった。


「着てみたんだけど似合っているかわからなくて……見てもらいにきた」

 と恥ずかしそうに言う。


 二宮さんの着ている服は俺とほぼ同じタイプに見える。ただ色合いはくすんだピンク色で、とても似合っていてかわいい。


 とってもかわいい、似合っているよ、と言いたいところだったが、なぜかビンタされる白昼夢を見た気がして、言えなかった。


「いいんじゃないかな。二宮さんに似合う、いい色合いだね」


 俺のことばに二宮さんの表情が明るくなる。


「そお? なら、よかった。それじゃあ、部屋を片付けて来るから、そしたら出ようよ。このままで行くでしょ?」

 めちゃくちゃ満足げな顔である。


「うん。俺はもう大丈夫だから、こっちで待ってるね」

 俺がそう言うと、二宮さんさんはそそくさと出て行く。



 俺の服は似合っているのかな。感想聞きたかった……









お読みいただき、ありがとうございます


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