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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第五章 ふたりダンジョン
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「すいません、塔というのは……」

 次から次へと質問してごめんなさい。


「ああ、塔は街への道を行くと左手に見えるんだ。なんでもてっぺんにはお宝があるといわれているので挑戦する奴は多いが、ここは魔物の巣で、まだ頂上にたどり着いたものはいないらしい。死なない程度にチャレンジしてみたらどうだ」

 オヤジはそう言って笑った。


「いろいろ教えていただいて、ありがとうございます」

 俺は礼を言うと、

「この辺りの地図と……あと時計とかありますか?」


「ああ、あまり詳細なものではないが、あるよ。時計はこれになるかな」

 そう言ってお札と同じような紙質の地図ーー子どもが書いたような地図だがーーと懐中時計を渡してくる。なんと懐中時計は、地上で見たことのある十二進法だった! 今は一時過ぎを指している。


「水色聖典の記述に基づいて作られた時計だ。十二進法だ、珍しいだろう。十二進法は指の関節を親指で示すことができて便利らしい。時計の見方はわかるかい? クリスタルで動いてるから止まったらクリスタルを補充するといい」


 水色聖典か、以前聞いたことがある。水色教……この世界では信者が多くいそうだ……それにしても、この時計、見るからに高そうだけど…………お金、足りるかな。


「見方はわかります。いくらですか?」


「剣も買ってもらったし、両方で一万にまけておくよ」


 やはり高い。でも必要なものだからしょうがない。俺は、ありがとうございます、と言って互助組合のカードを差し出した。


 会計がすんだあと、地図上のどこが現在地で、塔や近くの街、都の位置などを教えてもらう。地下一層への入り口は赤い点が記されている。ベス村の近くにもあるようだ。街の近くにもあった。街までの距離を聞くと、歩けば一日かかるという。ともあれ、これで街の場所もわかり、【スライムの知恵】の複製品も買いに行くことができる。この地図では遠近感がわからないが、都はかなり遠い気がする。


 二宮さんにさっきの会話を説明しながら、他の商品も見て回る。


 マテリアルの話をしたら、私、以前に言ったよね、と言って偉そうにしていた。もっとドヤ顔すると思っていたのに、そこまでしなかった二宮さんは、謙虚なのかもしれない。


 防具とかもきっと必要なんだろうが、なにを買ったらいいのかまったくわからない。わからないので今のところは保留だ。すぐに地下一層のゴブリンと戦うわけではない。


 アクセサリーも売っている。指輪とかブレスレットとかネックレスとか。


 二宮さんも、さすがに女の子、興味深そうに見入っている。


 武器や防具のある道具屋なんだから、単なるアクセサリーとも思えない。特別な効果があるのだろうか?


 二宮さんに指輪とかをあげたら、意味深なものになってしまいそうだ。


 そこで、さっきの親父が近寄ってきた。


「そこのアクセサリーは高いけど、効果は抜群だよ」


 組合証にはまだ六万残っている。これが目的ですね、オヤジさん。



お読みいただき、ありがとうございます


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