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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第四章 ひとりダンジョン
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 家を出て、細い道を歩くと大通りに出た。ここがメインストリートなのか。左を見ると屋根はないが道の両脇に大きな石柱が立っているのが見える。そこが村の公的な入り口、門になるのだろう。


 老人が右に曲がるので、俺も大通りを右についていく。

 左右をキョロキョロ見ながら歩いていく。歩きながらの流し見なので、なにを売っているのかわからないが、思ったよりも商店がある。飲食店らしきものもある。これなら一泊で来てもお金さえあれば困ることはなさそうである。


 大通りにはゴブリンたちも結構な数が行き来している。みんな俺を見ているように見える。ときどき、数人で歩いている人がコソコソ話をしている。親子連れは子どもが俺を指差しているのが見えた。


 俺って注目の人になっている。


 ジャージを着た、ゴブリンに比べれば色が白っぽく見える若者がそんなに珍しいか。


 うん、たしかに珍しい。この環境ならば。


 この状況は、晒し者(さらしもの)にされているのと変わらないのではないか……


 老人、そこのとこの気遣いがなかったんじゃないですか?

 ちょっとだけ八つ当たりしたい気分です。


 姿を隠すフード付きのマントとか必要かもしれない。二宮さんを連れてこなくてよかった。二宮さんにこの晒し者状態はキツイだろう。


 とにかく、俺はついていくだけだ。


 しばらく歩くと大きな建物ーー三階建てのようだーーの前に着いた。


「互助組合はここです。一階が組合の施設、二階は図書室になっています。ベス村では図書は貴重品なんです。……周囲の目がずいぶんありましたね。帽子にマスクとかしていただくべきでした。気づくのが遅くなって申し訳ありません」


「いえ、大丈夫です」

 俺はとりあえずそう言ったが、まったく大丈夫じゃないよ。


 二人で互助組合の中に入って行く。当然、建物の中にいる人も俺たちに、というか、俺に目を奪われている。


 老人が受付で何かを話しているが、後ろにいる俺には聞こえない。小さな声で話しているようだ。受付ゴブリン(男性)がいそいそと別の受付ゴブリン(女性)になにかを耳打ちする。


 受付ゴブリン(女性)がいったん奥に行く。


 しばらくして戻って来た女性受付ゴブリンが老人のもとに行き、ひとことふたこと話すと、カウンターを上げ、先頭にたって老人を案内する。


 俺はついていくだけだ。


 視線をあびながら、受付を通り越して、案内に従って奥に行くと、見かけ、立派な扉の前で立ち止まる。


 ノックをして、受付ゴブリン(女性)と老人が部屋の中に入って行く。


 俺はついていくだけだ。


 …………自分の常識とは異なるダンジョン社会…………はじめての村の中…………相互組合だと分かっていても、知らないゴブリンに囲まれているかのような建物内…………それから、密室…………


 ……二宮さんを連れてこなくて、ほんとうによかった…………




 ……いや、連れてくるべきだったかもしれない……


 ……戦えば二宮さん、強いから…………




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