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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第三章 ダンジョンに着いた
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 二宮さんと二人で草原を歩く。

 

 ここがダンジョンでなければ、恋人同士のお出かけ、かな?


 恋人同士ではなく、たんなる委員会友だちなんだけど。

 ダンジョンなんだけど、二人でお出かけは変わらないか……そんなつまらないことを考えていると。


 草原が終わり林に入りかけるところで、フニュッとした初めての感覚を全身で感じる同時に、「いたっ」という声が隣から聞こえてきた。


 振り返ると、右側後方で、二宮さんがうずくまっている。なんだか、痛そうだ。


「どうしたの?」


「なんか、見えない壁があって、いきなりぶつかった……痛かった」


「壁?」


「うん。みやじくんはどうして壁を通れるの?」


 座ったまま、あたかも壁があるかのごとく二宮さんが空間をたたく。


 二宮さんってパントマイムができるんだ。どこで練習したのか、上手だ。


 そう言いそうになるのを堪えて、二宮さんの隣まで戻る。

 特に壁は感じないが。さっきのフニュも感じない。


 二宮さんは立ち上がりながら、目の前の空間をたたいて、なんで? と少し怒っている。


 ここは男気を出すところか? と思いながら手を引いて前に連れ出す。するとなにもなかったように、二宮さんは前に歩き出せた。


「なんで……」

 壁と思われる空間を過ぎて二宮さんがつぶやく。


 繋いだ手を離して戻ろうとしてまた、いたっ、とうずくまった。すぐに立ち上がって俺の手を取って再び戻ろうとする。


 戻れた。


 俺はされるがままである。


 二宮さんは再び手を離して、空間を勢いよくたたく。


 バンバンと小さな音がする。


 再び手をつなぐ。


 すると、たたこうとするが、空振りしてしまう。


「なるほど、わかった……壁を通るにはみやじくんのチカラが必要なんだ。手をつなぐことでみやじくんのチカラが私にも一時的に伝わるんだ」


 そうなんだ……俺はまだ状況が読めないよ。だって、壁、俺は感じないから……




お読みいただき、ありがとうございます


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