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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第三章 ダンジョンに着いた
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いいね、ブックマーク、ありがとうございます



 白メダルが転移に必要なお金かもしれないことは、二宮さんには伝えなかった。


 まずはきちんと確認してみたいと思ったのだ。


 まさか転移陣に料金が発生するなんて、ふつうは思わない。


 翌火曜日、学校が終わったあとに、ジャージに着替えて二宮邸に行く。


 こんにちは、と声をかけて畑に行くと、洞窟の穴を覆うように大きなプレハブが建っていた。入り口を見ると、南京錠の鍵までかかっている。


 驚いて本宅に行き、玄関で再びこんにちは、と声をかける。出てきたじいさんにプレハブのことを言うと、

「ブルーシートは面倒なのでプレハブにしたのじゃ。プレハブなら鍵も掛けられるし管理しやすいからのう」

 とのことだった。


 管理とは? まさか将来、地下ダンジョンへの入場料でも取ろうとしてないか? まさかな。まあ、確かに洞窟の奥には親分スライムがいるし危険といえば危険か。そう考えると管理も必要かもしれない。


 そんな会話をしていると、制服の二宮さんが帰ってきた。学校が終わっての帰宅にしては帰りが少し遅いと思ったら、どうも友だちの誘いを断るのが大変だったらしい。


「もう、なかなか帰してくれなくて。明日は必ず付き合うからって言って、許してもらったんだ」

「なんでそんなに誘われてるの?」

不思議に思って俺が尋ねる。


「四人が集まらないと遊べないから……まあ、それはいいじゃない。遅くなっちゃって、ごめんね。すぐにダンジョンに行こうよ」


「おう、そうだな」


「それじゃあ、私、着替えてくるから」

 そう言って家に入る。


 四人で集まってするゲーム? どんなゲームがあるのか、ピンとこない。

 四人のメンバーを想像するに、きっとあのいつもつるんでいる銀縁メガネの子も一緒なんだろう。


 二宮さんがジャージに着替えるの待っている間に、じいさんから鍵をもらう。


 ジャージ姿で戻ってきた二宮さんとプレハブを開け、俺は短刀を取り出して、二人で洞窟に入る。


 俺の頭の中にマップが広がって青い点が表示された。


 あれ? 


 昨日とマップが違う!


 日によって迷路が変わるのか。


 二宮さんにそれを言うと、

「でも、マップが頭の中にあるから大丈夫よね?」

 と言われた。


 その通りです……俺たちにはモーマンタイです……


 二宮さんに【猫の手】で親分スライムを片付けてもらい、白メダルを拾う。

 もちろん、拾うのは俺の役目だ。今日は四体いたので四枚ゲットだぜ。


 それから、二人で転移陣に向かう。


 転移陣の手前で、俺はおもむろに昨日の一枚と今日ゲットした四枚、合計五枚を岩の上に置く。


「今日はまず実験です。そこの岩の上に白メダル五枚を置きました。今、メダルは持っていません。これで転移できると思いますか?」

 俺の突然の出題に、二宮さんは面食らっている。


「なに? まさか転移するのにメダルが必要なの? そういうメダル?」


「それを確認するんだよ、さあ、転移陣に入ってみよう」

 そう言って二人で円陣の中に入ってみる。


 転移陣は、うんともすんとも言わない。


「あれ? 転移しないね。壊れちゃったかな?」


「やっぱり転移するには白メダルが必要なんだ」

 俺はそう言って、昨日気がついたことを二宮さんに説明した。


「よく気がついたね。だとすると白メダル一枚だけ持って転移しちゃうと、迎えにきてもらうまで帰れないんだ。気をつけないと」


 そうだね……それが一番大事なことかもしれない……俺はそこまで考えなかったよ……

 よく気がついたのは、二宮さん、あなたのほうです……









お読みいただき、ありがとうございます


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