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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第三章 ダンジョンに着いた
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 授業中は酷く眠かった。


 昨日はあのあと、チーズケーキを食べながら、じいさんとばあさんに地下のダンジョンについて報告した。二宮さんと連絡先の交換も無事果たした。


 夜寝る前にお試しメールを互いに送って、おやすみの挨拶をしたら、昼間のことを思い出して、眠れなくなってしまったのだ。


 昼休み、前の席の間宮と食堂に行く。

 食堂の手前が八組、七組はその隣だ。廊下を歩きながら、会うかもしれないと思っていたら、会ってしまった。ちょうど、教室から出てくるところだった。


 二宮さんの隣にはいつもの女子がいる。ツインテールに銀縁メガネをかけ、口元に日黒のある女子。二宮さんとよくつるんでいる人だ。俺が軽く会釈すると二宮さんも慌てて頷くが、頬が少し赤い。銀縁メガネが俺の顔をチラッと見た。


 すれ違ったあと、「あれ、おまえ、いつから二宮さんと知り合いになったんだ?」

 隣を歩いている間宮が俺に聞く。


「同じ保健委員だから委員会とかで顔を合わせるんだよ。そういう顔見知り」

「でも、二宮さん、顔、赤くしてたような気がするぞ。おまえに気があるのかな、って、そんなわけあるかー。自惚れんなよ。きっと俺のこと見てたんだー」

「おまえ、自信家だなー。さすが次期社長! 間宮産業も安泰だ」


 俺は間宮の軽口を軽く流しながら、探索の疲れから風邪でも引いたのかもしれないと心配になった。昨日は大変だったもんな。


 その日は天気予報通り、午後からは本降りの雨だった。


 昨日じいさんと別れ際に、明日は雨じゃろうから、洞窟はやめとくといい。晴れた日に行きなされ。そう忠告されていたので、雨だったら、探索は中止しようと二宮さんとは決めていたのだ。


 帰宅後、念の為に二宮さんに『探索中止だよ』と送ったら、『そうだよね。昨日そう約束したもんね。今友達の家にいるんだ』という返信が返ってきた。


 昨日の疲れから、まっすぐ帰って休むかと思っていたのに。毎回友人宅でなにをしているのやら。


 俺は汚れたジャージの洗濯をすることにした。

 雨だけどジャージだし、乾くだろう。


 洗濯前にポケットから白メダルを出しておこうと思ったら、ポケットには一つしか入ってない。


 三つあったはずだけど。


 たった一枚残った白メダルを見る。


 昨日は気がつかなかったが、メダルに描かれている模様って、あの円陣のペイズリー模様に似ていないか?


 往復で二回転移して、二枚ない。


 もしかしたら転移するのに、このメダルが必要なのかもしれない。








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