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マップに示された入り口近くの分岐点まで来た道を戻る。
「脇道に入るよ」
後ろの二宮さんが、うん、とうなずく声が聞こえる。
道はクランク状になっているが、まっすぐな道に出るとスライムが待っていた。
さっきと同じ水色の親分スライムだ。やはり寝ているようで動かない。
そして、マップ上の青い点の位置にいる。
青い点はスライムの位置だったのか。あらかじめ位置がわかるなんて便利だな。
「さっきと同じスライムがいる。【猫の手】いける?」
俺がそう言うと、やってみる、と言って、さっきと同じように俺の後ろから半身を出して右手を伸ばした。
俺を盾にしているのが、とても気になるが、それは言わずにおこう。スライム退治をお願いしておいて言える立場ではなさそうだ。
えいと声をかけると爪が伸び、巧みに核を掻き出す。ひょいと前に出て足で潰した。プチッと音がして核が潰れてスライムがダイアモンドダストのように消えた。
跡を見るとやはり白い500円が落ちている。
「あっ、白いメダル発見!」
二宮さんが気がついて拾い上げる。
「最初のスライムのときもあったよ、そのメダル。俺は珍しい石かと思ったけど」
俺はそう言ってポケットから取り出して見せる。
「お金みたいだから、きっとメダルよ。なにか買えるかな」
「お店があれば、買えるかもしれないね、でも当分なさそうだけど」
二宮さんは、預かっていて、そう言って俺にメダルを差し出す。
「お店があったら豪遊しよう」
俺はそう言って、ポケットにメダルをしまった。
マップを確認すると、先は行き止まりのようで、見た感じなにもなさそうだ。
時計を見るともうお昼になろうとしている。
「いったん戻って、お昼にしよう」
「おじいちゃん、お昼はお寿司にするって言ってた!」
緊張が解けたのか、二宮さんは明るい声を出す。
楽しみだな、そう俺は答えると来た道をゆっくり戻った。
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