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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第二章 洞窟に入ってみる
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 二宮さんはさっと俺の前に出て、掻き出したものを踏みつける。


 スライムは光る粉のようになって消えてしまった。


「……すごいね、なに、今の」


「【猫の手】っていう技。夢の中でミケに教わった」

 そう言って爪を見ている。


 俺も二宮さんの爪を見る。


 マニキュアは塗っていないが、手入れをされたきれいなピンク色の爪だ。


「……その爪、伸びたよね?」


「うん、伸びた。教わったとおりにやったら、本当にできた。驚いた……スライムは核が弱点なの」


「……よく核の位置がわかったね」


「なんとなく、わかるのよ、ミケが教えてくれるのかも」


「……俺を引っ掻かないでね……」



 短刀をしまいながら、そうは言ったが、俺の頭は混乱していた。目の前の状況は見ているのでわかるが、頭の中の理解が追いつかない。……爪が伸びたよ……


 【猫の手】って名前だったら、猫パンチを想像していたんだけど……


 考えずに感じなきゃいけないんですか?


「注意する」


 そう言った二宮さんも、放心状態だ。



 親分スライムがいた場所には500円硬貨が落ちていた。と思ったら、紋様のある白い石だった。


 お金だったらよかったのに。珍しい石なのでとりあえず拾ってポケットの中に入れておく。


 突き当たりまで行くと小さな金属製の箱が落ちていた。


「箱が落ちてるけど、開けてみる?」

 そう尋ねると、開けよう、開けようと急に元気な声が聞こえた。


 化け物が出てくることあるまい。

 拾って缶の上をよく見ると、やはりクッキー缶のようだ。


 開けてみる。


 中身は紙の山だ。上の紙に文字が見える。二宮さんがそれを取り上げて読み上げる。


「太平小学校 第四十三期 卒業生 6年1組はどんな二十歳になっていますか。大人になったみなさんへのメッセージです。ってこれ、タイムカプセル?」


 最後はガッカリした声だ。


「そうみたいだね。フタを閉めて元の場所に置いておこうか」


 この洞窟の奥にわざわざ置いたのか? すごい小6だな。どうやってここに入った?












第十二話をお読みいただき、ありがとうございます


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