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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第二章 洞窟に入ってみる
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「それじゃあ、洞窟の中に入ろうか」

 二宮さんにそう声をかけると、二宮さんは小さく頷いた。


 じいさんが短刀を持っていけというからには、なにかが出るのだろう。

 俺はじいさんのアドバイスに従って神棚のクッキー缶から短刀を取り、先頭に立つ。


 素振りはしていない。剣道もしたことがないが、大丈夫だろうか。


 一年生の今の実技は柔道。一年後の二年生だったら剣道を学んでいたのに、そう思うと一年早かったのか。


 南側の下り坂を歩いて昨日倒した石の扉を過ぎる。後ろから二宮さんがついてくる。


「まっすぐ、マップ上は突き当たりの手前に青い点があるけど、そこまで行ってみよう」

 後ろを見ずに俺がそう言うと、うん、と言う声が聞こえる。


 暗いはずの洞窟だが視界はそれほど悪くない。満月の夜のようだ。これもミケのチカラか?


 何もいなかったはずだが、前方でなにかが急に現れた。湧いて出たといったほうがいいかもしれない。マップ上では青い点の位置だ。


「なにか、いる……」

 そう言って、立ち止まる。

 二宮さんからの返事はない。


 よく見ると、透明できれいな水色のスライムだ。なぜスライムがいる? そもそもスライムって、いていいもの? 


 きれいなので、許されるのか?


 だれかがスライムに転生したのか?


 クエスト系の人気ゲームにスライムはいたが。


 うーむ、わからない。


 スライムは小型犬ほどもあるから、スライムの親分か。相手も動かずにじっとしている。まさか、寝ているのか?


 眠れる洞窟のスライム?


 ゆっくりとスライムに近づき、警戒して鞘から短刀を抜いて構える。


「なぜかわからないが、スライムがいる」


「えーっ、なんか夢の中と同じかも……」


「…………モンスターと戦う夢でも見たの?」

 

「あたり。試しに夢と同じか、確かめてみようかな」


 どうすればそんな夢が見られるのですか?


 二宮さんはそう言うと、俺の後ろから半身を出して、俺の背中を押しながら右手を伸ばしていく。


 背中に二宮さんの掌の温かさが伝わってくる……まさかこれも夢?……のわけないか……



 そんなことを思っていると、二宮さん手が、もうすぐスライムに届く……


 そのとき、思わず俺は身体を左に傾けた。


 二宮さんの伸ばした右手から突然爪が伸び、スライムに手というか、爪というか、を突っ込んでなにかを掻き出したのだ。








第十一話をお読みいただき、ありがとうございます


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