表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/49

26話 イセ村の悲劇(中編)

「では、参る!」「抜刀!燕一文字(つばめいちもんじ)!」


 サキは、愛刀を振りかざし、鋭い刃先が空気を裂く音を奏でながら走り出した。村の道は、荒れ果てた面が多く、まともに走れない箇所もあったが、サキはその障害を素早くかわしながら、お構い無しで疾走している。


(速い!Nキャラのシノブも速かったが、更に速い。やはり、NとRでは次元が違うようだ。)


 盗賊との距離は、300メートル以上離れていたのに、あっという間に到着してしまった。盗賊達もサキの接近に気づいて、武器を構える。


「盗賊には、お情け無用にござるな。お覚悟!やぁー!」


Zaku!


「うぎゃー!!手がやられた!痛てぇ!痛てぇよ。」


 サキは、目にも留まらぬ速さで相手の間合いに入り、一瞬の斬撃。武器を持つ利き腕の手首あたりを狙っていたようである。武器ごと手がポトリと落下する。盗賊は、吹き出す血と、激痛に顔面蒼白。戦意を喪失した。


「遅い!」


Zaku!Zaku!Zaku!


 風が流れるように柔らかくしなやかな動きで、盗賊の間を縫うように進みながら、同時に斬撃を加えている。


 また、ポトリと3人の手が切断されて落下した。


「ぎゃー!」「痛てぇ!」「うわぁー!」


「テメエら何してる?一人相手じゃねぇか。囲め!」


 盗賊達は、サキの凄まじい攻撃に全員が怯んだが、数を活かした攻撃に切り替えるらしくて、再び盗賊の士気が上がった様だ。


 サキの周りには、約10名もの盗賊が取り囲む。しかし、当のサキは、涼しい表情である。


「こうなりゃ、手も足も出ないだろう。」「いい女だ。後でたっぷり可愛がってやろう。」「オレもだ。」「俺も!」「よし。痛めつけろ!ヤレ!」「うぉー!」


 盗賊達は、一斉に攻撃を仕掛け始める。


「分身斬り!」


 サキは、スキルを発動する。サキが複数人現われた様に見える。複数人になったサキは、襲いかかる盗賊全てを容易く斬り伏せた。


Zaku!


 ほんの一瞬の出来事である。取り囲んだ全ての盗賊の手が同時に斬り落とされた。全員が出血と痛みに悶絶し、うずくまっている。


 盗賊は、他にも潜んでいる様だ。警戒して建物や、茂みにでも身を潜めているのだろう。


 俺は、探索アプリを使用し、全ての盗賊の位置と、生存者の位置を把握する。情報共有により、サキも同様の情報を把握済みだ。


(おっ、生存者が一人きりになっている。奴らは、サキとの戦闘で動揺していて、生存者の存在を忘れているかも知れない。これなら、混乱に乗じて生存者を救出できるかも…。)


(団長!まさか、一人で助けに行くつもり?)


(見つかると危険だけど、探索アプリの情報を利用すれば、敵との遭遇を避けながら接近できそうだからね。)


(そんなの無茶だよ。見つかったら殺されちゃうよ。)


(何となくだけど、今俺が動く必要がある気がしてね。)


(なら、せめて隠密アプリ入れて行きなよ。こないだのレベルアップでスマホフィルターからアプリが解放されたから。)


(隠密か…それはいいな。)


「北条 響が発動する!スキル"隠密"!」


 スマホに隠密アプリがインストールされて、起動する。隠密の能力の取り扱いがスっと頭に入っていった様である…。


「よし、これなら行けそうだ。」


 俺も生存者救出の為に行動を開始した。ヒタヒタする足跡が無くなり、存在感が希薄になった感覚がある。以前シノブがやっていた隠密行動を参考にして生存者に向かって移動している。


 一方のサキは、盗賊の位置を情報共有したことで、容易に居場所を察知していた。直ちに瞬足で移動し、次々と敵を無力化していく。バタバタと盗賊もその数を減らして行った。


「ファイヤーアロー!」


Boa!


 盗賊を殲滅した所で、サキ目掛けて魔法の火の矢が放たれた。サキは、反射的に察知して、バックステップで回避する。魔法の速度や、威力もかなりありそうだ。話題に上がったバルザで間違いなさそうだ。


 俺は、間も無く生存者の元に到着するが、先にバルザの情報をチェックする。俺とバルザは、約10メートルの距離である。声を出さないでアプリを起動させる。


(北条 響が発動する!スキル"鑑定"!)


 アプリが起動する。俺は、こちらが見つからない場所に移動し、奴を画面に表示させた。


名前 バルザ

年齢 39歳

性別 男性

種族 人間族

ジョブ 魔法使い (SR)

レベル 57

HP 240

MP 252

AT 186

MAT 305

DEF 205

MDEF 255

DEX 192

INT 268

AGI 152

スキル 連続詠唱✕3

説明 聖王国の元宮廷魔術師。王家の宝物庫に侵入したのが見つかり、追放される。その後、盗賊団を率いるようになった。盗賊団の名前は、ベンジャル。

 

 噂通り、バルザはかなり強い。魔法による攻撃だけで言えば、20レベルだった頃の剣聖アマーシャよりも強いだろう。しかし、相手は戦姫のレアキャラ、サキだ。問題は、無いと確信している。

 

 俺は、生存者の元に急ぐ。アプリによると、村長の家の中に居るようだ。俺は、そっと中に侵入した。


(うわぁ。人が死んでる…。)


 思わず悲鳴を上げそうになるのを堪える。ご遺体は、村長夫妻であろう。喉から胸に掛けて切りつけられての失血死のようだ。


(なんと惨いことを…。)


 俺は、更に先に進む。見つけた…。手足を縛り付けられ、床に横たわる女性の姿が見えた。


(あれ?この女性は?)


 再び鑑定アプリでチェックする。

 

名前 ジュリア

年齢 30歳

性別 女性

種族 エルフ族

ジョブ 不明

レベル 3

HP 32

MP 53

AT 20

MAT 35

DEF 18

MDEF 28

DEX 20

INT 33

AGI 19

スキル 不明


(エルフだって!?)


―――― to be continued ――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ