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Sky Way!  作者: 碗古田わん
異端児《ドゥーエ》編

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27/53

エピローグ 彼女の思案

 いよいよ伊豆を離れる日が来た。

 美香子やお世話になった旅館の従業員に見送られ、エキシージと458は旅立った。

「眠そうだな」

 伊豆スカイウェイをスローペースで走るエキシージのドライバーズシートで天道は、サイドシートに座る澄生に言った。さっきから欠伸ばかりしているからだ。

「あぁ、夕べは一睡もしてないからな」

「徹夜したのか?」

 澄生の言葉に天道は驚いた。

「寝たら、いつ襲われるかわからないから、ズッと起きてた」

 澄生はサラッと言ったが、天道は哀れんだ顔をした。

「無茶しやがって」

 そして、夕べ思った事を口にする。

「そっちこそ、上手くいったのかよ?」

「……!」

 澄生の問いに天道は答えに詰まった。

「そうか、上手くいったか」

 その反応(リアクション)を見て、澄生はニンマリと笑みを浮かべた。

「俺はなにも言ってないぞ?」

「そうかそうか、それなら身を挺した甲斐はあったってことだな」

 天道は抗議したが、澄生は聞き入れなかった。

「それを聞いて安心した」

 澄生は()()にホッとしたような顔をした。

「じゃあ、俺は寝るから。着いたら起こしてくれ」

 そして、バケットシートに身を委ね、目を閉じた。


「でっ? 蓮實とは上手くいったの?」

 458のサイドシートで由布子は興味津々で聞いた。

「う……ん」

 それに対して霞は照れながら頷く。

「そっかぁ。そいつはめでたい」

 そう言う由布子はまるで自分の事のように喜んだ。

「ユッコちゃん……は?」

「こっちは駄目駄目」

 霞の問いに由布子は投げやり気味に答えた。

「銀矢の奴、寝ないんだもん」

 そして、肩をすくめる。

「寝たら、速攻で襲ってやろうと思ったのに」

「あははは……は」

 由布子の過激発言に霞は空笑いするしか無かった。

「まぁ、でも収穫はあったし、今回はこれでいいや」

 両手を挙げてグッと伸びをした由布子の表情は晴れ晴れしかった。


 同日の夜、司馬家の屋敷では、司馬(しば)麗華(れいか)が、ソファーに座ってタブレット(i pad)に書かれた報告書に目を通していた。

「今回も道路の封鎖、ご苦労様」

 一通り読み終わってから、麗華は目の前に直立不動で立つ御盾(みたて)(あきら)に労いの言葉をかける。

「ありがとうございます」

 それに対して晶は、恭しく頭を下げた。

「でも、あの霞が彼氏のためにそこまでしたんだ」

 麗華は感心したように言った。内気で自己主張が苦手な霞の性格を知っている者としては、驚きに値する。

「霞が変わったのは、彼氏ができたから? それとも最速屋(ケレリタス)になったから?」

「その両方だと思います」

 ほとんど独り言に近かったその問いに、晶は律儀に返事をした。

「車を飛ばすのって、そんなに楽しいのかしら?」

 麗華は思案した。それから晶に向かって言った。

「私にも運転を教えてくれる?」

「はい。麗華お嬢様」

 主の依頼に、晶は謹んで頷いた。

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