いじめ対策(時事アイデア)
時事アイデアシリーズの1編です。
最初にアイデア(社会ルール)を出し、その理由と運用を語っています。
学校では人間ドライブレコーダーを持つようにする。
車に搭載しているドライブレコーダーのようなものを子供に持たせる。
基本的に常時学校のサーバーにデータを送り続け、本体には記録しない。サーバーは過去1か月程度のデータを保持し、そのデータは本人か本人の家族の許可が無いと見れないように暗号化して保存する。
問題が表面化した時に、学校でそのデータを精査し、何があったかを解明する。
そのような記録媒体があることで、見られたら困るような行為や言葉は抑制される。
弊害としては、トイレなど他人に見られたくない状況も記録されることであるが、データの閲覧に厳しい制限をかけ暗号化することでプライバシーが極力守られるように構築する。
アメリカの警官は常時録画する機器を装備品として持っていることもあるようですが、似たような話です。安全のためには複数の目があることが抑止力にもなるし、見たこと聞いたことを記録することで検証しやすくなります。この考え方は汎用性の高い考え方だと思います。
いじめ問題は大昔から続き、今も無くなることがありません。
教師は多忙であり、児童生徒の全てを見ることもできません。
家庭も共働きで子供と接する時間が減り、どうにも悪循環。
どうしてもある程度のいじめは発生し、ある程度の子供は行き場を失い、精神的身体的な外傷を負ってしまうことがあります。交通事故と同じで0は難しくても限りなく0にするための努力を怠ってはいけないと考えます。
いじめと言ってもタイプがいくつかあり、全てのタイプに対する特効薬は難しいと感じています。
この人間ドラレコがあれば、少なくとも脅迫するような声や、威圧するような態度などは記録されます。そういった装置があること自体がいじめを抑止すると考えます。
もちろん、予算は必要になります。
でも、子供の命を守れる道具と思えばイージス艦よりも安い買い物だと思います。
一方、ネットワークに入ると外から見えなくなるのが難しい。ドラレコであってもネット内部のやり取りを撮影できるかどうかは微妙ですし、いじめられる側も隠そうとする可能性が高い。
最終的には親や教師が気づかなければならない問題です。
どれだけ記録されていても、それを見るためにはいじめの存在に気づかなければなりません。
でも、すべての行動や会話を大人が聞くことは不可能です。
何を見ればいじめの存在に気づけるのか。
人間ドラレコが記録したデータに悲鳴を感知したり、身体が倒れるなどのGセンサーも付ければ、もしかしたらAIが異常を検知して知らせてくれるかもしれません。
人間ドラレコは抑止力になり、検証に効果はあると思いますが、発見には弱い。
発見に直結するアイデアが欲しいとも考える。
いじめの現場にいる子供たちが発信してくれるような意識改革教育が先なのかもしれません。
このドラレコの発想は、活用範囲がとても広いと思います。
例えば国境で何が起こったのか、たいていの紛争は「相手が先に手を出した」と言うのですが
こういった第三者の目があれば、どちらが嘘を言っているのか明白。
中国船が尖閣諸島で暴れた時、日本の映像記録が事実を世界に示すのに役立ちました。
多くの情報を記録し、その記録を別の場所に保管することは、悪いことを考える人に対する抑止力になるし、善意を守るのに役立ちます。
ただ、例えば国境警備の状況が一般に流れると警備上の問題があるなど、抵抗が生まれるのも必然。人間ドラレコでもプライバシーをどこまで守れるか、映像を保存しながら漏洩がなく、有効活用できるシステム、これがこのアイデアの肝となると思います。