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実はスライムって‥‥


「さて…そろそろ帰ろう。これだけの薬草を取ればお金にもなるだろう。もう昼前にもなるし私もお腹が減って来た」


私は一度スライムの観察を止めて薬草を採取していた。

勿論お金の事も考えていたがニアが好きなあのドクダミに似ている植物の根っこを採取するためでもあった。

何処かのスライムさんが私の弁当を食べなければ帰らなくても良かったんだがね?

その犯人は私の肩にかかった鞄の中にいる。


「えっと【サーチ】街」


このスキルはとても便利だ。

【魔典】の中に入っている能力の一つだったのだが使い方を変えれば物を探す以外にも使える。

例えば先ほど私が薬草を採取していた時にもやっていたことだがサーチの対象を薬草から魔物に変えると接敵しないで済むのだ。便利なスキルであるのは間違いないので重宝している。



【魔典】の中にはまだ複数のスキルがあるが‥‥あまり使う気にはなれない。それは自分の目で力で観察をしたいと言う私の我儘でもあった。


街に着き、冒険者ギルドによると中の様子が少し騒がしい。

昨日よりも大勢の冒険者が集まっているように見えるのだが…一体何があったのだろうか?

私は昨日からお世話になっている受付の人のところまで行って話を聞くことにした。

え、どうして冒険者に話を聞かないのかって?

怖いからですよ!皆さん武装してますし、腰にはご立派な剣とかを付けているので話しかけたくないんです。それに揉め事なんて起こしたら真っ先に殺されますし。


「あの~皆さんどうしたんですか?」

「あ、先日の変な人」

「私はシズクです。決して変な人ではありませんよ」

「それは失礼しました。ですがクラスに観察者と書く人にはお似合いかと。それと自己紹介がまだでしたね?私はケリーです」

「分かりましたケリーさん。所であそこに集まっている冒険者達は何でしょう?」

「あ~…あれですね。近くの村で山賊が出たのだけどその村の人の幾人かが連れ去られたのですよ。それでその方たちを助けてくれってその村の人が依頼を出したのです。…ですが」


山賊…そう言えばだが街に入るときにそんな話を聞いたような。

その被害者が助けを求めてきたという事ですか。

至極普通の依頼のように思えますが…その言い方だと何か問題があるのでしょうか?


「どうされたんですか?」

「その依頼の報酬があまりにも少ないのよ。それにその山賊の情報が全く入ってこないのです。だから少し皆様は依頼を受けるかどうかを考えているのですよ」

「なるほど…報酬は如何ほどなんですか?」

「まさかですけど受ける気ではないですよね?」


正気ではないと言いたげな目が私を突きさすが勿論そんな事を考えているわけではない。

確かマニュアルにも書いてあったが賊を捕らえた場合は別で報酬が出ると。その報酬次第では受ける者がいても可笑しくは無いと考えたのですが問題はそこじゃないみたいですね。


「違いますよ。ただ興味があって聞いてみただけです。だいたい私にまともな戦闘が可能だと思いますか?」

「それは…失礼ながら無理ですね。その細い腕では剣もまともに握れそうにないと思います。貴方がもし受けるなんて言いましたらギルドの受付の責任として止めましたけどその気が無いようでしたら良かったです。それで報酬の話でしたね…確か最低銀貨5枚だったはずです」

「銀貨5枚ですか…確かに薬草の群生している場所と同じでは皆さんもやる気にはなりませんよね」


命を落とすかもしれない依頼で銀貨5枚は安すぎる。

それに山賊の人数もわからないのではその報酬金額では話にならない。

元地球人の私が安いと考えるのだからあそこに集まっている冒険者達は尚更そう考えているのでしょう。


「そう言えば薬草の件ですね。一度ギルド長が直接話をしたいと言っていました。今は時間がありますか?」

「今はお腹が空いているのですが大丈夫ですよ。あ、それとこれは朝方取って来た薬草になります」

「分かりました。…それとシズクさんは以前に薬師をされていたのですか?」

「ん?どうしてですか?」

「昨日も思ったことなのですが…薬草って同じような形の葉っぱが多いのですよ。私はギルドの受付をしているので薬草の知識を習得しているのですのでわかりますが素人には見分けがつかない物もあります。中には薬草と毒草を間違えて持ってくる冒険者様も多いんですよ?ですのにシズクさんはどれも間違えずに薬草のみを採取してくるので気になっただけです」

「それは…私のスキルのおかげですね。少し人とは違ったスキルを持っていますのでそのおかげかと思います」

「なるほど…スキルですか。すみません詮索をしすぎましたね。…ではギルド長の部屋まで案内いたします」


過度な詮索は冒険者の中ではNGとなっている。それは冒険者の層が問題なのだろう。

人には言えない事情があったり、生まれがよくなかったり、その力が危険だったりする。

だから互いに興味はあれど過度な詮索はしない。それがルールと言うよりも冒険者達の唯一と言える皆が守るマナーになったのだと思う。


二階に上がるときに何人かの冒険者が俺を見ていたがどうも面白そうではなさそうな顔をしていた。

苦虫を嚙み潰したような顔と言えばわかるだろうか?当たり前だがこの街に来て知り合いが出来たりはしていないので私怨とかではないはず…取り敢えず気を付けよう。


「ギルド長…失礼します」


二階に上がり、ある部屋の中に入る。そこにいたのは山賊の親玉と言われても直ぐに信じてしまう程の強面な男性がいた。


「おう…お前がケリーの言っていた変なルーキーか」

「えっと…シズクと申します」

「シズク…そうか。じゃあシズク…そこに座ってくれ」

「はい」


ソファーに腰をおろし、ギルド長は書類を見ながらも俺を警戒するように見てくる。

やがて口を開き、低い声で私を問いただすような口調で話し出す。


「お前…その鞄の中に何を入れている?」

「ッ!」


気づかれた?…鞄の鞄の外からでは絶対に分からないはずなのに。

だとしたら何故?

‥‥いや、そんな事を考えるのは後だ。今は素直にニアを出すか出さないか。冒険者とは魔物を狩る職業でもある。だからこの街の中でニアを外に出すのはダメだと思った。それにここは冒険者ギルドだ。余計にダメだろう。


「おい?だんまりか?…まぁ良い。当ててやろうか?」

「‥‥」

「魔物だろ。てめぇ一体何を考えている?」


ドンッ


ビクッと体が跳ね上がる。

いきなり力強く目の前のテーブルを叩かれては驚くのも無理はないだろう。

そして目の前のギルド長から嫌な雰囲気を感じる。今から自分が殺されるのではないかと錯覚するほどの嫌な感じだ。冷汗が止まらない。


すると突然と鞄の中から触手が出てきたと思ったらギルド長の横っ腹を薙ぎ払うように叩いた。

それは一瞬の出来事だ。

ギルド長の体は鈍い音を出して壁に激突する。


「ギルド長!?」

「ちょっ!ニア?」


次の瞬間にはニアは鞄の中からテーブルの上に出てきて俺をまるで守るように佇んでいる。

何となくだが怒っている?そんな気がする。


ゆらゆらと複数の触手を体から出して鞭のように唸らす。


「ったく…一体どうなってやがる。今のがスライムの一撃かよ」

「大丈夫ですか?」

「大したダメージはねぇ。だが…どういう事だ?魔物がそれもスライムがお前さんを守るなんて」


腰をさすりながらもテーブルの上にいるスライムを見ながら驚いた表情をしている。

どうして半笑いなのかは分からないが自分を攻撃したのがスライムと言う事実に驚いているようだった。私はもう隠すことが出来なくなったのでここにスライムがいる理由を話すことにした。


「…このスライムはテイム?したんですよ。偶然ですがね…ニア?もう大丈夫だからこっちに来なさい。全くさっき言ったことを忘れたのかい?」

「スライムをテイムだと!?お前…自分が何したのかわかっていんのか?」

「え?スライムをテイムしただけですが…」


何を驚いているのだろう。確かにスライムをテイムするのはあまり良くないのだろう。戦力として見ることが出来ない…まぁ私はそんな事はどうだっていいので関係ないのですがね。スライムを観察さえ出来れば問題なんてないんですよ。


「かぁ~…こりゃあ重症だな。ケリー…聞くが王都にいるテイマー達にスライムをテイムしてくれなんて言ったらどうなる?」

「そうですね…一言目には言い訳が出て二言目には無理か不可能の言葉が出来ますかね?」

「ど、どうしてですか?スライムなんて言ってしまえば初心者でも倒せるモンスターなのでしょう?」


腕に抱いているスライムがショックを受けたようにしぼむがしょうがないだろう。

それが私の中での常識なのだから。


「まずその間違った常識から直すか。いいか?スライムってのはその進化によって倒し方が変わる。例えば魔法を使うスライムには打撃系の武器を使わなければ倒せない。だがお前のそのスライムの様な無属性のスライムには打撃系の武器は通用しねぇ。これがどれだけ面倒なのかわかるか?」

「出会うスライムによって武器を変える必要がある点ですね」

「そうだ。普通は武器を二種類も常に常備している冒険者なんていない。それにスライムの中には状態異常を使うスライムもいれば武具を狙って溶かすスライムもいる。お前…スライムの森に入ったのか?」

「そうですが…ダメでした?」

「あそこは中級者向けの場所なんだが…生きているってことは運は良いみてぇだな」

「あはは…そうですね」


同じことをそこにいるケリーさんに言われましたよ。

なるほどギルド長の話によるとスライムは決して初心者が戦っていい相手ではないのは理解できた。

だがそれはスライムの性質だ。スライムがテイム出来ない理由には繋がらない。

私の中では簡単に仲間になるような存在だと思っていたのだが…違うのだろうか?


読んでくださりありがとうございます。雑な考察を楽しんで頂けると幸いです。

少しでもいいなと思っていただけたらブクマ、評価をしてくださると嬉しい限りです。

夏休暇を頂いている間は一日に二回ほど投稿いたしますのでよろしくお願いいたします。


自分の事ですがワクチンを打ったのですが…凄く腕が痛くなるんですね?あれ…。

二回目でしたが熱も出てしまったので驚きました。あまり病気になったことが無い人ですので何だか新鮮な気持ちでした。


ではまた会いましょう(@^^)/

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