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仲間がいると


新たに一名?の同行者を加えた私たちはポーレリアと言う港町に到着した。

大きな客船が沢山あり、どの船に乗るのかと思えば私たちが案内された船はとても小さなクルーズ船だった。至る所に汚れがあり、他の船とは少し見劣りする。


この船に案内したのはケリーだった。

私たちが乗る予定の船を見に行きましょうと言い、私達は宿の部屋を借りた後にここまでやって来たのだ。ニアは出店で焼いてある食べ物に夢中になり船の事など気にしていない。

ユリスは外の景色に感動しており私に色々と聞いてくる。エルゼに関しては鞄の中で眠っている。どうも船に一抹の不安を抱えているのは私だけのようだった。


船は港に止まっており、船の持ち主らしき人が何かの作業をしている。


「ノーズさん!お久しぶりです」


手を振りながらケリーがその持ち主に挨拶するとノーズと呼ばれた人は手を振り返した。


「おぉお!ケリーじゃねぇか!久しぶりだな」

「はい!お久しぶりです。数年ぶりですね」

「そうだな…おめぇは元気そうだな。…ん?そっちの男は恋人か?」


パイプ煙草を吸いながら私のことをチラッと見る。

深く帽子を被っているせいであまり男の顔が見えないが声の感じからして私よりも年上の感じがしますね。まぁ私が40代の時も声が高いと言われていたので分かりませんが。


「ち、違います!一緒に旅をしている仲間ですよ」

「ガハハハッ!そうか、今はそう言うことにしてやるよ。で?俺の船に何の用だ?挨拶だけってわけじゃねぇんだろ?」

「実は‥‥」


ケリーは南の大陸であるスーレ大陸まで船で送って欲しいと言う旨のお願いをその男にする。

その男の顔は段々と険しくなっていき、ケリーの話が終わるころには「う~ん」と唸り声をあげていた。


「ダメですか?」

「いや…ダメではない。俺の自慢の船は例え世界の果てでも航海できる。だが…今妙な連中が俺ら船乗りの間で騒がれているんだ」

「妙な連中ですか?」

「あぁ…海賊の真似事をしてる連中なんだが襲うだけ襲って金目の物は一切奪わないおかしな連中だ。船は壊されるし、魚を取るための網は壊されるしで散々な目にあっている」


少しイラついたような口調でその連中の事を語るノーズ。どうやら彼もまたその妙な連中によって被害を受けた事があるらしい。


「そいつらを何とかしないと不味いかもしれん」

「そうですか…」

「だが!俺の船に不可能はねぇ。それに昔の戦友が男連れてせっかく俺のところに来たんだ。乗ってきな!因みに出航は何時の予定だ?」

「えっと…明後日の午後です」

「あい分かった!任せな。このノーズがお前たちをスーレ大陸まで五体満足で送ってやるよ」

「本当ですか!?」

「あぁ!任せな兄ちゃん。だがもしもの事が起きたらそん時は頼む。俺様も少しは戦えるが…もうこんな年だ。昔よりは腕がなまってやがる」


腕を軽く叩きながらそう言うがその腕は年寄りの腕には見えない。

腕力だけなら私よりもあることが予想できる。

チラッとニアの方を見ると海の中を覗き込んでいる。ケリーがそのことに気づいたのか海の中に入ろうとしているニアを止めるために行ってしまった。


「分かりました。戦闘は彼女たちに任せましょう。私はこの中で非戦闘員ですので」

「そうなんか?確かにひょろいが…」

「そうですよ。私よりもあっちにいる人の方が強いです」


船をじっくりと見ながらはしゃいでいるユリスを指さす。

ノーズはどうやらジョークと受け取ったのか笑いだし私の背中を叩く。


「ガハハハッ!そりゃあ!頼もしくていいな!お前もケリーと仲良くやれよ?あいつは怒ったらマジで怖えからな」

「身に染みてます」

「もう体験済みってわけか!ハッハッハ!」


背中を叩くのは痛いのでやめて欲しいですね。

と言うか背骨折れてませんよね?凄く痛いんですけど。これで本当に衰えているんでしょうか?


「シズクさん?何を話してるんですか?」

「ちょっとした世間話ですよ。そうですよね?」

「そうだぜ?こいつとはいい酒が飲めそうだ。…どうだ?今夜一杯でも?いい店を知ってるんだが‥‥そこの魚を使った料理はうめぇぞ?」

「ホント?」

「あぁ本当だぜ?」


ニアが料理の話に食いついた。

馬車の中でも魚の事を言っていたのでどうしても食べたいのでしょう。

私は少し笑いながらノーズの話に承諾する。


「ではその店で夕飯を食べましょうか。ニアもそれでいいですね?」

「ありがとう。ご主人様」

「嬢ちゃんは奴隷だったのか。‥‥いい主人に巡り合えて良かったな?」

「ご主人様は良い人?」

「そうだぜ?奴隷にまともな飯を与えるだけでもマシだが嬢ちゃんのように服や靴も用意されているのは稀なんだぜ。嬢ちゃんは兄ちゃんによほど大切にされてんだな」

「んっ!」


どうやらニアのご主人様呼びを勘違いされたらしい。

私は特にニアの私の呼び方に対して強制するのは良くないし、特に気にしないので好きにしていたのですが‥‥世間的に良くないのでしょうか?


「あの~」

「あ?どうしたんだ兄ちゃん?」

「この子の事は‥‥」

「べつにガキの奴隷を持ってるからと言って偏見なんか持たねぇよ。それに兄ちゃんは嬢ちゃんの事を幸せにしてやってるじゃねぇか。それだけ甲斐性があるってことだ。ケリーの事もさっさと貰ってくれれ」

「ノーズさん?」

「おっと何でもないぜ?とにかくエニアの雫って言う店に夜に来てくれ。大通りにある店だからわかるはずだ。俺は船のメンテナンスをしなきゃなんねぇから‥‥じゃあな!」


逃げ込むように船の中へと消えてしまった。

少しケリーに睨まれたがため息と共に「ギルドに行きましょう」と言われたので私はユリスを呼び、ギルドへと向かう。


「僕も冒険者になりたいんだけど‥‥どうかな?」

「大丈夫ですよ。ですが亜人族という事にしてください。魔物と言うと騒ぎが起きますので」

「分かったよ。詳しく聞かれたら魔族の一族って事にしようかな?」

「別に人間でもバレないと思うのですが‥‥」

「いえ、人間と亜人の魔力の流れは違いますので恐らく魔法などに長けている人には噓が見抜かれてしまうかもしれません。ですので亜人という事にしておけば恐らく納得がいくでしょう」

「そう言う事だよ。さらに僕の魔力の流れは魔族に近いからね。前までは完全に魔物だったんだけどな…進化の影響で変ったんだね」


どうやら体に流れる魔力で種族が分かってしまうらしい。

魔物、人間、亜人でそれぞれ魔力の流れが違っていると言うことが分かりましたね。大まかな種族を分けるときは便利そうですが…種族ごとでも違うのでしょうか?


「魔力の流れってどんなものなんですか?私には良く分からないんですよね」

「う~ん…体中を血液と一緒に巡っている感じなんだよね。でも血のようにずっと巡っているんじゃなくて一定の間隔を開けて流れているんだよ」

「私のようなハーフエルフやエルフ族はその感覚が短く、流れる魔力が濃いんですよ」

「僕もそうだね。でも魔物寄りだから間隔が少しエルフや魔族よりも狭いんだ」


なるほど…魔力の力に長けている種族は魔力の流れている間隔が狭く、一度に流れている魔力が濃いんですね。では魔力の力が弱い私のような人間の間隔は広く、魔力の濃さは薄いと言う事なんでしょうか?


ギルドへ向かう途中でそんな事を話しているとあっという間にギルドへと着いた。

港からギルドまではそこまでの距離は無かったようですね。


扉を開けて中に入ると建物の中の構造は似たようなものになっていた。

依頼が貼られている大きな掲示板があり、受付があり、二階へと続く階段が横についている。


「取り敢えず依頼をこなしてみましょう。簡単に出来そうな依頼を幾つか見つけてきますので休んでいてくださいね。此処にいてくださいよ?」

「お願いします」

「はい、任せてください」


休憩スペースのような場所に座ってケリーが依頼を持ってくるのを待つ。

ユリスは登録してくると言って一人で受付に行ってしまった。少し不安でしたが本人は大丈夫と言って一人で行ってしまった。

私はニアと一緒に大人しく待つことにしました。


「ご主人様」

「うん?どうした?」

「ニア、我儘?」

「別にそんな事無いけど‥‥いきなりどうしたんです?」

「だってさっき男の人間が言ってた」

「あぁ…あれは奴隷での話です。ニアは違いますよ。ニアが私をそう呼ぶので勘違いしたのでしょう。ニアはそのままで良いんですよ」


頭を軽く撫でてそう言う。

この子供のような感じもそうですがニアとエルゼって本当に性格が違いますよね。

エルゼの方が少ししっかりしてます。スライムとして生まれた年月が影響してるんでしょうか?

エルゼに話を聞きたいのですが…どうやら鞄の中で休んでいるようです。そろそろ血を吸わないといけないような気がしますが大丈夫でしょうかね?


「ご主人様は今のニアが良い?」

「そうですね。どんなニアでも大切な仲間ですが今のニアが一番良いですかね」

「んっ…分かった」


その後、ケリーが幾つかの依頼を選び掲示板から持ってきてくれました。

簡単にこなせる依頼があると良いんですけれど。


「まるで人間の子供ですね?」


ケリーにとっては何気ない一言だったのだと思いますがニアは子供だと馬鹿にされたと思ったらしい。


「…おばさんよりはマシ」

「誰がおばさんですかッ!?私はまだ若いです!」

言い合いが始まってしまった。ケリーもニアと随分と仲良くなったようで少し安心しました。


「ねぇねぇ!僕も冒険者登録終わったよ?シズクとおそろいだね!見て見て!」

ユリスは無事に冒険者として登録できた事が嬉しかったのかカードを持って私に見せてきた。


私の仲間は今日も賑やかですね。今日も楽しい一日になりそうです。

新しい魔物の発見があればいいのですが。

読んでくださりありがとうございます。少しでも面白いと思って下されば幸いです。

良ければブクマ、評価をお願いしてもよろしいでしょうか?

下にある星をポチポチと押してくだされば嬉しいです。



…新手の勧誘広告みたいな感じになりましたね。まぁ、気が向いたらしてくれると良いと思います。

明日も投稿するのでよろしくお願いしますね。

ではまた会いましょう(@^^)/

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