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4




???side






俺は目覚めた研究所からここまでの記憶を思い出していた。



「!!!」



俺は顔を上げた。

その時俺の見る景色は全て血の色に染まった。

そして、自分の声を聞いた。俺自身が喋ってるわけじゃねぇ…。

ただ、こう言っているという事だけが理解出来た。



《Obey me, or defy me》




《俺自身に従え、さもなくば抗え》




ってな。



その声を聞いて、今までの怪現象が嘘のように消えた。

だが、反動で息が荒くなった。

そんな俺を見かねたのか、


「だ、大丈夫かい?アンタ?」


声をかけてきたのはアイス売りの女だった。

俺のこの状態を見て、わざわざ話しかけてきやがったんだな。

そう言えば…アイツら(子供)は既にいねぇ…。

声をかけてきた女は酷く困惑してやがった。


「いや、問題ない…気にするな…」


その女に一言告げた俺は、深呼吸し

すぐ様、その場を離れようとした。


「少し待ってくれないだろうか?リベルトさん。いや…


魔将()()()()()とでも言いましょうか?」




俺に話かけてきた男。

とりあえず、息を整えながらその男を睨んだ。

俺に何の用だ。ケッ…!




「誰だテメェ?」


男は少し笑みを浮かべて話し出した。



「自己紹介遅れましたね。私はヒノクニ防衛省総司令兼、国防大臣のフナサカ コウヘイ と申します」




ソイツは深々とお辞儀をして挨拶をしてきやがった。



「へぇっ!?ほほほホンモノォッ!?」



俺の隣で、アイス売りの女は叫びやがった。

うっせぇ野郎だ!

それよりだ。



「ほう?そんな野郎お偉いさんがなぜ俺の元に?」




と言った時に気づいた。



「なぁ、アイス売りアンタさっきの言葉は前言撤回だ」



「へっ?なんで?」



「5人…いるからな」



アイツ(フナサカ)は少しだけ目を見開いていた。




「え?え?な、何が?」




「俺から見て10時の方向900m先の建造物に1人、6時の方向1200m建造物屋上に1人、8時の方向850m低めの場所から1人、後は…」


「すまなかった。正直君をなめていたよ…」


フナサカはそう言って腰元から無線を取り出す。

そして、俺はある事に気づいた。


「待て。気配が消えた…?」


狙う視線が一瞬でなくなったのだ。


「おい…!応答しろ…!」


無線に向かって叫ぶアイツフナサカは気にせず、

俺は最後の気配が途絶えた場所を見た。

そこには……赤い目の黒い髪の男がいた。

漆黒の服を身にまとった男。

あぁ…アイツが…僅か数秒の間に気絶させたのか。

気絶とは生ぬるい…!!!

いっそ殺しやがれッ…!

俺だったらあんな生ぬるいことはしねぇ…

喉元をお前が持ってるヤツで刺し殺す。ただ、急所は外してなァ!

刺すなら、左右鎖骨下動脈や大動脈に刺すな!!

肺に血が入って呼吸すら苦しくなる…。まさに…窒息死(生き地獄)だ!!

ははははっ!!!

ん?おい気配が消えた…。

フッ…俺から逃げれると思ってんのかよ?

フハハハッ…!!!

さァさァさァさァ!!!!今から地獄のパレード(鬼ごっこ)をしようじゃねぇかァ!!

強者と戦えるとは楽しみだァ…!!

待ってな。赤目の男ォオオオオ!!!!!

わざわざ恩を俺に売るとは馬鹿なやつだ…!!その恩は倍に返して残酷に綺麗に散らして(殺して)やるからよォ…!!





アレンside


「ふぅ…転移出来て良かった…」


『あの者…凄まじい殺気だったな。』


「うん…これは追いかけられそうだね。」


『まぁ…見つけれんだろう。』


「だといいけど…しつこそうだよ?」


『お前なら何とかできるだろう?』


「多分きっとね。」


そんな会話をしながら、街を歩いていると…。


物陰に隠れれる路地の所で少年が絡まれていた。


「おいおい、こんな大金どこで手に入れてんだ?あ?」


「や、やめてください!ボクのお金返して!」


「ガキがこんな大金扱っていいわけねぇだろ?なぁ?」


「そうだなぁ。それ相応に使えるのは俺達だぜ。」


あははは!と汚い笑い声をあげる声が聞こえた。


「日本と変わりないな…」


『ニホン…?』


俺は迷いなく近づいた。

そして、一変に片付ける。


「寄ってたかって醜いなほんと。」


「カハッ…!」


「グフッ…!!」


手刀で、気絶させる。


パシッ…


そして、封筒を取る。


「はいこれ。君の大事な物。」


少年に声をかけたけれど、少年は口をぽかんと開けたまま俺を凝視していた。


「えっと…君…大丈─────」


「すっごい!!かっこいい!!!」


「へ?」


「何があったのか見えなかった!!!僕とそんなに歳変わらなさそうなのに凄い…!!」


まぁたしかにそうだけど…一応…精神年齢は25歳だよ?


「はは…凄くはないけど…」


「それに、凄いかっこいい服着てるし!こんな服見たの初めて!!」


この子…人の話聞いてくれてる?


「それはありがとう。それじゃあ…俺はこれで」


俺はその場を立ち去ろうとした。

あんまり人と関わるのは良くない…本当は、

この街について聞きたいところだけど…言って悪いが

少し頼りない。


「ちょ!ちょっと待って!お礼させて!! 」


手を捕まれグイッ!と引っ張られた。


「わっ…!」


「案内するから…ね!!」


俺は少年の圧に負けた。


「分かった…。着いていくよ。」


どこに連れていかれるのか分からないけれど。

そして、歩きながら自己紹介が始まる。


「あ!ボクの名前はエジン・マイルダーです。」


「えっと、俺はアレン・スコッティだよ。」


「アレンさん!助けてくださってありがとうございました!」


「全然。ああいう輩は鬱陶しいからね。」


この時、どんな相手に手を出していたのか。

俺は知らなかった。


「ほんと、かっこよかったです!!リベルトDルシュターゼン並に!」


「へぇ…誰それ?」


「ぇぇえええええ?!知らないんですか?!」


「うん。」


「かつてのスマホタブフォンのアプリゲームでね!すっごい極悪人で有名なんだ!ストライク・キングダム、略してストキンって言うアプリゲームだよ!」


俺はそれ聞いて固まった。スマホだって?!

しかもゲーム!!!


「そのタブフォン見せてもらってもいい?」


「いいよ!これだよ。」


「それが?」


3センチ×3センチのサイズの正方形の精密機械だった。

うわぁ…スマホの代わりにもなるやつじゃない?

あんまし興味なかったし、持ったことは無かったけど。


「へぇ…それが。」


「こうやって、操作もできるんだよ。」


エジンがそれをタップすると…浮き出た。


「あ、ホログラム?」


「そうだよ!知ってるんだ!」



「まぁ…ちょっとだけ。とりあえず見せてくれて、ありがとう。」


なるほどな。ホログラムは俺の時代では出なかったけどすごい進歩だな。あ…ということはパソコンもあるかな…。

ってここはかつての日本…なのか?いろいろ進化してるし…。


そんな会話をしているうちに…わからないけれどある街中にあるゴミ捨て場近くの分かりにくい古いシェルターに俺は案内されていた。


プシュウと電動ドアーが開き、中へと案内される。


「ここが僕の家ウチ!ちょっと散らかってるけど…えーっと…我慢して!」


「我慢はいいんだけど…それより、なんでこんな地下室の下に住んでるの?まるで隠れ家みたいだけど。」


部屋の様子は薄暗くて、電球3つで灯りを作っている。その上、工具や金属、乱雑に散らかった使用済みの食器、片隅にはゴミ袋のような黒く大きな袋が置いてあった。

衛生的に良くないなこれ…。


「まぁ…そうだね。ボク達は隠れて暮らしてる。」


「なんで?」


「見つかるとボク達殺されるからね。」


「は?」


なんだそれ…。そんなの聞いたことない…。

日本…そこまで腐ってんの?


「だ、だからい、言わないで欲しいんだ…」


「それすごく重要な話でしょ…。はぁ…見ず知らずの人あげちゃダメじゃん。俺だから良かったものの…気をつけなよ。それと話す気はないから安心して。それより…改造していいかな。」


「ありがとう。へ?」


「こんなの衛生的に悪すぎる。隠れ家にするなら、もう見えないようにしてあげる。」


とりあえず、片付けからだな。

まぁ、普通に皿洗いしてもいいんだけど頑丈な汚れがありそうだから魔法で。


全て清潔(プルース)。定位置に戻れ。


清潔と唱えた時に、元の位置に戻るように唱えた。

一瞬で、ピカピカになり、初めて使う物に全てが早変わりした。


「はぇ?!」


「あー、そうだな…明かりが暗い。これは良くない。ねぇ、何かガラスない?」


「ふぁっ?!び、瓶ならあるけど…」


「頂戴。」


そして、エジンが持ってきたのは、カラフルな瓶達だった。


「お。凄くいいもの持ってるね。」


「ふぇ……」


「あとこの電球貰うよ。」


電球を、外す前に、魔法で辺りを照らした。


灯せ。


オレンジの光に部屋は包まれた。


「さってと。」


ガラス瓶が複数個に電球3つ。

うーん…可愛いデザインにするか。

それと魔力の供給もね。


合成!無限魔力付与!超硬化!!


光が放ち出来たのは。


──────────────────────────

トライアングルランプ レア度☆


魔法で危害を加えられない限り壊れることは無い。

また、部屋にいる者の意志によって明るさの調節が可能。

魔力精製がされていることにより危害を加えられ壊されない限り永遠に使用することが可能。

──────────────────────────


うんうん。いいものが出来た。

囲いの中に電球があるというような前世では一般的な形の品物である。ただし、形が三角形だが。

見た目はステンドグラスのような模様を模した柄になっている。猫に兎にハリネズミ等々の様々な絵柄があった。

うーん…ちょっと思ってたのと違うけどまぁいいか。

これを設置だな。

そう思っただけだったけど、勝手に設置された。


「あ、設置された。」


とりあえず…ここはこれで大丈夫だな。

うーんとそうだ。まず住んでる人聞かないと。


「そうそう。エジン。君は誰と暮らしてるの?」


「………………………………」


あれ?返事が返ってこない。

俺はエジンを見た。

エジンは腰を抜かして、あんぐりと口を開けていた。

あれれ?


「エジン大丈夫?って…あ。」


人様の家…かってに改蔵しちゃった。

あーやばいな…これは…怒られるかもしれない…。


「…僕の家…すっげぇぇぇえええ!!!!!」


大声で叫んだ。


「な、なにこれ!すっごい!!待って?!食器も綺麗だし!!こんなの新品じゃん!!それに工具まで!!整理整頓もされて…工具も綺麗になってる!うわ何これ?!明かりもすっごい明るい!!その上、いい匂いがする!机も新品になってるし!!すっごいいいいぃぃいい!!」


そして、エジンはハッ!として口を閉じる。

あ、隠れて暮らしてるのにその大声は良くないか。


「この部屋、防音にすることもできるけど…何かあった時、他に気づかれない場合があるんだけど…。改造する?」


「ちょっとちょっと待って?!ボクの一存じゃ決めれないよ…!!紹介するよ…!!こっち来て!」



そう言うと、エジンはパスコード付きの部屋のドアを開けた。


「ピピッ」


ガゴン…


ガーッ…



「と、とりあえずクラーガさんに会って!」


そう言われ中に入れば、

大量の点滴を打っている少し筋肉質な老人がベッドで横たわっていて、静かながら息をしている。

ほっ…ちゃんと生きてる…でも体が良くないのか…。

まるで病室だな…。


「クラーガさん!!」


「ん…?エジン…どうした?客人か…。」


「そうなんだけど…!ボクを助けてくれた恩人!その人がね?!僕らの家凄いことしちゃったの!!」


「…例えば?」


「すごく綺麗になって、全部新品みたいになったんだ!すごく明るいんだよ!」


「エジン…凄いことは分かったが…具体的にどうなったのか…さっぱり分からない…。」


「そ、それぐらい凄いんだって!それに防音にもしてくれるって話が出てどうしたらいいか分からなくって!聞きに来たんだ…!」


「防音…な。それは分かったが…とりあえず挨拶させてくれないか…?」


「あ!そうだった!」


「ご挨拶が遅れてすみません。初めましてクラーガさん。俺の名前はアレン・スコッティと言います。」


「初めまして…私は()()()()という。」


「あの…少し体を診させて頂いても?」


「…君は医学の精通者かね?」


「まぁ…元・はですけど。少し診させて貰います。」


あわよくば…治そうと思う。


「あぁ…。」


俺は老人に近づいた。

そして、唱えた。


回復。


そして、老人の体は淡い緑に包まれそして…光は消えた。

黒い塊がたくさんあった。

黒い塊を全て消失させた。

もう大丈夫なはず。点滴がなくとも。


「すみません、針抜きますね。」


「……………君…一体…私の体に何をした…?」


「治療しただけですよ。」


そして、クラーガさんから点滴の針を全て抜く。

そして、新たに回復と唱えた。

傷口はキレイさっぱりなくなる。


「こんなに…体が…楽になるとは…。体を動かすことが出来る…。」


そう言って屈伸してみたりするクラーガさん。


「く、クラーガさん?!そんなに、体動かすことできるの?!ぅぅぅぅううううッ…!! 」


体を自由に動かせるまで元気になるなんて!とエジンは涙した。エジンが落ち着いたところを見計らって声をかけた。


「落ち着いた?」


「うん…」


「とりあえず…このベットとか硬そう…。でも布ないしな…買いに行くか…。」


「と、とりあえず…ボクお茶出すね!クラーガさんも来て!」


そうして、3人でリビングに戻った。


「な、なんだこれは……。」


エジン同様、クラーガさんも口をぽかんと開けている。


「え、えっと…すみません?」


「いや…いいんだよ…」


「あ、それと防音についてなんですが。防音を施してもいいですけど、この部屋で何かあった時気づけないっていうデメリットが出るんですよね。どうします?誰かが侵入してた時とかには不利になりますし…。」


「いや…防音はなしで頼む。」


「そうですか。分かりました。」


「あ、お茶が入りましたよ。」


「どうもありがとう。エジン。」


「いえいえ!」


温かい緑茶を飲む。


「久しぶり…美味しい…。」


「それは良かったです!クラーガさんも飲んでくださいね。」


「あぁ、ありがとう。」


「あのお聞きしたいんですが、ここはなんという国ですか?」


「ここはヒノクニ。トウエ横側のマナカ近くにいるよ。」


「ヒノクニ…ね。そっか。なら俺が知ってる世界とは異なるわけね。ちなみに今は何年何月とかある?」


俺は()()()、詳細を聞かなかった。


「えっと、2045年の4月だよ。」


「そう…」


俺が死んでから…26年後の世界になるのか。

俺は確信した。ここは元日本のどこかだと。

こんなに醜い世界になってしまったとは…政治家なにしてんの?まぁ…俺は日本なんて国どうでもいいけれど。


「とりあえずここの通貨が問題だよな…。」


俺の所持金縦長金貨3000枚とあと少し。

金ってまだ売れるかな。


「ねぇねぇ、金って売れる?」


「金…なら売れるけど…。」


「100グラムだといくらする?」


「えっと…だいたい…1万6000円かな。」


「そっか。分かった。」


俺の縦長金貨が1枚…あれの重さ…うーん…50gかな。

だから、20万で1万6000円か。役10分の1か。

100万にしようと思ったら、1875枚程必要ってことだな。


「クラーガさん、申し訳ないんだけどエジン君を借りてもいいかな?」


「あぁ。構わんさ。アレン君も…相当の手練と見える。」


「ありがとう。クラーガさんもね。」


クラーガさんは目を見開いた。

バレてないとでも思った?


「じゃあ、エジン。街を案内してもらおうか。」


「うん!任せて…!」


「あ、因みにバレないようにするから大丈夫。」


そうだなぁ…隠蔽記憶操作付与!!


俺とエジンに白い薄い膜が貼る。


「ん?エジン…アレン…どこに行った?」


「クラーガさんここにいるよ!!」


とエジンが声をかけるがクラーガさんは気づかない。


解除。


と唱えると。


「あぁ、そんな所にいたのか。」


そう、驚くことも無く発言をしたクラーガさん。


「クラーガさん?!ボク達目の前にいたよ?」


「いや今まで目の前にいただろう?」


そうこのやり取りこそが、記憶操作である。

俺達の都合のいいように書き換えたのだ。


「な、なんでぇえええ?!」


「さてと、エジン行くよ。」


「は、はーい!!」


そうして、エジンを連れて先程の扉の前で俺はストップをかけた。


「ちょっと待って。付与するから。」


隠蔽透視家族以外不可付与!


まずこの扉をそもそも見えなくした。このシェルターに住んでる人以外は。まぁ俺は術者だから例外だけど。

他の人にはただの壁にしか見えないはず。


「さぁ、終わったよ。」


「何したんだ?」


「ここがバレないようにしたんだよ。」


「へぇ?」


「さぁ、金を売れるところに連れて行って。」


そして、先程の術をもう一度かけ直し、俺達は街へと向かった。



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