2、
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今日も忙しいのにゃ!!
患者の毎日の様子を診断記録に書くのがボクのお仕事なのにゃ!
さてと助手は忙しいのにゃー!!
そうやって、毎日毎日課題という名のお仕事をこなしていた時の事にゃ!!
なんだか、眩い光を放つ現象が近くで、起こった事に気付いたボクは、颯爽とその場に現れたのにゃ!
なんと!光のにゃかから、出てきたのは
人間と異人種だったのにゃ!
あまりの衝撃にボクは一瞬ポニャンとしてまったにゃ。
にゃけど、すぐに声をかけたのにゃ!
「にゃにゃ?!何かあったのにゃ?!って君達誰にゃ?!」
「そんな事はどうでもいい!!なぁ!!頼む!猫!ネロが反応しないんだ!!」
ボクの名前が猫ににゃっていることを訂正する前に、診てくれと言われたので、ボクの血が騒いだのにゃ!
「病人?!ちょっと待つにゃ!!ボクも医者の端くれなのにゃ!」
ちょっとにゃけ、話を盛っちゃったにゃ!
1回、言ってみたかったのにゃ!!
この発言をドクターに聞かれたら、アンタが医者の端くれだって?!アンタが端くれと名乗るまで100年早いよ!このバカ野郎が!という怒声と共ににゃ、ゲンコツをお見舞いされる所だったのにゃ!ふぅ〜危ない危ないのにゃ!
そんな事を考えていることを知らにゃい、
耳のとがった異人種は、
「なら診てくれよ!!」
ボクに助けを求めて来たのにゃ。
まず倒れている人…患者の前では大きな声は良くないにゃ!
よくドクターに静かにしな!!と怒られるけど、
ドクターも、煩いのにゃ。
とりあえず、異人種にボクは言ったのにゃ。
「落ち着くのにゃ。患者の前で大声は御法度にゃ。」
まずは、脈を測り、この少女が息をしているか確認したのにゃ。ふぅ…なるほどなのにゃ。
「大丈夫にゃ。ただ、気を失ってるだけにゃ。数時間も経てば、すぐに起きるにゃよ。安心するにゃ。その前に病室に運ぶにゃよ。」
「…悪いけど、頼む!!」
頼まれたのにゃ!ボクもカッコイイ所を見せなきゃにゃらない!と意気込んでいた所にドクターが現れたのにゃ!
「ニャオ!何があったんだい?!眩い光が見えたから来てみれば……って患者かい?!」
「ドクター!!ボクが診察したのにゃ。ただ、気を失っているだけなのにゃ。」
「そうかい。なら良かった。流石ワタシの助手だね。」
ドクターが褒めてくれたのにゃ?!
今日は幸せにゃん♪
流石私の助手…流石ワタシの助手…ドクターが発した言葉を脳内でリピート再生していたら
「こんなことも診察出来てなかったらゲンコツどころじゃ済ませれなかったよ。」
ふに”ゃっ?!
ボクにトドメの一言が降ってきたのにゃ…。
その一言のせいでボクの幸せな気持ちはぶっ飛んだのにゃ…。
「聞きたいことは山ほどあるが、先にその子をベットに移動させなきゃね。さ、ワタシが運ぶよ。」
「ボクが運ぶのにゃ!!」
「あんたは小さいだろう。伊達に体力つけてないよ!医者ってのは、忍耐力、体力が必要なんだよ。覚えておきな!それに、小娘1人ぐらいなんて事ないさ。」
うぅ…小さいからってその言い方は良くないのにゃ!!
なんて言い返したら倍にして返ってくるから言わにゃいけど…。
ドクターに続いてボクたちは病室へと、足を踏み入れたのにゃ。
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昨日はリベルト達が出て行って、今度はなんだい。
耳のとがった異人種に、美しい娘。
が湧いて出てくるなんて聞いちゃいないよ!
どれだけ、ワタシの心に負担をかけりゃあ気が済むんだい!
そんなことを考えながらワタシは美しい娘を
ベットに寝かせてやった。
「……ん…アレ…ン………」
一瞬、目を覚ましたのかと思ったが寝言みたいだね。
早速、聞かなきゃならない。
「この小娘は寝かせた事だし、別の部屋で話すよ。着いてきな。」
コクッと頷き返す異人種。
異人種って呼び方は良くないねぇ、名前を聞くか。
「アンタ、名前はなんて言うんだい。」
「ボク…?」
「アンタの他にいないだろう?」
「ボクの名前はコウだよ。幸せになってほしいからってアレンが名前をつけてくれたんだ…って!!い、今のなしだからな!!」
コウという耳がとがった少年は、
ものすごく照れていた。顔を真っ赤にして。
なんだい、この小僧は。
はぁ…
「とりあえず分かったから、その顔どうにかしな。」
「わ、分かってる!」
「そうだ。名乗ってなかったね。あたしは「イルマ・プメルタ」、ドクターイルマと呼びな。ここでそこそこ大きな診療所を営んでるババアさ。」
「そしてボクがドクターの助手を任されてるヒューストの「ニャオ・ニャオ」ですにゃ!」
「ドクターイルマに…猫か…。」
「違うのにゃ!ニャオ・ニャオだにゃ!!」
「名前長いからニャオにする。ちなみにヒューストって何?」
「 簡単に言うとだにゃ、人間の遺伝子をベースに別の生物の遺伝子を組み合わせるのにゃ。さらに〖削除済み〗ウィルスを組み込んでクローン培養してできる獣人のことにゃ!」
「全く意味わかんない。もういいや、アレンに聞く。」
「なんて失礼な奴にゃ!!」
猿が1匹増えた気分だよ。
ニャオだけで十分なのにさぁ。
ガラッと扉を開けながら
「さぁ、着いたよ。そこの椅子に座りな。ニャオ!さっさと、客に茶を出しな!」
「分かったのにゃ!!」
「って…ドクター人遣い荒いのにゃ…(ボソッ)」
「なんだい?!文句があるなら堂々と言いな!!」
「ふぎゃっ!!い、いれてくるのにゃー!!」
ふんッ!愚痴愚痴言ってると、いつまで経っても…成長しないんだよ!
「さてと、話を聞かせてくれるかい?アンタ達はどこから来た?」
「遺跡…。」
「はぁ?!」
「船を捜索するのに、遺跡に向かって途中で仲間とはぐれて…今、ここにいる。」
「ということは…迷子かい?ぶっ飛んでる話だねぇ…。」
「あの…ここってどこだ?」
「ここは、太平洋さ。」
「タイヘイヨウ?」
「そう。今は干上がっているから荒地になっているがここは海なのさ。」
「海…?あの海…?!」
「あの海ってのは、海は海だよ。それ以外に何があんのさ。」
「本当に…あるんだ!!ボクの世界にもあるって聞いたことはあったけど、数日前まで奴隷だったから。」
奴隷…!?そ、そう言えば…すっかり忘れていたけど…
この子…耳がとがってたんだった。
「持ってきましたにゃ!お菓子もあるにゃよ!」
「あぁ、ご苦労。さっさと置きな。」
「はいにゃ!!」
「これは何…?」
「紅茶にゃよ。これは、カシスブルーベリーという紅茶にゃ!ミルクをたっぷり入れてあるにゃよ!ドクターが一番好きな茶葉なのにゃ!因みにボクも好きなのにゃ!」
「へぇ……。頂きます…。」
「ちゃんと頂きますって言えるんだね。アンタ。」
「えっと…アレンが教えてくれたんだ。食事の前とかには…頂きますって言わないとダメだって。食料とかに感謝の言葉述べてから言わなきゃダメなんだよって。」
「へぇ……ソイツと会ってみたいもんだねぇ。」
「アレン…どこにいるのかな…。」
そうして、小僧はミルクティーを飲んだ。
「すごく美味しい…!!」
「ふっ…だろ?飲みやすいんだよ。アールグレイっていう茶葉もあるんだが、そいつはちょっとクセがあるからねぇ。こいつを飲んでから、飲みやすさが違って最近はこればかり買ってるよ。」
「そうなんだ…。アレンなら…これを使ったもの作ってくれそうだな…。」
「ふぅん…そのアレンって子は、料理が得意なのかい?」
「うん!凄く美味しいもの作る!!」
「例えば?」
「ご飯と味噌汁。」
「へぇ……一般的な家庭料理だね。」
「カテイ料理?何それ。ボク、そんなもの見たことも聞いたこともないから興奮した。ほかの仲間もそう。」
「へぇ〜じゃ、小僧がいる世界ではその料理は珍しいものなのかい。」
「そうだね。まぁ俺が奴隷だったせいで、外の世界を知らなさすぎることもあると思うけど…他のみんなもビックリしてたから。」
「そうかい、そうかい。」
「あ!このお菓子食べるのにゃ!美味しいにゃよ!」
「これは何?」
「いちご大福なのにゃ!」
「いちご?いちごって…どっかで聞いたことがあるような…アレンが確か栽培…がどうたらって…言ってたような…。」
「難しいことはどうでもいいにゃ!食べるのにゃ!」
ニャオに、促され苺大福を1口パクリ。
「あ、甘くて美味しい…!」
「だろう?」
「うん!パクッ…モグモグ…」
「あ。そう言えば…コウは、ボクと同じヒューストじゃないのにゃ?」
「ヒューストの意味が分からないけど…ボクはエルフだよ。」
「エルフ?そんなもの聞いたことがない…。」
「ボクも知らないにゃ…」
「あ…そう言えば…俺の目…気持ち悪くない?」
「ん?あんたの目かい?それはオッドアイだろ?」
「へ?この目の事…オッドアイっていうのか?!」
子供らしかった口調が、荒い言葉遣いに変わった。
「あぁ。虹彩異色症、Heterochromiaof Irisという。
簡単に言うと、瞳の色は眼球の中の「虹彩」と呼ばれる部分に含まれるメラニン色素ってのがあってね。その量によって色が決まってんだ。何らかの理由で片方の眼球だけメラニン色素の量が減少するような事があると、小僧みたいに瞳の色が異なるのさ。 」
「そう…なんだ…。」
「自分の瞳が怖かったかい?」
「いや…怖くはなかった…。元からそうだったし。ただ…ボクの両親と村の人々は…ボクを忌み嫌った。俺はそれが耐えれなかっただけの話。」
「小僧苦労してんだね。とりあえず、あの小娘が起きるまでゆっくりしな。特に宛もないんだろう。そのアレンって子が、この世界にいるとは限らないからね。時間はたっぷりあるさ。帰る道しるべもそのうちすぐ見つかる。」
「ありがとう。ドクターイルマ。」
「あぁ。」
ワタシは、笑顔で返事した。変な客人が来たが
なんだか面白いことになりそうじゃないか。
さぁ、あの小娘も起きたら夕御飯を作らなきゃねぇ。