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星の子ポンタ  作者: 鴨川京介
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20.王都への馬車旅

 馬車の旅は快適だった。

 足回りを改造したのが大分効果を発揮したようだ。

 それに馬も地球にいる馬ではなく、バトルホースという魔物を調教した馬が馬車を引いている。一番初めに領都についた時に見かけた角の生えた馬だ。

 この馬がめっぽう早い。

 通常の馬車より引きやすくなっているのもあってか、一日で100㎞ほどを走破してくれている。

 これなら王都まで5日で済む計算になるとセバスが言っていた。

 途中、日本から持ってきたグッズが好評で夜も快適に寝られているようだ。

 自衛隊員は夜間の警戒専用要員として2名が馬車で同行していて、日中は馬車の中で寝ている。

 この2名の隊員が大活躍している。

 赤外線の侵入探知システムで野営地の周りを囲み、レーダーで警戒してくれている。そのおかげで騎士団から出す警戒要因も少数で済み、寝ていても起こすので問題ないと請け負ってくれていた。

 おかげで騎士団も体調に不安がある人もなく、王都を目指している。

 1日に2~3回の頻度で魔物と出くわす。

 群れになっているのはまれで、大概は単独で徘徊しているようだ。


 昼間はポン吉レーダーも活躍してくれた。

 ポン吉は索敵に優れているようで、自衛隊が携行しているハンディレーダーと同じぐらいの範囲をカバーできているようだ。

 ポン吉が鳴くとレーダーに感があるといった感じだ。


 3日目の夕方あたりでゴブリンの20匹ほどの群れと遭遇した。

 魔物制圧に有効力があるかどうか試すために自衛隊が銃による殲滅を行った。

 結果は魔物に対しても銃は十分有効であった。

 大型魔物に効くかどうかは今後の課題だろう。


 そしてもうすぐ王都という4日目の昼間に、盗賊と戦闘になった。

 盗賊は30人ほどいたが、自衛隊のライフルと騎士団の魔法の前には手も足も出なかったようだ。

 ライフルでの狙撃はすべて手足を狙ったようだ。

 高速弾のため、殺傷力より貫通力が高くなるライフルでの狙撃はすべて弾が外に抜けていた。

 拘束した後に治癒魔法で治癒させられて、そのまま最寄りの町まで連れていかれた。

 魔法での攻撃は殺傷能力の方が高くなってしまう。騎士団が対処したものはそのほとんどが死亡していた。

 初めて人の死を見た日本組はかなりショックを受けたが、これがこの国の実情だと割り切るように頭を切り替えた。

 地球でも同じことがいまだに起こっている国もあるんだから。

 俺が持ってきた猟銃は人相手には使えない。即死するからだ。


 俺自身は小さい頃より武術を通して、殺傷についてはある一定の覚悟を持っている。

 それは身の安全を守るときには出し惜しみせず相手の行動能力を奪うこと。必要ならばためらわずに命を奪うことだ。

 これは由美も同じ教育を受けているが、そこはやはり女の子ということもあり、なかなか割り切ることもできないだろうと思う。

 自衛隊の人たちも銃器の訓練は受けていても実際に人に向けて発砲したのは初めての経験だったらしい。

 まあ、この国にかかわる限り、日本での常識やモラルは通用しないと思っておかないといけない。俺たち日本組は改めてそう話し合った。


 それに改めて魔法についての教育を受ける必要性を感じた。

 騎士団が撃っているのを見て、これが敵から撃たれたら、防ぎようがないことに気づいていた。

 早急に身を守るための手段としての魔法の習得は必要だ。


 王都の最寄りの町で最後の宿泊を終えて、俺たちは王都に向かった。


 王都は城壁に守られていた。それもかなり大きい。

 聞いてみたら王都住民の畑などもかこっているために相当の面積があるそうだ。

 その城壁をくぐって更に一時間ほどかかってもう一度城壁があった。

 この城壁の中が王都らしい。


 国王への謁見のための先触れはすでに王都についていたので、その騎士団員が城門まで迎えに出てきていた。

 どうやらこのまま王城へ向かうようだ。


 自衛隊のバイク部隊も伴って王城に入場した。

 王城の馬車止めに一人の老人が騎士を伴って待っていた。

「ようこそゼクウ王国にいらっしゃった。歓迎いたします。」と歓迎してくれた。


 言葉上は…。


 う~ん。どう見てもこの騎士団員達、俺ら日本組に敵意を持っているように見える。

 俺は警戒を解かないまま、その老人にあいさつした。

「初めまして。私は日本国から来ました星野友朗といいます。こちらの者たちは私の家族と日本国の皇室の関係者です。」

 と頭を軽く下げながらあいさつした。


 老人は

「私は宰相のキルケという。これから王に謁見するために身だしなみを整えてもらう。」

 と一方的に言い放った。


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