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船底の会話

夜の甲板で静かな海風に当たる。

リリンと合流して船内を散策していたら夕食の時間となり、夕食を取っていたが……男衆が酒を飲んで乱痴気騒ぎをして大喧嘩し始めたものだから抜け出して来てしまった。女衆は俺が去る前に去ってるし、これで良いだろう。

「……あいつらが酔っぱらって女に無理やり手を出さないか心配だ」

基本的に悪いやつらでは無いようだが……酒を飲まそうとしたりリリンに酌を注がせようとしたりすぐ喧嘩するし……荒くれ者なんだよな……。

「お隣良いですか?」

「あ、どうぞどうぞ」

海を眺めていると、軍服のようなセーラー服を着たダゴル族の女性が隣に歩いてきて海を眺め始めた。

この人は確か……仕事をサボるラルクを仕事に戻らせるグルニカと言う人だったな。

「君は確か昼間に船長と話していた少年だね?僕はグルニカ。この船の水夫をしているよ」

「俺はアリエス。よろしく」

「アリエス?王都のアリエス商会と何か関係があるの?」

「さあな。あるかもしれないし無いかもしれない」

「意地悪ー」

「意地悪で結構。俺は身持ちが固いんでね」

それにしても、アリエス商会の名前はかなり知れ渡っているんだな。名が売れているのは嬉しいことだ。

「そう言えば、君は乗客と喧嘩したんだよね?」

「……まあな」

「まさか、十数人を圧倒したらしいけど、何かしらの武術でもやってるの?」

「基盤は軍隊の格闘術だが、大半は我流だな」

実際は完全な我流だが、それなりに戦えているのなら問題ないだろう。

「やっぱり!僕の家は代々護身術の道場をやっているんだけど、同じような雰囲気を感じるもん」

「そうだったのか」

この人を評価するなら豹のような女性だ。筋肉質だがしなやかで肉付きもかなりよく、それでいて見せるような筋肉ではなく実戦的な筋肉だ。

ある意味、守りをメインとする護身術らしい体

と言えるだろう。

「それじゃあ、俺は部屋に戻ってさっさと寝るよ」

「ま、それが一番良いだろうね。お休みー」

グルニカと別れて俺は船内に入り部屋に向かう。

あの連中もそこまで早く食堂から出ることは無いだろうからな。

「「「「グオォォォォォォォ……」」」」

前言撤回。こいつらソッコーで寝ていやがった。

基本的に酒に強い魔族がこんなに早く寝ると言うことは酒樽を何本も枯らしやがったなこいつらら……。空きのスペースも無いし、どこかで寝るとするか……。

「……アリエス?」

「どうかしたのか、リリン」

船底に毛布を持って降りているとリリンが先客として毛布を敷いていた。

意外だな、オルゴと眠っていると思っていたのだがな。

「……向こうだと男たちの寝息が五月蝿いから」

「俺も似たようなもんだ」

「……寝る?」

「今日は服を着てるよな?」

「……着てるよ」

着てなきゃ船内を歩けないよな。

「それじゃお休み」

「うん……」

リリンと離れた適当な場所で俺は横になって眠りにつく。

明日の事もあるし、眠ってよ。


「……う、うぅ……」

「……ん?」

奇妙な声がしたと思い目を開けると奥で縮こまり魘されながらリリンが眠っていた。

何か、嫌な夢でも見ているのか……?

「ごめんなさい……」

「うん?」

一体何に謝っているんだ?

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

「……まさか、奴隷時代のことについて夢を見ているのだろうか」

イスラも初めて会ったときにはごめんなさいとしか言っていなかったし、そうなんだろうな。

「……大丈夫だ、リリン」

縮こまって震えているリリンの頭を膝に乗せてポンポンと頭を優しく叩く。

すると、少しずつ震えは収まり、穏やかな寝息をたて始めた。これなら、悪夢に魘されることはないだろう。

「さて……」

枕代わりのバックにリリンの頭を乗せて元の場所に戻る。

俺もさっさと寝ないとな……。


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