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アカシックレコード

「……どこだここは」

ふと目が覚めると辺りは真っ暗な世界だった。

俺は……確か、法術もどきを使ってエネルギー不足で意識を失ったはず……。……まさか、死んでしまったのか?

『そんなはず無いだろ、馬鹿野郎』

「……何だ、お前は」

俺の考えを読んだかのような暴言を吐く黒い人影に俺は警戒心を高める。

こんな場所にいる時点でまともな人間ではない。

『傷つくな……。だが、その判断は間違いない。ここは一種の到達点『アカシックレコード』と呼ばれる場所だ』

アカシックレコード……始まりからすべての感情、思考、事象が記録されている世界記憶の概念のこと。つまり、俺の目の前にいるのは記憶の中の『誰か』と言うことか。

これなら俺の考えを読める理由も納得がいく。アカシックレコードはすべての記録。今、この瞬間も記録している訳だからな。

『そう考えていいよ』

やはりか。それで、そんな場所に俺を呼んだのは何故だ?

『おや、意外と動揺してない?』

生憎、転生する前に糞神と出逢っている訳だからな。超常の存在が目の前に居たって「そう言うもの」と捉えれる。

『ハハハ……。まあ、いいか。君を呼んだ理由は君が下らないことで死にかけているからだよ』

下らない……。まあ、確かに下らないよな。自分の攻撃で自滅し、しかも護るべきものたちを遺して死ぬなんて、下らないよな。

『その通りだ。そして、もう一つは警告。お前の身体は既に第二段階に入っている』

第二段階……?どういう事だ。

『お前を転生させた神にも予想できなかった代物……と言っておこうか。まさに、この世界の人間における可能性の象徴とも言える進化だよ』

進化……つまり、俺は元の体から更に上の存在になったと言うことか?

『そうと言えるし、そうではないとも言える。ただ、言えるのは君はもう後戻りできないと言うことだ』

「……知ったことか、そんなの」

俺は拳を握りしめアカシックレコードの腹に打ち込む。

ちっ、やっぱりアカシックレコードの野郎はあくまで人間の姿をしているだけでその正体は記録そのもの。物理的な攻撃が効かないか。

『おっと。いきなりなんだい?』

「元から後戻りするつもりはない。そんな事を知らないお前ではないだろ」

『……バレてたか』

それに、俺は俺の心に刻んだ使命を全うする。護るべきもの達を、護るために俺は化け物でも怪物でも何にでもなってやる。

『……やはり、君は彼に似てるよ』

「何か言ったか」

『いや、何でもないよ。それじゃあ、君の精神を元の身体に戻すよ』

「……分かった」

アカシックレコードの哀愁漂う言葉に同意した瞬間、俺の意識はプツリと途切れるのだった。


「……お前は僕、僕はお前。何としてでも果たしてくれ。―――――――神への復讐を(・・・・・・)




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