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U字の食卓

作者: 紫 和春

 その男は、労働者であった。

 全てを司る機械仕掛けの神(マザーマシン)のために働いている。

 そんな彼の休憩は三度の食事の時のみであった。

 食事には人間の思考や身体能力を大幅に向上させるドーピングが含まれている。そのため、睡眠も殆ど無しに働き続けることが出来るのだ。

 そんな彼の食事風景を見てみよう。

 まずは食堂に向かう。食堂にはU字を組み合わせたような波打った机が用意されている。一度に食事が出来る人数を増やすと同時に、労働者への食事の提供をスムーズに行うための工夫だ。

 食堂に入ると、生体認証及び体調確認のための体内注入型マイクロチップをスキャンする。これにより、現在必要な栄養素やドーピングを摂取ことが可能になる。男の今日のメニューは、牛丼風肉体増強剤と味噌汁風栄養素スープだ。

 メニューが決定すれば、発行される食券を持って席につく。そして目の前の小さな読み取り機に食券を入れることによって、自分の食事が運ばれてくるのだ。

 男が食券を挿入して数分後。メニュー通りの料理のようなものが運ばれてくる。男は何の言葉も発さずに、無我夢中で目の前の食事を掻きこむ。時間が押しているのだ。

 こうして食事を終えると、男は席を立ち、自分の仕事場に戻るのだ。

 この食堂を利用している人間は、このように8時間ごとに食事を行い、己の命が尽きるまで働くのだ。

牛丼チェーン店で牛丼食べながら考えました。

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