出会い
「仕事だ。信頼してるぞイビリス」
「ああ。了解した」
ちっ。Rのやつ。パシリやがって。しかしNo2に逆らう事は出来なかった。
俺はイビリス。闇の組織の上位にいる。最初の頃は悪さをすることをものすごく罪深く感じていたが、俺の心はもうとっくに冷たくなっていた。でも、時々思う。こんなことして良いのか…と
俺は目的も場所まで歩いて行った。
ドテン!っと近くで音がした。前を向くと幼い少女が倒れていた。周りに果物が転がっている。
俺は落ちてる果物を取った。
「いってて」
「ほらよ。足元は気をつけろよガキ」
「うん!ありがとう!優しいお兄さん」
そうして少女は去っていった。優しい…か。
後ろに気配を感じた。パッと俺は振り返ると、可愛いらしい少女がいた。
「さっきはありがとうございます」
「え?」
「あの子。初めてお使いをたのんだの。それで心配で後をつけたんだけど、あの子を助けてくれてありがとね」
「別に何もしてねえよ」
「そう?貴方は優しく接してくれたじゃない」
「羽根を見ればわかるだろ。俺は悪いことをして生きてきたんだ。あんたみたいな天使とは違うんだよ」
俺は幼い頃、天使になるために天界の属性に入った。この属性は良い事をすると天使の羽根が生え傷を癒したりする呪文が使えるが、悪いことをすると悪魔の羽根が生え、相手を傷つける呪文を覚える。そして俺は生粋の悪魔だった。
「でも、貴方はきっと根は優しいわ」
「今からでも変われるか?俺は天使になれると思うか?」
「なれるかじゃないわ。貴方が心からそうなりたいのであれば、私は貴方に尽くすわ。それが天使だもの」
「俺は、俺は!天使になるためにこの道を進むと幼い時決めた!俺はその道を諦めていた。でも…本当はなりたい…」
俺は少しだけ弱く言った
「そう。でも道はかなり長いわよ」
「ああ。覚悟はできてる」
「そう。よかったら家にこない?」
「教会よ。そこで修行しない?」
「する。でも…たくさん迷惑かけるぜ。こんな羽根生やしたやつが教会にいるとなると…」
「大丈夫よ!さあ!行きましょう」
そうして俺は天使になると決めてこれから彼女のいる教会で修行することになった。
教会に着いた。たくさんの天使達がいた。
「ガブリエルさんおかえりなさい」
天使の少年が明るい笑顔で言った。
「ただいま戻りました」
「お邪魔します」
ここでは起床時間と就寝時間以外はほぼ自由らしい。依頼されたらできる人やりたい人がやったりして人々の助けをしてるらしい。
「あ、でもその日何したか私に教えてね」
「はい!わかりました」
天使に、なるためには
1良いことをする
2悪いことをしない
3悪魔の呪文をつかわない
これが大切になる
俺は悪魔Lv80の大台にいるので天使になるには果てしない時間がかかるだろう。でも俺は必ず天使になって人々の役に立つ!
そういう訳で俺は街に飛び出してやれることをやろうとした。
夜になり帰ってきた。
「どうだった?」
ガブリエルが聞いた。
「全然だめだ…悪魔だからみんな俺を避けるし…ごみ拾いしか出来なかった」
「大丈夫よ。良いことをすれば世間から認められるわ」
「世間か…」
くっ…頭痛がする
「そうだよな。少しずつ頑張ってみるよ」
俺は作った笑顔を見せて寝室へ移動した。
「彼は…過去に何があったの?あんなに優しい人なのに…」ガブリエルは独りで呟いた。
どうも上海です。この小説は綿密に描きたいから投稿頻度は遅めになります。ご了承ください。あと、ここから先はこの小説内の設定を描いていきます。あとがきを読まなくても物語で新しい設定が出てきたら補足するので読まなくても問題ありません。