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JKときどき死神  作者:
第六章 銃声
36/47

準備

「委員長、ちょっといい?」

 午後の授業の合間をぬって頬杖をついている委員長に話しかけると彼女はびくりとして驚いた顔をこちらへ向けた。先ほどの授業中もうつらうつらとしていたからまだ少し寝ぼけているのかもしれない。

「……なに?」

「あのさ、この間相談してくれた件なんだけど、少し話したいことがあるから放課後部室に来てほしいんだ」

「話ってどんな?」

「ええと――ちょっとここだと言いにくいんだけど、ひょっとしたら悩みの解決につながるかもしれない」僕はしどろもどろになりながら答えた。

「ふうん――別に構わないけど――放課後職員室に用事があるからすぐには行けないよ」委員長は明らかに怪しんでいる。

「それでいいよ。ただ、前みたいに宇賀神さんは呼ばないでほしいんだ」

「え、何で?」

「ええっと――その――あんまりに宇賀神さんに聞かれるのもまずかったりするから――」

「……蒲生君、何か企んでない?」

「ないない。そんなことはない」

「……まあそういうことにしておくけど。分かりました、蒲生君を信じてひとりで行きます」

「ありがとう」

「変なことしちゃダメだからね」

「しないよ!」

 委員長は僕をからかってくすくすと笑っていた。その笑顔を見て僕は絶対に彼女を救わなければならないと思った。


 次は轡の番だった。教室移動の時間に僕は駆け足で彼女の教室へと向かった。廊下側の窓からそっと中をのぞき込むと、教室の片隅でひとり静かに読書に耽る彼女の姿を認めた。そのまま教室に踏み込むのも憚られたため、廊下側の席にいた生徒に彼女を呼んで来てもらった。

「……どうしたの?」

「チープから伝言を頼まれてさ、今日の部活なんだけど休みにしてほしいって」もちろん真っ赤な嘘だ。

「……何かあった?」

「火災報知機の点検だかなんかで部室に業者が入るからだって」これも嘘。

「……分かった……蒲生君は……どうするの?」

「どうするって、もちろん俺も部活は休むけど」実際は身体を張って部活動することになるのだが、轡には本当のことを言えない。

「……」轡はもじもじと何か言いたげな顔をしている。

「どうしたの?」

「……放課後……一緒に……どこか行く?」

「ええっと――ごめんッ! ちょっと今日は家の用事があるんだ」

「……そう」

 予期せぬ誘いだったのでとっさに断ってしまったが、轡の落ち込んだ表情を見てるとなんだかすごく申し訳ない気分になった。

「あ、いや、でも近いうちにどこか行こうよ。オカ研の活動以外で轡さんと出かける機会ってなかったし」

「……うん」轡の表情が少し明るくなった。

 これで準備が整った。そしていよいよ放課後になった。

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