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JKときどき死神  作者:
第四章 眠り姫
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オカ研始動

「……あんなこと言って……大丈夫?」少し経ってから轡が心配そうに尋ねた。

「どうすんだろな……」

 僕は自身の軽率な行動に頭を抱えた。さすがに委員長だって真に受けてはいないのだろうが、それでもできもしないし慰めにもならない言葉を発した自分に腹が立った。

「でも、あそこでああいう言葉をかけないのはもっとダメじゃないですか?」委員長たちの使った食器を片づけながら遠藤が言った。

「そりゃそうかもしれないけど――口だけ達者で何もしないやつはカッコ悪いよ」

「唯一の打開策はせんぱいがこの事件を解決することだと思いますけど?」

「簡単に言ってくれるけどさあ……」

「今回の事件はオカルトなんですからせんぱいの得意分野じゃないですか? ある意味で、この学校においてせんぱい以上の適任者はいません」一体何を企んでいるのか、どうも僕にこの問題を解決しろと誘導しようとしているような気がしてならなかった。

「そもそもこれってオカルトなのか?」僕は轡に尋ねた。

「……可能性はある」

「もはやなんでもありだな……」

 我が部のオカルトの権威からお墨付きがもらえたのでオカルト認定しておくとして、果たしてこれは僕なんかに解決できる問題なんだろうか。

「とりあえず、ちょっと捜査してみてもいいんじゃないですか? 今のところ部活動として何をするかも決まってるわけでもないんですから」

「……賛成」

 たしかに委員長にあんなことを言った手前、何もしないというのは気が引けた。そして何より彼女の力になりたかった。委員長には普段から世話になっている。

「じゃあ、とりあえずやってみるか――」

 僕は椅子から立ち上がりホワイトボードの「第6回オカ研戦略会議」を消して、代わりに「第一回 竜髯高校睡魔事件対策本部」と書いた。

「……ネーミングセンス」

「もうちょっと、こう、なかったんですか?」

「とっさに適当なのが思いつかなかったんだよ! 他に何かいい名前があったら変更するから言ってくれ。じゃあ、始めるぞ。何かこの件で特徴というか、不可解な点とかってありますか? ほとんどの生徒が眠くなるっていうこと以外で」

「……眠いのは……学校にいるときだけ」轡が呟いた。

「あ、俺もそれは感じる」僕はホワイトボードに轡の意見を書き込んだ。

「せんぱいの場合、単に授業に集中してないだけじゃ……」遠藤がいぶかしげにしている。

「……学校だと座ってるとすぐ眠くなるのに……家で宿題しているときは眠くならない……他の人もそんなこと言ってる」

「でも轡さん、部室で本読んでるときは寝てなくない?」

「……読書は別腹」

「そういうものなのか? とにかく、この異常な眠気は校内に限定されるってことか。そうなるとたしかにオカルト臭いな」

「……地縛霊の仕業」

「学校に巣食う地縛霊? 生徒を眠くさせたところで意味ないような気がするけど」それに地縛霊なんていたらさすがに僕でも気付く。

「他に何か気付いた事ある?」僕が尋ねると二人は黙ってしまった。そもそもこの事件に関してそんなに情報が出回っているわけではない。

「この件について詳しそうな人がいれば何か情報をもらいたいけど――誰かいそう?」

「……ひとりいる」轡がおずおずと挙手した。

「誰?」

「……保健室の大川先生」

「ああ、なるほど」

 授業中あまりに眠くてどうしようもなくなった生徒は、最終手段として教師に具合が悪くなったと申し出て保健室へ駆け込む。以前であればこういった「病人」がたまに出たところで特に問題は生じなかったのだが、ここ最近は保健室のベッドが満床になってしまい本当に必要としている生徒にいきわたらないという事態が起きていた。とにかく大川先生なら色々な生徒を診ているだろうから、少なくとも僕たちよりは情報を持っているはずだ。

「それじゃあ大川先生に話だけでも聞いてみようか」

 二人から特に異議は出なかったため、善は急げということで僕たちは保健室へ向かった。

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