私が天然記念物になったあかつきには
人間が天然記念物に指定されたっていいじゃない!
「天然記念物に指定された暁には」(漫画原作)
※一行の空きがコマの区切りのイメージ(適当)
※()の中はコマの中のイメージ
<第一話:「スーパードジっ子vsスーパー天然アスリート」生徒会長選挙対決>
説明しよう。
これは人類として初めて日本で天然記念物に指定されるために、人々が奮闘する物語である。(カモシカ、イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、オオサンショウウオ...のシルエット)
18世紀の産業革命以後の近代化に伴い自然の破壊が進んだことにより、世界では自然保護の動きが高まった。 「天然記念物」という用語は、ドイツの博物学者であるアレクサンダー・フォン・フンボルトが1800年に著書の「新大陸の熱帯地方紀行」にNaturdenkmalを用いたのが初めてだとされている。(学者のシルエットと大きく「天然記念物Naturdenkmal」を配置しながら説明)
日本で、国が指定する天然記念物は「文化財保護法」に基づき、文部科学大臣が指定する。天然記念物に指定されたものは、文化庁長官の許可がなければ、採集したり、樹木を伐採したりできないような規制がかけられる。(文章と単語強調)
今まで、天然記念物は「動物、植物、地質鉱物および天然保護区域」であったが、急激な少子化に伴い、ここにあらたに「希少な人類」という項目が付け加えられることになった。(文章と単語強調)
つまり!天然記念物に指定されれば、一生の安全な人生が国から保障される、最高の待遇が得られるということだ!(文章のみ)
そのためには、全国の厳しい競争を勝ち抜き、最終的には国から指定を勝ち取らなければならない(勝ち抜きを表すイラスト)
(場面転換:よくある生徒会長立候補演説の場の体育館内)
「ではただいまより、〇〇中学の生徒会長選挙演説を始めるよ!!!選挙の勝者はグッと、天然記念物指定に向けた学校からの推薦に近づく!!いったいどちらが天然記念物と呼ばれるにふさわしい生徒会長であるのか!!!(実況)
「まずは、自他ともに認めるスーパードジっ子!!誰もが守りたくなる学校のマスコット的キャラクター!!!「なんでいつも足元に滑るバナナが?」でおなじみの、『TOSHIKO』!!!!!」
「は、はいっつ!」
(立ち上がり、階段かけあがる女の子、最上段でこける。恥ずかしがりながらペコペコ。)
「いきなり裏返った返事に、こけるという期待を裏切らない先制攻撃だぁ!!」(実況)
「えー、『TOSHIKO』です!」(マイクがキーンとなって、あたふた。手元の紙をマイクの前に広げるが、マイクの横においてあるコップをこぼしてしまう。ガーンという表情)
「せっかく用意したのに...水で文字がにじんで読めません...」
「おっとー、さっそくハプニング発生だぁ!!一体誰だーあんなドジっ子の手元にお水を用意したのはー!!!」(観客席の中でとしこのトモダチが隠れてピース)
「私の夢は!!」(大声)
「天然記念物に指定され、ドジっ子を誇りに思えるようになることです!!!」(開き直って、目をつぶりながら力説)
「そして、学校の、そして日本全国にいるドジっ子のみなさんにその思いを届け、ドジっ子が素のままで生きられる社会にします!!!」
「思えば、今まで、いろんな辛い目にあってきたし、たくさんの人に迷惑をかけてきました。」(回想:バナナに滑ってこける、スイカのチャージが無くて怒られる、テストで解答欄ずらしていた等)
「その思いを良い思い出にすることこそ、迷惑をかけたみんなへの恩返しになると信じています!!」
(口笛、拍手の中退席)
「では次に、わが学校が誇る、天然アスリート!!!誰にも負けない脚力を武器に、様々なスポーツを総なめしつつ、学力テストでも満点を連発!!!まさに天才!!奇想天外!!誰も、彼女には追い付けない!!「SHIMURA」!!!
(ステージの下からポーンと飛び上がり、もう一回跳ね上がり一気にステージの演台の上に降り立つ。カッコいい短髪のイケメン系女子。会場はシーン)
「どうも『SHIMURA』です。」(演台の上のマイクにまたがって立ったまま)
「…自慢の脚力をいきなり見せつける!度肝を抜くパフォーマンス!!!これが『SHIMURA』だぁあ!!!」(実況、湧き上がる歓声、盛り上がる生徒たち)
「私は、運動能力ではだれにも負けない自信を持っている。勉強も大体の人よりはできる。」
「だからこの学校の生徒会長として、文武の両面から全国に名をとどろかせるつもりだ。みんな!力を貸してくれ!!!」(大きく拳を突き上げながら)
(一気に盛り上がる観客)
「さあーここで二人がステージに出そろいました!!ここから討論タイムに映ります!!」
「観客からの質問などをきっかけにしながら、討論していただき、存分にアピールをしてください!!」
(観客のモブが挙手)
「はい、はい!!!TOSHIKOはいつからそんなにドジっ子だったんですか!」
「えっ、えーと...記憶があるときにはもうバナナの皮で滑っていたんだけど、お母さんによると生まれる瞬間から本当ドジで、まだ頭しかでてない時に勘違いして産声を上げて助産師さんを慌てさせてたりしてたそうです...」
「これが生まれながらしてドジっ子の資質かああ!!!」(実況)
「ふん。なんだそれ。私なんか、生まれたと同時に立ち上がり、台から飛び降りて無傷で地面に着地したんだぞ。」(その後、大泣きしたことは内緒だがな。。。)
「こちらも生まれながらの天賦の素質!!まさに伝説ぅ!!!」
「お前のドジは、周りに迷惑をかけているにも関わらず、それにさらに甘えたいといいのか?」(SHIMURAがガンをとばす)
「おっとここで、SHIMURAからの強烈なアッパーがTOSHIKOを襲う!!!」(実況)
「甘えてなんかない!!これは本人にはどうしようもないんだもん!!疫病神がついちゃっているの!!あなたみたいに思っている人が私達を傷つけるから、ドジっ子に対する保護が必要になるの!」
(観客から男を中心に野次、「そうだそうだ!!」「おれらがTOSHIKOを守るよ!」ファンクラブぽい集団)
「逆に、SHIMURAさんなんか保護が必要ないよ!自分一人で活躍して、お金一杯もらって、豪華な暮らしをすればいいじゃない!」(TOSHIKOが反論)
「私みたいな、天に愛された身体能力を持っている人こそ、後世に残すべく認定されるべきだ!貴様のようなドジっ子など保護する価値などない!!」(SHIMURAの反論)
「両者白熱の議論となっております!!」(実況)
(白熱の議論をしているコマ)
「ここで議論タイム終了!」(カーン)(実況)
「いよいろ投票タイムにうつります!!投票は生徒だけでなく、先生からも行われます!まさに学校の運命を決める、大事な、大事な投票となるのです!!」(実況)
「男性陣をメロメロにして、圧倒的な支持を取り付けるTOSHIKOか!!!!」(実況)
「女性陣からもモテモテ!!先生もすでに認めているSHIMURAか!!!両者の勝敗はいま、この箱に入っている投票用紙に委ねられた!!!!」(実況)
(玉入れの時のように、投票用紙を一つ一つ読み上げて観客に投げ入れる方式)
「まず、注目すべき第一票目は!!!」(実況)
(会場シーン)
「SHIMURA!!!!!!!」(投票用紙が観客側に投げ込まれる)(実況)
(盛り上がる会場、そして次の投票用紙が開かれる)
「次はTOSHIKOに一票だあああ!!!まさに互角の勝負の予感!!!」(投票用紙投げ込まれる)(実況)
(繰り返し)
「ここまで、全くの互角の勝負が繰り広げられています!!!投票用紙は99対99!!!残りは2枚!!!!果たして軍配はどちらに!!!」(実況)
「TOSHIKO!!!!」
「SHIMURA!!!!」
(ひとりずつ名前が書かれた紙をアップに)
「なんと!!!まさかの同票!!!生徒、先生併せて200人もいる中でまさかの同票!!!こんなことは見たことがありません!!!」(実況)
(ざわざわ。。。観客の中でこの場合どうなるんだ?とざわめく)
「えー、みなさんこんにちは!選挙管理委員会です。ただいま同票となりましたのであらためてわが学校における投票規則を読み上げ、説明させていただきます。」(メガネの人が実況席へ)
(観客がごくっ)
「選挙規則第3条。生徒会長立候補選挙は全校生徒、先生による投票により、一番多く票を獲得したものが選出される。同票の場合は、唯一投票をしていない校長の一票に委ねられる」
(観客がはっと、校長の座る体育館の横を見る)
「では校長先生、最後の投票をお願いいたします。」(選挙管理委員会)
校長
「ほっほ、まさかわしの一票で決まる日がくるとは」
(ゆっくりと立ち上がり檀上にのぼり、マイクに辿りつく)
「だがお前さん達、盛り上がっているところ悪いが、何か勘違いしとらんか?」
「学校から推薦するのもそうじゃが、国から指定される指定される「天然記念人物」は男女の二人組じゃぞ?そうしないと、真の意味で後世に残すことができんからの!ふぉっふぉっ」
(会場の「えっ?」という雰囲気)
「お前さんたちのどっちかが男じゃったら両方選んでちょうどよかったのにのぉー」
「なんとここで重要な事実が発覚ぅ!!!!」(実況)
「生徒会長として推薦されるのは一人ではなく、なんと一組の男女ペアだったぁ!!!」
「つまりじゃ、どちらも現時点では要件を満たしておらんわけだ。」
「そこでわしは考えた。より己にふさわしい男を見つけたものを勝者とするとな!!!」(目をかっとひらいたじいさん校長)
一話目終了
「まさかのここで再勝負?次話、天然ペア爆誕!!」
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