朱乃駅前大量殺人事件
西暦2032年――日本 首都 東京
機械に溢れ、自然と別れた都市の、交差点。
普通であれば人の気配がうるさい交差点は、その場にいない存在によって、血の海へと変えられていた――――
「大変なことになりました!朱乃駅前の交差点にて突如刃物を持った男が暴走、十数人を切りつけ殺害した後、警官に確保された模様です!」
ヘリに乗ったカメラマンが、上空から多くの死体を映す。死体を写すのは放送倫理に反しているが、この時代、こんな事件が起きてしまっては、映してしまっても仕方がない。後から視聴者のクレームが殺到するだけだ。
そんなうちにも地上では事が進んでいく。
「ただ今、警官が犯人をパトカーへと……!?」
その瞬間、中継をしていたキャスターは言葉を失った。犯人を連れていた警官が、頭を揺らし、その場に倒れたのだ。頭からは血が流れ出ている。
「な…なんということでしょう!警官が何者かに狙撃されました!犯人は警官のいない道を逃走していきます!」
指示を仰ぎ、犯人の行方を写そうとするカメラマン。しかし彼の目に写ったのは―――
「ら、ライ…フル……?ッ」
パシュン。
男の頭が大きく揺れる。
眉間を撃ち抜かれたカメラマンは、まもなくただの肉塊へと化した。
キャアァァァァ―と。
叫ぶ女の声だけが、暗闇となった大型ビジョンから響き渡る。
ある真冬の日の、悪夢の始まりであった。
拙さレベルMAXですいません(-_-;)