表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地を這う魚  作者: ふかふか
7/17

8日目

8日目 晴れ


今日は特に何もしなかった。というより、何もできなかった。


強いてやっていたことを挙げるならば…

体力の消耗を最小限に抑えるために、息を潜めて蹲っていたことぐらいだ。


今日私がまともに動いたのは、ついさっきこの日記を書こうと這いずったときだけだろう。


佳澄ちゃんとの会話も一切ない。恐らく彼女には会話できる分の気力さえ残されていない…。


彼女を…たった一人の親友を、何がなんでも助けてやりたいが、自分のことで手一杯で何もしてやれない。


これが無力感というものか。


壮絶なまでの絶望的な感情が私の心を染める。痛い。辛い。苦しい。悲しい。


今思えば…

漂流したばかりの頃の私は、余りにも楽観的すぎた。


せめて椿が居てくれれば、ここほど危機的状況にはならなかったかもしれない…。今更後悔したところで無意味なことは理解しているのだが……。



自分から勝手に逃げた癖に、危機的な状況になったら椿に助けを乞うなど、なんて虫が良い話だ。


…それより、椿はまだ生きているのだろうか。

まぁ、あいつは不良のような見た目だが、意外に思慮深い男なので、私たちよりは圧倒的に有意義な生活をしているんじゃないかと思う。


どうせ私たちのことも覚えていないだろう。




椿…助けて……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ