2/7
威力
グルルル…と唸り声を上げながら姿を現わす。
見るほどおぞましく思えるその姿だが、昔はかなり良い姿をしていたらしい。
…ではなぜ封印されたのか。
そんな疑問が頭に浮かんでくる。
と、竜がブレスを放ってきた。
火力が凄い。一息かかっただけでも致命傷だろう。
翼をすぼめ、落ちるようにそれを避ける。どうして私に当てようとしたのだろう?
急いで周りを見渡すと。やっぱり。
私以外生きている者がいない。
土砂崩れのせいだろう…。
もしかすると竜は土砂に魔力を込めて、火力を上乗せしていたのかもしれない。
まあ吐息で1発だろうが。