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あーかい部! 49話 落語

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「ひいいぃ、丸ぅい饅頭だぁ、怖いよう!」


「……。」


「あむっ、あむっ!これは……甘くて、なんとも……怖え!?」


「……。」


「俺ぁ、熱ぅいお茶が怖え。」


「……。」


「どうも、ありがとうございました〜。」


「……ねえ、


「あ!白ちゃん先生、こんにちは。」


「ええ。ねえあさぎちゃん、さっきから1人で壁に向かって……何してるの?」


「落語です♪」


「ああ、うん。『饅頭怖い』は有名よね。」


「そうですね。」


「それはわかるんだけど……何か悩みでもあるの?」


「?」


「『?』じゃないのよ、落語の壁打ちなんて側から見たら下手なホラーより怖いのよ。」


「まあ、『怖い』話ですからね。」


「『饅頭怖い』につなげんでよろしい。」


「ホラーから饅頭『怖い』に誘導するなんて……まさか、白ちゃん先生に噺家(はなしか)の心得が……!?」


「ないない。どうしたのよ、急に落語なんて。っていうか最近あさぎちゃんのキャラが迷子じゃない?」


「そうかも……?」


「無理にとは言わないけど、話してくれたら嬉しいな。」


「それではお客様のご期待にお応えしてもう1席、『附子(ぶす)


「そっちの噺じゃねえっ!?」


「そう……ですか。」


「なんでこっちが悪いことしたみたいな空気になってるのよ……。」


「?」


「あさぎちゃん落語家にでもなりたいの?」


「いえ、別に。」


「それでさっきの堂々たる話っぷりって、凄いわね……!?」


「えへへ///」


「褒めとらん褒めとらん。……で?落語やってるきっかけとかあるのかしら?」


「……。」


「まあ、無理に話……言えとは言わないけど。」


「えっと……楽しい人になりたくて///」


「楽しい人?」


「モーラさん、みたいな……?」


「…………あ〜、なるほど納得したわ。確かにあの子といたら退屈なんてさせてもらえないものね。」


「はい。激辛ソース焚いて涙目でうちに避難してきたり、昆虫ゼリー食べさせられたり、サメ映画オールナイトしたり……モーラさんが引っ越してきてから毎日が楽しくて……♪」


「やっぱあの子いっぺんシメた方がいいわね。」


「シメたりなんかしたら、モーラさん化けて出てきちゃいますよ?」


「そんな幽霊じゃあるまいし…………はっ!?


「『幽霊』といえば


「いやもういいから


「そんなぁ、あと1席、見てってくださいよ?」


「そうやってあと一席、あと一席……って、キリがなくなるでしょ?」


「正に『枚挙にいとまが無い』と?」


「え?枚挙?」


「『枚挙』、即ち一つ一つ数え上げること。『枚挙にいとまが無い』とはそんな暇もないほどものがたくさんあるって意味です。」


「へぇ〜。」


「そしてそして、一つ一つ数え上げると言えば……時は江戸!かの有名なお屋敷の下女、菊という女は使える主膳の大切な皿を割ってしまい井戸に身を投げた!


「お菊さん?あ、もしかして


「それからというもの、菊が身投げした井戸からは夜な夜な皿を数える不気味な声が聞こえてくるんだと。」


「あ!やっぱり……!」


「それではみなさんご拝聴、


「え、みなさん……?」


「始まるぞ?」


「待ってましたぁ〜。」


「ひいろちゃん、きはだちゃん!?いつの間に……。」


「『皿屋敷』!」



いつの間にか同席していたひいろときはだを交え、この日、あーかい部では人知れず落語が公演された……。






あーかい部!(4)




あさぎ:投稿完了


白ちゃん:よ!青野亭あさぎ!


あさぎ:それじゃあミドルネームです


きはだ:青野・T・あさぎ


ひいろ:一気に外国感出たな


白ちゃん:どんどん落語家から遠ざかっていくわね


あさぎ:目指してないので別にいいです




ひいろ:ワタシときはだが来る前から演目やってたんだな


きはだ:聞きたかったなぁ……


あさぎ:そんな大層なものじゃないけどね


きはだ:またやってぇ〜


あさぎ:考えとく


ひいろ:お、賢者モードか


あさぎ:文字に起こしたらそんなに面白くなかった……///


白ちゃん:それで『皿屋敷』はカットしてるのね


あさぎ:ちょっと短かったですかね……?


白ちゃん:いいんじゃない?短くて

白ちゃん:反省文じゃあるまいし


きはだ:さっすが白ちゃんわかってるぅ〜♪


ひいろ:でも絵日記レベルの字数はダメだぞ?体裁があるからな


きはだ:出たな日本の悪しき伝統


白ちゃん:何言ってるの、体裁って概念が無かったらそもそもあーかい部はできてないのよ?


あさぎ:黒いなぁ……


きはだ:白ちゃんBLACKだぁ


白ちゃん:お前を食ってやろうか!

白ちゃん:じゃないのよ


きはだ:安易ですねぇ2点

あさぎ:捻りがない2点

ひいろ:もう少しユーモアが欲しいな3点


白ちゃん:なによ!?全人類があさぎちゃんみたいに面白え女じゃないのよ!


ひいろ:空欄を埋めなさい

   オラ、ワ○ワ○すっぞ!


白ちゃん:ワクワク……?


ひいろ:はぁ……。あさぎ?きはだ?


あさぎ:オラ、わ『クワ』……っ、『クワ』……、


きはだ:あ!正体を現したな!


あさぎ:おのれ白ちゃんマンめ!


ひいろ:ここまでやらないとな


白ちゃん:なんでそんな古いネタ知ってんのよ……


あさぎ:落語よりは新しいですよね?


白ちゃん:う"っ、


きはだ:お後がよろしいようで

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