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踏み鳴らす音律

「カズキよ、俺のまねできるか」


船の一段高い座面に腰掛けながら、トーラムは左右の片足を一回ずつ踏み鳴らし、一拍両手で叩く。

右足、左足、拍手一回。右足、左足、拍手一回。

ドン、ドン、パン。ドン、ドン、パン。聞き馴染みのあるリズム…。


海の真ん中で、Weはウィルなロックユーをするのか?!


「ずっと続けていてくれ」

そういうと、トーラムは腰から下げていた袋から小さな弦楽器を取り出した。


「うわあ可愛い!」

小さいヴァイオリンのような見た目の楽器を構えて、トーラムは何かを一言唱えた。

そして、


ゔぃーーーーーー… 、


ヴァイオリンというよりは胡弓に近い音色が響き渡る。聞いたことがあるかもしれない旋律。

伸びやかでいて少し乾いた、まだ見ぬこの暑い異国の風景を想像させるような。

海のエメラルド、カラリとした暑い空気、眩しい太陽、風が運んでくる塩の香り。これから出会うかもしれない漁村の景色まで見えるような気がする。


トーラムが音に声をのせる。


おお ナルヴィーシュ 海を定めし偉大なる神

あなたは慈悲を持って 怒れる水を鎮め、生命を与える

あなたは豊穣を広げ 調和と恵みをもたらす


深い感謝と 賛美の言葉を捧げます

あなたの慈悲が 我々をお守りくださいますよう

あなたの波が 災いを遠ざけてくださいますよう






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