たどり着いたのは海
「海だ……、え、海?!」
見渡せば、南国リゾートかと思うほどの美しい海とサラサラの砂浜。
「そうだ。あんた、どっかの船が難破して、流されてきたのかい?」
「いや、えっと、川から…」
「川!?そんなまさか。沐浴はするだろうが、流されるバカはいないだろうよ。」
カカカ!と快活に笑うおじいちゃんは、年齢に反して、なかなかたくましい体躯をしている。漁師と聞いて納得した。この海岸で倒れていたぼくを見つけ、急いで船を寄せて降りてきてくれたらしい。
あれ、ぼくはどうなったんだっけ。
川で溺れた子供を助けようとして、自分が流されて…流されて、海まで来ちゃった?
「あの、ここは、どこですか?」
「ここはコルヴィジャーマトゥラーヴァリさ。」
「え?」
なに?
「えっと…日本のどの辺りですかね…?」
「にほん?それは町の名前か?」
まさかぼくは、日本を越えて海外の海に流れ着いてしまったのか。そんなばかな。
「この国の名前って、なんですか…?」
「サラトラーヴァ・ヴァルジャーラだが」
知らない国だ。言葉の響きは中東っぽい感じがするけど。
「地球儀でいうとどこらへんでしょうか…?」
「ちきゅうぎ?」
「この、僕たちがいる場所をずっとずっと空の上から、宇宙から見たとして、地球がまんまるの形になってるじゃないですか」
手で丸い形をつくりながら、おじいちゃんに説明を試みる。
「あんた、変わった考えだな。わしらがいる星のかたちは確かに丸い形だが、ジャイタミの菓子みたいに平らな円盤で、9つの大陸と9つの海があると、教わったもんだが…」
ここが異世界だと理解するのに、そう時間はかからなかった。
ジャイタミのイントネーションは、ジャイ↑タミ↓です。
×洋梨 公道 洞窟 灯籠
⚪︎たんぽぽ ハンサム 中毒 天竺
みたいな