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親戚の再婚で増えた身内が推してるアイドルだった件  作者: 一之瀬葵翔
第5章:地下アイドル、はじめました。
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ありがとうって伝えたくて

随分とご無沙汰しておりました。

最後の更新以降職場のコロナ関係で忙しく、年明けも別件で動いたり、仕事の方で部署の異動や資格取得、スランプなどでなかなか書けず…。

「愛依子さんがあんたに話あるんだって。ちゃんと聞くのよ?」


 その一言に俺は少し身構える。

 俺と藍那は親戚になった。でも元々の出会いはアイドルとオタク。

 そこらへんを知って事情聴取されるか、もしくは…。

 そんな悪い想像をしながら俺はリビングへと向かった。


「それで、話なんだけどね…」


 きた。


「…ありがとう。あの子を女の子にしてくれて」


 …えっ?なにそれ?どういうこと?

 愛依子さんの横に座った母さんがてめぇ手ぇ出したんか?!

 なんて目で見てくるけど全く心当たりがない。

 もしかして、藍那に彼氏いるの?その人と勘違いしてる?

 心穏やかでない単語に心臓の鼓動が倍くらい早くなる。

 ていうかちょっと待って? 娘さんに手を出されてお礼言う母親っているの?


「ちょ、ちょっと愛依子さん!も、もしかしてうちの魁人がお宅の藍那ちゃんを傷ものに…?」


 焦りながら母さんが愛依子さんにそう聞く。

 いや、待ってくれ。推し相手にそんなことなんて…したいけど!

 したいけど、付き合ってないし!

部屋で一緒にいることはあっても、2人で出かけることさえしてないから!


「…あ!今のは私の言い方が悪かったですね。傷ものになんてそんなことはないですよ?むしろ魁人くんなら藍那と付き合ってても許すって瑛二郎さんだって言ってますし。私がお礼を言ったのは、魁人くん…、あなたのおかげで藍那が年相応にわがまま言ったり、欲しいものを欲しいって言えるようになったってことなの」


 …あっぶねー!そういうことか!

 あらぬ疑いをかけられて変な汗が止まらなかったけど、これで安心だ。


「前の旦那がまだ藍那が小さい頃に亡くなってね。母子家庭でずっと過ごしてきたから、あの子は小学校の5年生かな?そのくらいから遠慮がちになってね?何か欲しそうにしててもいらないって言って」


 確かに藍那は人に気を遣う部分があったと思う。デイジーとして、物販で話す時に何回かそんなに気を遣わなくてもいいのに。って思うことがあった。それがこういう理由だったとは…。


「それがアイドルやるって言って、ライブに出たりするようになってから変わり出したの。自分でお金を稼いで、それで欲しいものも買える。私に迷惑をかけないからっていうのもあるかもしれないんだけど。それでもここ最近、そうね、始めて会った法事の時かな?そのあたりから魁人くんのことをよく話すようになって。何かあると魁人に聞こうとか、魁人なら何とかできないかな?とか。同年代であの子のことをちゃんと受け止めてくれる子ができたんだなぁ。それが初めてできた同年代の親戚なんだなぁ。そう思ったら1回ちゃんとお礼を言っとかないとって思って」


「ああ、いえ。俺も藍那のおかげで変わった部分ってありますし。…けっこうね、藍那がわがままっていうか。遠慮なしに来てくれるのって俺としても嬉しいんで」


 これはマジで思う。

 デイジーとしてのあの子しか知らなかったら知ることがなかった一面はオタクとしても嬉しいし、新しく身内になった子ってこんな子なんだ、ってお互い理解し合えるのもいいことだよなって思う。


 だから俺は愛依子さんにこう言った。


「俺でよければ全然受け止めますし、女の子でいられる居場所が俺だっていうなら、そうあるようにしますよ」


 …うわ、言った後でなんかちょっと恥ずかしくなってきた。


「…あんた、どこでそんなセリフ覚えてきたの? ちょっと引くわ」


 やめて、母さん。自分でもそう思ってるんだから。


「うん、ありがとう」


 愛依子さんが笑いながら俺にそう言うと、頭を下げる。

 慌てて俺も頭を下げ返すと、母さんがとんでもないことを言い出した。


「あ、そうだ。いつまでやってるのかわかんないけど、遅くなるんでしょ?女の子たちみんな泊まってってもいいわよ?スタジオに空気入れて膨らますベッドあるし、ブランケットや毛布も家から持っていけばいいわ。エアコンずっと付けてたらそれで十分でしょ」


 …何言ってんのこの人???

あ、別件についての1部ご報告です。

ASMRなどのシチュエーションボイスの台本を書かせていただきました。

今後継続して、夢喰いゆんさんという方に書き下ろししていくことになると思いますので、小説とは違った一之瀬の活動の1部。

ご興味あればぜひ夢喰いゆんさんのYouTubeチャンネルで探してみてください笑

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