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親戚の再婚で増えた身内が推してるアイドルだった件  作者: 一之瀬葵翔
第5章:地下アイドル、はじめました。
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え、聞いてない

「さあ、魁人!私達と契約して、このスタジオ貸してよ!!」


「あの…、なんていうかその…」


「いきなりごめんな?こんな話しちゃって」


「うちの最年少がホントにすいませんでした…」


「本人にもちゃんと言い聞かせるから…今回はなんとか…」


 19時の集合時間よりも30分ほど早く、ロスヴァイセたちは魁人の家のスタジオに集合した。

 ちょうどスタジオの明かりをつけて、軽く掃除をしていた魁人に向かって、開口1番藍那がそう言うと。

 瑠菜、絵梨、璃紗、あやめの順番で謝罪をする。


「ああ、そんな謝らなくてもいいですから!みなさん、頭上げてください」


 ロスヴァイセの大人達(藍那以外)が揃って頭を下げる様子に、慌てて魁人は声をかける。


「ホントにごめんなさいね。新しいスタジオどうしようか、なんて考えてたら、藍那(この子)がいきなり明日魁人にスタジオ貸してって言いに行くわよ!って言ってくるもんだからびっくりしちゃった」


「いや、なんかうちの親には話通してたみたいなんですよ。それで最終的に俺が対応することになるから、俺がいいって言ったら貸すって話になってたみたいで。俺も昨日藍那が家に来てなかったら全然知らないまんまでした」


「そりゃ私達もこのスタジオ使えたらな、なんて思ったりしたけどね。営業してるスタジオじゃなくて、あくまでおうちの1部じゃない?流石にどうしても、って時以外では頼めないかな~?って思ってたんだけど」


「恐ろしいのは10代の行動力…。それとも親戚だからって遠慮のなさ?」


「黙ってここまで話進めるとは思ってなかったんだよ」


 むふー!と鼻息荒く、机やついたてをセッティングする藍那を横目に、あやめと魁人、璃紗、瑠菜、絵梨が話す。


「なんつーかまぁ。俺も俺で色々やらなきゃいけないんで、そこだけ外れてれば貸すのは吝か(やぶさか)ではないんですけどね」


「え?じゃあ貸してくれるの?」


「とりあえず条件次第ですよ。藍那は専用とか言ってましたけど、それは絶対無理で。現実的な話、週何回、どれだけの時間借りたいとかそういうのも全然聞いてないんで」


 完全にNGが出ると思っていたが、前向きに検討してもらえそうで少し驚いたあやめ達であったが、最年少(藍那)のとんでもない発言にさらに驚くと同時に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「ほんっとうにごめんなさい…」


 今の4人にできるのはそう言って頭を下げることだけだった。


「ああ、全然。そうだ、今日は何時までやる予定です?藍那から聞いてると思うんですけど、そろそろ同級生がくるんで。その子に色々教えてもらってからだから、やっぱり遅くなります?明日珍しく週末でライブない日ですもんね。日付変わるくらいまでなら付き合えますよ」


 魁人のその言葉に、訝しげな表情を浮かべる4人。

 その表情を見て、えっ、まさか…聞いてない?と冷や汗を垂らす魁人。

 次のあやめの言葉にその予想は現実だと知る。


「ごめんね、魁人くん。魁人くんの同級生に色々教える?ってどういうことかな?」


「おい、ちょっと。ちょっと待ってな?え?今日って魁人にここ借りて練習させてもらえるよう話し合いしたあとに、ついでに今日は特別に貸してもらうって話だろ?」


 あやめが戸惑ったように魁人にそう尋ねると、絵梨が慌てながら残り2人に確認するように顔を向ける。

 それに璃紗と瑠菜はうんうん、と頷く。


「ああ、だいたいそんな感じです。昨日、俺のところに地下アイドル始めたいって同級生が来てて。この話を聞いた時に一緒にいたんですよ。その時に藍那がその同級生も一緒でいいから、話終わったら練習させてほしいって」


「え、聞いてない」


 魁人の説明に思わず璃紗が呟き、なんともいえない空気になる。


「準備かんりょー!これであとは着替えるだけでおっけー!」


 そんな中で藍那のこの声がスタジオに響くと、あやめは静かに怒りながら藍那を呼ぶ。


「…ねぇ、藍那。ちょっとこっち来てもらえる?」


「なに~?魁人がダメって言ったの?」


 何も知らない藍那が、見当違いなことを言いながら5人の元へ行くと、あやめ達が静かに怒ってることに気付く。


「え?みんな怒ってない?魁人が何か変なこと言った?」


 少し怯えたように、恐る恐る藍那が聞くと。


「ねぇ、今日って私達以外に誰か来るの?」


「それで、一緒に練習するんだっけ?」


「ていうか地下アイドルになりたいって魁人の同級生だから、一緒に練習っていうか。色々教えることになるよな~?あっれれ~、おっかしいぞぉ~?」


「私達、み~んなね。その話聞いてないんだけど…、どういうことかしら?」


 瑠菜、璃紗、絵梨、あやめがじりじりと近付きながらそう言うと、藍那はそこで気付く。

 あっ、そういえばこの話するの忘れてた、と。

 にこやかな笑みとは裏腹に鬼や般若のオーラを浮かべ、近付いてくる4人に対して藍那は。


「さーせん、言うの忘れてました~!!」


 と体育会系のノリで頭を下げて謝るのであった。

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