それどこの地下アイドル?
バタバタするかと思いきや、そんなこともなかったので珍しくお昼更新です笑
「ひぃ…大変な目にあった」
「お疲れさま、魁人くん」
現在昼休み。付き合ってるのかよ!という追及に2人揃って否定のコメントを出したことで、騒動は若干沈静化。スマホゲームのオフ会に参加してみたらたまたま遭遇して、芽依がクリアできない難しいクエストは一緒にやるって約束をしたから昨日は声をかけた、というつじつま合わせでなんとか誤魔化した。
なお、そのゲームのタイトルを聞いて、慌ててダウンロードする男子が何人もいたとかいなかったとか。
芽依との約束通りにドル研の部室で一緒にごはんを…、ということで部室に向かおうとした魁人。
教室を出ようとすると話したこともないクラスメイトから
「清水、佐々木さんとメシだろ?2人きりで変な空気にならないように俺達も一緒にメシ食ってやんよ!」
と複数連れ立って声を掛けられるが、確実に芽依目当て、かつ込み入った話もできないため断る。
すると後ろをついてくるではないか。
部室の鍵を持っているのは自分で、芽依を待たせるわけにはいかない。
そう思って、廊下を走り出すと、全員が追い付こうとそれに合わせて走る。
その様子をたまたま近くにいた生徒指導の工藤先生が発見。
魁人以外は全員生徒指導室に連行されて、無事たどり着いたというわけだ。
「佐々木さ…」
「ささめ」
「ささめさんとメシ食いたいから、簡単に引かないとは思ってたけど。言葉のやり取りじゃなくてあと付けて無理矢理部室に入ろうとしてくるとは…」
「別に誘ってくれたらお昼くらいなら付き合うんだけどね」
「じゃあそれ言っとくよ」
「うん、1日1組限定で、40分3000円って言っといてね」
笑ってそう言う芽依。それに釣られて魁人も笑う。
「それどこの地下アイドルのレギュレーション」
草生える、といった表現がぴったりな笑い方で魁人がそう答えると対照的に芽依は穏やかな笑みを浮かべる。
「ふふっ、目の前にいる地下アイドル(仮)のレギュレーション?だよ」
「確かに」
そこから午前中どうだった?などたわいもない話をしながら昼食を摂る2人。
そろそろ昼休みが終わるという時になって魁人は気付いた。
「あれ?アイドルの話、全然してなくね?」
「…あっ、そうだ!言われてみれば全然してなかったね。でも、まぁいいじゃん。夕方にゆっくり話そ?」
「そういや帰りそのままうちに来るんだよね?」
夕方と聞いて、そこらへんの最終確認をしたかった魁人。
もし、やっぱり1回家に帰るって言ってくれたら追加で部屋の掃除ができる、そんな淡い期待も込めて聞いてみると、芽依はこう答えた。
「いつもバイトの時は学校から直接バイト先行ってるからさ。今日もそのままお邪魔しようかな~、って思ってたんだけど。やっぱ1回家帰るね。準備したいものもあるし」
天運、我に味方せり!!
急いで家に帰って、部屋の掃除をしておこう。そうしよう。
そう密かに決心した魁人だが、芽依の次の言葉でそれを阻止される。
「でも駅までは一緒に帰ろ?確か魁人くんも電車で来てるよね?それでさ、駅で1回別れた後、魁人くんの最寄り駅で待ち合わせってどうかな?」
なんてこった!だがしかし、駅からダッシュで帰ればどうにかなる!
地下アイドル(仮)とはいえ、可愛い女の子と帰る機会なんてヲタクの身にはそうそうないイベント。
これを逃すわけにはいかない。
「あ、うん。じゃあそれで」
「だから朝言った通り、放課後は校門のところで待ち合わせね?」
「わかった」
話が終わったところでちょうど予鈴が鳴る。
そろそろ教室に戻ろう、そんな空気になって、部室から出ると悪戯っぽく芽依が笑う。
「ねぇ、私そういえば次、移動教室だから急がないとダメなんだよね~?」
「え、そうなの?」
「だから、いこっ!」
部室の鍵を閉めたばかりの魁人の手を取って走り出す芽依。
引っ張られるように走る魁人。当然それを周りは見ているわけで。
楽しそうに笑って走る芽依を見て、やっぱり2人は付き合ってるんじゃないか?
とせっかく沈静化した噂が再燃したのであった。
引き続き隔日更新で書いていきたいと思いま~す。




