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親戚の再婚で増えた身内が推してるアイドルだった件  作者: 一之瀬葵翔
第4章:偶像とはアイドルだけにあらず
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偶像とはアイドルだけにあらず

ギリギリにあげる癖やめたいです…←

「うわ、こいつ最悪。ファンやめよ」



 そう言って、ファン登録を解除する魁人。すっかり捜査にも慣れたものだ。

魁人がカトラリーを知って、約3週間。

 その間、魁人は色々な配信に顔を出して、学んだ。

 この世界も普段自分がいる地下アイドルの世界と良くも悪くも変わらないのだと。


 「何もしない」のにひたすら求めてばかりの人間。

 受けた依頼への責任感というものが全くなく、やる気がどうのと言って逃げ続けるのに報酬だけはしっかりもらう人間。

 仲間と共に夢を語っているだけで、夢に近付いていると思い込んでいる人間。

 などなど、いわゆる神対応、塩対応だけにとどまらずコンテンツを提供する姿勢や構成されている人間の性質まで変わらなかった。


「いやー、闇だわ闇」


 別にそれでもいい。ただ、喋っているだけなら。

 みんなと集まってたわいもない話をしたい、悩みを聞いてほしい。

 それだけならなんでもいい。自由だ。


 しかし、そこに他の欲が乗っかるのであれば「業」という意識を持たねばならない。

 ファンを増やしたい、アプリ内のギフトが欲しい、リアルでの欲しいものを誰か買ってほしい。

 電子マネーをもらって、好きなものを買いたい。

 そういった気持ちがあるのであれば、ファンに対しては真摯に向き合っていかなければ届かない。

 優先順位の低い、知り合い以下の関係性かもしれないが、その知り合い以下から「金を巻き上げている」自覚を持て。

 


 ロスヴァイセと出会って、変わったことでみゅー。こと逢沢美優もそれに気付き、だからこそ初めて配信に顔を出したあの日。デイジーやロスヴァイセ以外に目がいかない魁人にとってかなり珍しいことだが、「推せそう」と思えたのだ。

 

 ファンに向けて投げられる様々な言葉。

 みんなにとっても感謝しています。

 ファンのみんなを大事に思っている気持ち、伝わってますか?などなど。


どれも口だけでしかなく、本当の気持ちを感じられない。それもそのはず。

 結局のところ、地下アイドルも配信者もしっかりとした意識を持って活動している人間よりも、その肩書を名乗ることで「自分は一般人と違う」と思い込みたい。その利益を十分以上に享受したい。だが、都合の悪い時は「自分だってみんなと変わらない一般人だから」と逃げの口上をのたまう人間の方が多いのだから。

 だからこそ「ちゃんとした」人間はどこまででも上にいき、そのままの位置を保てる。

 その人達や多数の地下アイドル(笑)、配信者(笑)とは「違う」が故に面白がって今は人気かもしれないが、一線を越えた瞬間に手のひら返しで叩き潰される危なさを持った人間だっている。


 魁人がネットの何かの記事で見た「中途半端に影響力を持った一般人」という表現。

 それがぴったりだろう。

 それを盲目的に支えるファンもまた、地下アイドルのヲタクみたいなものだ。

 


 だとすれば…。ロスヴァイセにとって、別媒体での配信は、色々な企業とのタイアップ企画が行われているあの配信サイト以外はマイナスでしかない。

 現在のロスヴァイセが使っているSNSと連動された配信の内容をよくする方がいい。

 今でも十分楽しい配信、をしているから頻度をあげるだけでいい。

 いつもの仲間にも配信について聞いて、返ってきた答えも今のままでいい。が多かったのだ。

 答えは出た。あとは伝えるだけ。


「あっ、でもあれだな。ロスヴァイセのASMRはマジで1回聞いてみてぇや」


 スマホの充電器を繋ぎ、枕元に置く。

 そして、部屋の電気を消すとベッドに潜り込む。


「配信で仲良くなった人もいるけど、なんだろな。結局どっか違うんだよな、感覚が」


 そう呟くと目を閉じて魁人は眠りについた。

 翌朝目を覚まし、リビングへと降りると母から告げられた言葉に覚悟を決める。


「おはよう魁人。また金曜にね、藍那ちゃんとお友達が来るみたいだからよろしくね」

みなさん、いきなり寒くなりそうですが、お身体には十分気を付けてください!

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