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親戚の再婚で増えた身内が推してるアイドルだった件  作者: 一之瀬葵翔
第3章:自分なりの正しい資質(Right Stuff)
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楽屋トークは3人だけで

先月の大雨、皆さん大丈夫でしたか?

大雨の後で一気に仕事が忙しくなって、毎日バタバタしてました…。

遅ればせながら更新です。

「このあと次の出演者さんが終わったら終演後物販します!よかったら来てください。デイジー・ヴァルキリーfromロスヴァイセでした!!」


 そう言ってステージから楽屋へ帰っていくデイジー。

 ロスヴァイセのフリー化に伴って、その活動に制約がなくなったことでメンバー自身が思いついたこと。

 それがソロ出演の解禁である。

 今までメンバー2人以上のスケジュールが合わなかった場合はそのライブの出演を断っていたが、ソロ出演解禁となったことでオファーをもらったライブに対し出演できるメンバーで対応し、ライブの回数を増やすことができたのだった。

 ロスヴァイセは元々地下では人気がある方だ。それがフリー化、さらにソロ出演という条件付きながらもある程度の出演オファーに対応できるということで各ライブハウス、イベンターからのオファーが続々舞い込んできている現状である。

 そんな彼女たちの中でも人気のあるデイジー・ヴァルキリーの出演ともあって今回のライブでは小さい会場で、出演者数も少ないとはいえ動員数トップ、1人だけ2ケタ動員を成し遂げたのだ。

 その彼女を客席の後ろから眺める1人の出演者がいた。逢沢美優。


「はぁ……、すごかったな。デイジーちゃん」


 そう呟くと、自分も楽屋へと戻っていく。

 運が良ければ話ができるかもしれない。

 そう思うといつもより歩くスピードが少しだけ速くなる。


「お疲れ様でーす」


 一声かけて楽屋へと入っていく美優。

 中を見渡すと次の出演者並行物販のせいか人がいなく、中にはデイジーとロスヴァイセのリーダー、アイリスの2人だけしかいなかった。


「あ、お久しぶりです。確か…逢沢美優さんでしたよね?」


「トッパー(トップバッター)お疲れ~。ステージ見ててくれてありがとね。うちのファン達うるさかったでしょ?」


 美優に気付いた2人が声をかける。

 向こうから話すきっかけをくれたことに喜びつつも美優は慌てて挨拶を返した。


「あ、お久しぶりですアイリスさん。デイジーちゃん、今日のステージもめちゃくちゃよかったです!」


「ホントはロスヴァイセで出たかったんだけどね、他の3人は都合付かなかったし、私も仕事があったから出演時間に間に合うか微妙でね。だから今日はデイジーだけなの」


 キャリーケースから黒いカバンを取り出しながらそう話すアイリスを見て、美優は1人納得する。

 なるほど、だから会場入りの時もデイジー1人で来て、そのままリハーサル、本番だったのかと。


「あ、そうなんですね。アイリスさんは物販の手伝いですか?」


「そうそう、たぶん混むだろうし時間的にも少し巻きでやらないとダメだから」


 楽屋にある時計をアイリスが指さすと現在20:50。

 21時からの物販で22時には完全退出。

 高校生であるデイジーも22時が法律上のリミットであるため確かに少し時間が厳しい。


「今日の私のお客さん10人くらいだから話せばすぐに終わってくれると思うんだけどね~、あいつ以外」


 そう言うとため息をついてスマホを触るデイジー。

 それに釣られてアイリスも苦笑交じりにこう言った。


「さきがけくんはね~、デイジーのこと好きすぎるからねぇ」


「あいつ私のこと好きすぎて危ない、会いたくてヤバいって普通に言うからね」


 2人が話を聞いて、だったらなんでそんな危ないオタクから守ってくれる事務所を離れてフリーになるなんて選択をしたのか。美優がそう聞こうとした瞬間だった。


「でもあいつが背中押してくれなかったらロスヴァイセは解散してたからねぇ」


「え?」


 デイジーの一言に驚いてつい声を出してしまう美優。

 それを見たアイリスが説明を始める。


「ああ、ここだけの話なんだけどね。私達が事務所辞めたのってほとんどクビみたいなものだったのよ。採算が取れないから事業としてやっていけないって。その時にだったらフリーでやれば?って言ってくれたのがその子なのね。その後は事務所と交渉して権利だとか色々買うことでどうにかなったってわけ」


 事務所から解散言い渡されて、それが嫌で権利とか買おうとしたら期日までにお金を用意できそうになかった。そしたらデイジーのガチ恋オタクがデイジーと親戚で、小金持ってたから足りない分出してもらってどうにかなった。なんて自分たち側にも、もちろん魁人にも大きなダメージがある。だからあらかじめ魁人を含めた6人が実状を聞かれた際にこう答える、と決めたカバーストーリーをすらすらと述べるアイリス。


「そうだったんですね。そっかー、事務所に入ったからってずっと面倒見てくれるわけじゃないんだぁ」


 納得したようにぽつりと呟く美優。そんな美優をみてデイジーはこう答える。


「仕事とか集客増やすのって結局自分の頑張りだからね?確かに事務所に入ってればこういう地下のステージ以外の仕事も持ってきてはくれるけど、それも毎回じゃないわ。どっちかって言うと今あれじゃない?動画配信だったり、自撮り載せてポイント集めたりとかで大きなイベント出れたりするから。やりたいって言っても事務所がNG出したらできないし。だったら自分で動いて色々やった方が結果大きなチャンス掴めたりするわね」


 事務所に所属さえすればあとはなんとかなると思っていた美優に対して、フリーの方がいい、と暗に匂わせたデイジー。

 何が正しくて、自分はどうすればいいんだろう。一気に不安が増す美優。

 そんな美優を心配そうに見つめるアイリスなのであった。

今月はお盆休みがあるのでもう2話くらい更新できたらなって思います。

理想は第3章完結ですねぇ…。

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