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親戚の再婚で増えた身内が推してるアイドルだった件  作者: 一之瀬葵翔
第2章:迫りくる時間
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あいないちのせのびっくりするはなし

12月投稿できず申し訳ございません!!

話の進め方に迷いました!!

さらに繁忙期で書く体力が残ってなかったです。

そんなこんなで新年1発目の更新です。


 魁人が愛依子の車で移動している頃、藍那はレッスンを終えて家に帰ろうとしていた。

 時間を確認するためにスマホを触ろうとした瞬間、ふとレッスン前に母である愛依子からとある連絡を受けていたことを思い出しアイリスに声を掛ける。


「ねぇ、アイリス。ちょっといい?」


 同じくレッスン終わりで帰る準備をしていたアイリスが藍那の方を向いて答える。


「うん、大丈夫。なにかあった?」


「あのね、お母さんからレッスン前に連絡もらってね。親戚の人のところにレトルトのごはんとかがいっぱいあるからいらないか?って聞かれたからどうかと思って」


「すっごく助かる、欲しい」


 若干食い気味にそう言ったアイリスに少し驚きながらも返答自体は予想できていたこと。

 ほんの少し間を置いて微笑みながらこう言った。


「そういうと思って全部もらってきて、って返事しといたから。このあとうちに来れる?」


「行ける!ありがとね、デイジー」


「いいのよ、それじゃ早く行きましょ?」


 いつの間にかレッスン場には2人きり。2人は荷物を掴むといそいそとレッスン場から出て行った。






 レッスン場を離れた2人は駅に向かって歩き出す。

 その間、話すことはもちろんあの話。


「…あとちょっと。あとちょっとでお金が貯まるわ。そしたら社長に言いましょ。衣装と楽曲の権利やチェキカメラとかの備品その他諸々売ってくださいって」


「私も次のライブでもう1枚撮ろ?とか声かけてみるから。普通に追加してくれそうな人いるし。…あいつ、とか」


 あいつ。もっと「強い」オタクはたくさんいるけど、なんでか気になるあいつ。本名も親の顔もしっかり覚えてるあいつ。つい最近母親の再婚で親戚になったあいつ。

 何故か名前を出すことができなかった藍那だが、アイリスは察している。


「さきがけ太郎、ね」


 全員がさきがけ、とだけ呼んでいるため正式名称を忘れがちな藍那と同年代のファン。

 毎回どこからあれだけのチケット代、物販代、遠征交通費などは出ているのだろうかと疑問に思うあのちょっと年下の男の子。

 風紀の緩い地下アイドル界隈で私的交流や恋愛なんかは正直表に出ていないだけでよくある話。

 人気のない集客2、3人の地下アイドルが自分のオタクと遊びに行ったり、交際中なのはバレているが人々の興味も薄いから見逃されてるパターンや、うまく隠してスキャンダルになっていないだけだ。

 だったらバレないようにフォローして1回だけ、1回だけデイジーに我慢してもらってあの子から…そう思った時だった。


「いっそのことあいつに話して少し助けてもらう?足りない分全部は無理だと思うけど半分くらいならなんとかなりそうじゃない?借りてるってことにして独立した後に少しずつ返せば大丈夫でしょ」


「えっ?どういうこと?」


 デイジーはアイドルとして高い意識を持った存在である。

 アイドル、を名乗っている以上その期間はみんなに夢や希望を与え、同じ道を目指す子たちにとっては憧れであるべきで、そこに普通の女の子、としての自分を必要以上に持ち込むべきではない。

 また、普通の女の子としての当たり前、がそこに反するものであれば躊躇なく切り捨てる。

 そう言った意味でデイジー・ヴァルキリーというアイドルは非常に潔癖だ。

 そんな彼女がなぜその意識に反することを言い出したのか。アイリスにはわからなかった。


「私が言えばたぶんチェキも普通に10枚単位で追加すると思うけど、それだと事務所にいくらか引かれちゃうじゃない。同じ1万円でもそのまま私達、が1万円もらうのと事務所が1万円もらってそこからバックもらうのじゃ全然違うわ」


「でも…いいの?」


「しょうがないじゃない。あんまりこういうことに巻き込みたくなかったんだけどね」


 そう言ってアイリスから顔を背けてしまう藍那。その表情はどこか悔しそうで、でも何か覚悟を決めたようだ。


「そうじゃなくて」


 それはアイドルとしてのあなたの意志を曲げることになる。

 もしうまくいったとしても、あなたは変わらずにアイドルとして生きていけるの?

 聞かずにはいられない。聞かなくちゃ。


口を開こうとした瞬間だった。


「ああ、私とあいつが繋がっちゃうから私が言ってたことと矛盾するってこと?確かに他の人だったら絶対に無理。けど、別にあいつはいいのよ」


「あいつはいいってまさかあなた達…」


「そうよ」


 付き合っているのか。そして、今まで言っていたことは建前だったのか。

 彼氏がいるから心配をかけさせまいとしていただけだったのか。

 裏切られたような気がして、心が淀む。それでも最後まで聞こうと藍那の顔を見る。

 そんなアイリスの表情を見た藍那はその理由を察して微笑む。そしてそのままこう答えた。


「あいつと付き合ってるって思ってるでしょ?そんなわけないじゃない。これは内緒だけどね、あいつと私親戚なのよ」


「…え?」


「だから、あいつと私は親戚なの。この前の遠征の時に私いなかったでしょ?お母さんが再婚したからそこの親戚の人達に挨拶しに行くのに休んだんだけど。そしたらそこにあいつもいたってわけ。話聞いたら新しいお父さんの従兄弟の子供があいつなの。そういうことだから親と一緒なら別に会ってるの見られても理由言えば問題ないってわけ。実際父親同士、母親同士が仲いいから今度一緒にどこか行こうかなんて話もあるのよ?」


 よかった。ただ、それだけしか浮かばなかった。

 デイジーはデイジーのままだった。心配しなくてもよかった。


「もしかして付き合ってるのかと思っちゃった」


「顔見てわかったわよ。大丈夫、アイドル辞めるまでは誰かと付き合うなんて絶対にないから」


「よかった。今スキャンダル起きたら即解散!って流れになるだろうし…」


「確かにあの社長ならやりかねないわね…。そうならないためにも早くお金貯めちゃいましょ?あいつに助けてもらって。アイリスにあげるごはんって元々あいつのものだからお母さんがまだ取りに行ってなかったり、あいつの家にいたらあいつ連れてきてもらって家で話せばいいじゃない」


「そうね、善は急げって言うし。でも、あの子なんでそんなにレトルト持ってるの?」


「さあ?それは後から本人に聞いたら?」


 そこまで話したところでちょうど駅に着いた2人は、これまた同じくちょうどやってきた最寄り駅に停まる電車に乗って藍那の家へと向かうのであった。


続きが気になるなんて方でまだされてない方、よかったらブックマークだけでもお願いします!


次は2月に1回更新するつもりですが、ポイントとかPVがわーってなってたら突発的に更新するかもなので。

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