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宴会2

レオンがうざいかもしれません。

ご了承ください。

 にぎやかな宴会を俺はひっそりと部屋の端で傍観していたが、あの馬鹿な貴族との騒ぎの後には周りにかなりの貴族が集まってくる。

俺をしがない平民だと思われていた時は誰も俺の存在に一顧だに暮れることはなかったが、俺が大きな貴族であるうえかの神童ということが、その上エリーと仲のいいということが知れ渡り周りにはたくさんの貴族がいる。

すごく現金なものだ。ちやほやされるということにそこまで嬉しさを感じないが、周りに愛想よく笑顔を振りまいていく。


 挨拶をしに列を作る人々に、誰彼なしにその輝くような魅惑的な微笑みを振りまき、一切めんどくさがるようなそぶりをせずに朗らかに言葉を交わす。

これまで何回も宴会に参加をして、その場を取り仕切っていると自負をしていた貴族の子弟たちは、明らかにあっけに取られてこの変わりざまを眺める。

と言っても俺は無理に明るく、人付き合いよく振舞いだしたわけではなくて、もともとがこちらのほうがはるかに本来の持って生まれた気性なので、無理にふるまっているという気詰まり感を周りの貴族に与えることは全くなかったし、むしろほっとしたような様子だった。


 次から次へと俺の周りに人が集まってきて、挨拶をして顔を覚えてもらおうとする。

俺は生まれた時からそうしていたかのように朗らかに、如才なくその1人1人にちょっとした愛想のいいことを言い、微笑みかけ、その相手と会えたのが大変うれしいという様子を見せ、1人1人を虜にする。

もっとも唯一の欠点はと言えば、人々がなかなか動かずにあたりが通行の邪魔になってしまって居ることである。


 俺が気の利いた一言を言い、微笑むとあたりがわぁっーという歓声に包まれ、あたりは賑やかになる。

だが、もちろんこれに面白く思わない者たちもいることにはいた。

もちろんこれは今まで高位の貴族として周りからちやほやされていた者たちであったが、もちろんこれの原因は俺が自分より下、もしくは同じ位なのに自分たちより人が集まっていることだ。


 もちろん今までちやほやされ放題だった彼らが他人の心情など考えることができるはずがあろうもなく、彼らの周りにすり寄っていたのはその権力のおかげだったのだが、同じほどの権力を持ち、神童という名誉ある称号ももらい、学園歴代最高と言われ、気さくで話していて楽しい俺の周りに人が集まるのは至極当然だろう。

実際彼らの周りにいる貴族たちは初めの半分ほどになっていた。

こんな屈辱をプライドの高い彼らが許せるはずもない。


 彼らのうちの1人が持っていたカップの中の飲み物をグイッと飲み干し、それをドンッとテーブルにたたきつける。周りにまとわりついていた女がビクッとするが、そんなことはお構いなしとばかりにその男はレオンの方に詰め寄る。

年は20ぐらいでこの宴会の中でも最も年を取っているかと思われる貴族だ。

そんな彼がずかずかとこちらの方にやってくるので、まるで人でできた海がユダヤ伝承のように2つに割れる。


「ふん、女みたいな面をしやがって。 いったいこんなのの何がいいのか?」


 あまりにも傍若無人な言葉を吐いてくるが、それに怒るエリーも今は近くにはいない。

周りにいた人が文句を言おうとするも、どうやら相手は相当に高位な貴族のようで開きかけた口も途中で止まる。


「あなたは?」


 少しも表情を変えずに聞く。


「ライル侯爵子息だ…… チッ、気味が悪い野郎だぜ」


「それは心外ですね。それで何の用ですか?」


「貴様は神童とか言われているが、それは本当なのか? どうせガゼネタだろう。そんなやわそうな手では剣すら持てないに違いない」


「逆に私が弱いというその証拠は? 男のひがみは見ていて楽しいものではありませんよ」


「この!! 決闘だ!!」


 男はさっと顔を真っ赤にする。


「フフッ、いいでしょう」


 男が決闘を申し込み、俺が了承したとたんに周りがわああっと歓声を上げ、広間が揺れ動いた科のようだ。

周りの貴族は一斉に喝采し、はやし立て、この宴会をいやがうえにも劇的にするこの成り行きにすっかり興奮していた。

この広間の宴会の参加者にとって、これほど興味深いめったにない見ものはそうあるものではなかった。

この様子を何事かと思い見に来て、状況に腹を立てるエリーをなだめ、数少ない大人の使用人に決闘をするということの旨を伝えるように頼む。


 もちろんそんな貴族同士の決闘という一大事のため、大人の人も血相を変えて飛んでくる。

どうやら城の執事とかそういう立場っぽそうな人がやってきて、尋ねる。


「君たちは本当に決闘をする気かい?」


「あぁ、望むとこだ」


「私は別に構いませんよ」


 その言葉にライル侯爵子息の眉間に青筋がたつが、執事がそれをなだめる。


「わかった君たちの気持ちは固いようだ。ただし、君たちほどの高位の貴族が決闘するとなると、親の許可に国王様の許可が必要になる。それが終わってからだ」


 それに不満があろうはずもなく、黙って共にうなづく。







 それからすぐに親や国王の方にも話が行き、それが認められる。

どうやらうちの領地とライル侯爵領は互いに接しているらしい。

その上、領地の境目にある鉄山の利権に関してかなりもめているようで、どちらの親も相手をたたきつぶせというばかりにすぐに決闘を許可する。それほどに武器の原料となる鉄というのはこの世界でも重要なもののようだ。

打ちと相手はどうやら犬猿の仲のようで、互いに顔をすさまじい形相にしてにらみ合っている。

呼ばれた国王も臣下のいさかいをおろおろと眺めるばかりで、あれよあれよという間に決闘の準備は進んでいく。



 決闘は刃を丸くしたレイピアで行われ、勝負がついたと思ったらそこで試合は終了する。

もちろん貴族は優雅さが一番ということでレイピアを使い、俺みたいな血生臭い武器を使うのは完全に特殊な例なのだ。

そして、互いに致命傷となる傷を与えることは禁止で、また顔から上を傷つけることも禁止事項だ。

試合の勝敗は俺たちの決闘ということで、急に城に召し出された格好のカイさんが審判する。

最もここにいるのは俺みたいな特殊な例を除けば、広間にいるほぼ全員が貴族で、武に通じるものがいなかったのもカイさんが審判を押し付けられた理由の1つだ。

カイさんは何が何だかわからないといったようだが、俺の姿を見つけると近づいてきて、話しかけてくる。


「全く何があったかと思うと、またレオン君か。いつも君は面倒ごとの中心にいるな」


「望んでいるわけではありませんよ」


 思わず苦笑いをしながら言う。

カイさんにこの決闘までのいきさつを軽く説明すると、なるほどといったようにうなづく。









「それでは決闘を始める。女神イラナの名において正々堂々とした決闘をすることを誓うか?」


 カイさんが決闘のために片づけられた広間の真ん中で、響く声で決闘の開始の合図を始める。


「「はい」」


 俺たちはうなづき、そして、豪華に装飾されたレイピアを互いに刃の真ん中あたりで組み合わせて、カイさんがレイピアの組み合わされたところを上から自らの剣で押さえる。


「それでは…… はじめ!!」


 鋭い掛け声もろともカイさんが後ろに飛びずさり、レイピアとレイピアのぶつかり合う甲高い音が広間に響き渡る!!












 




 






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