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内乱

 さらに時は戦争の始まる1週間前に戻る。



 家もまばらなのどかな田園風景の中に、黒いローブをまとった一団が現れる。

見るものに何ともなしに不信感を与える集団である。


 幸いにして、この辺りは人も多くなく、騒ぎになることもなく彼らは進んでいく。

不吉な黒い姿をした悪魔のような集団は誰にも知られることなくひっそりと進んでいく。




 彼らがたどり着いたのは、王国の中にある小さな村落だ。

「ここですか?」

「あぁ、予定通りにやれ」

「ハっ」

言葉数も少なく、事前に決められたようにてきぱきと動く。



 黒い集団の数は全員で6名。

パッと村の周りを全員で正六角形になるようにそれぞれが配置につく。

全員の口から意味を理解することのできない太古の魔術の呪文が紡がれる。




 呪文が紡がれるにつれ町はピンク色の靄に包まれ幻想的な風景になる。

彼らの複雑に組み合わされた手から強力な魔力が流れ出し、その波動は町を侵食していく。


 町にいる者たちはふいに激しい眠気に襲われ崩れ落ちる。


「もうよかろう」

リーダー格のものが手を上げ、魔法を終わらせる。

魔法使いは一斉に呪文を唱えるのをやめ一か所に集まる。



 「それでは洗脳をする」

周りのものは私語を発せずその命令に従う。

ひっそりと静まり返った村の中に入り村人を一か所に集めることから始める。

そして、心の隙に付け込み前々から持っていた感情を増幅させる。



 一か所に集められた村人はいったい自分に何が起きているのか理解することもなく、洗脳される。


 しばらくして洗脳が終わって黒いローブの男たちが去って言った後、目を覚ますもなぜ自分が外で寝ているのかも理解できず、周りの人が自分と同じように寝ているのを見て驚く。

慌てて他の人を揺り起こし状況を聞こうにも、誰も何が起きたか知る者はいない。

なんとなく狐に化かされた気分で普段の農作業へと戻っていく。

だが彼らは気が付かない。

心の底に埋め込まれた暗黒の種子に。

時をかけそれは熟成をされ国に対しての反逆の心を呼び起こす。



 幾部隊にもなる黒ローブたちはあちらこちらで反逆の芽を巻いていく。


 誰にも知られずひそかに。




 

 そして王国全土で示し合わせたかのように各地で反乱がおきる。

徴兵されなかった農民に、その主婦、か弱い子供までもが目を濁らせ、斧、鍬を取りて王都に向かう。





 その知らせを聞いた王都の人の驚愕は大変なものであった。

レオンという英雄により抑えられていたはずの不満がなぜ今頃になって爆発したのか?

急いで残していた半分近くの全国に散らばっていた兵を急遽王都に呼び戻す。



 王国のあちこちから王都に呼び寄せられた軍はすぐにいくつかの少数の舞台に分けられ、反乱を抑えるために各地へ派遣されていく。

それでもあちらこちらで際限なく、突発的に起こる反乱は王国の力を徐々に消耗させていく。



 また、農民以外もあちこちで暗黒魔導王朝の兵がこそこそと動き回り、各地で混乱を大きくするために畑を焼き払ったり、軍から出た偵察の兵を次から次へと殺していく。



 圧倒的な機動戦に対し、王国は国境線で対峙していたもう半数も呼び戻し、数でこれに対処することに決定する。



 王国は今建国以来最大の危機に見舞われている。







 「一体どういうこと?」

その王国不利の知らせを持ってきた教師に対しエリザべスは厳しい口調で咎める。

「いや、全国で反乱がおきたとのことですが・・・」

いくら学園は平等だとは言ってもやっぱり一国の王女には緊張もするものだ。

しどろもどろになりながら返す。

「たぶん、暗黒魔導王朝側が精神錯乱の魔法でもかけたんだとも思う。俺たちが誘拐されたときも精神魔法を使っていたし、彼らはそれが得意分野なら使わない理由はない」

「確かに暗黒魔導王朝はそういう魔法が得意だと聞いていたけど・・・ でもこんな風に使うとは予想できなかったわ」

「いやっ、予想するだろう・・・」

「え・・・ そんなら言ってよ」

「知らなかった」

「もう、それでこれをどう対処するか案はあるの?」

「わからない」

「う~んと、たぶん僕たちも農民たちを抑えるために駆り出されるんじゃない」

「その可能性もあり得るな」

「ほんとせこいわね」

そうなのか?

ゲリラ戦など圧倒的に強い敵に対しては有効な手だと思っていたのだがな。

「あと、ここも王都に近いから危ないよね」

「ほんと問題は山積みっていうところね」

「反乱を鎮圧するために学生まで駆り出されるってもう本当に切羽詰まっているな」

「ウンでもやるしかないわよ」

「そうね」

結局みんな反乱を鎮圧するために徴収されることになったら断らないことになった。

でもおそらく王女のエリザベスが徴収されることはないだろう。






 数日後、学園全体で反乱を抑えるための鎮圧するための志願兵が収集された。

大部分は戦争を嫌がり、名前を書き込まないものの俺はそれに志願する。

俺が志願したのを見ていく数人かが続いて志願する。

希望するのは本当にごくわずかの10人ほどとなった。

ちなみにヨゼスは無駄死に、エリザぜスは王女ということで志願は拒否をされていた。




 俺たちは10人ほどはすぐさま学園長室に呼びだされ、感謝の言葉を述べられる結果となる。

そこで軍の人と協議をしてそれぞれが軍に組み込まれていく。

俺はハロルドの意見により1人で鎮圧に向かわされることとなる。

ちなみにハロルド曰く「いい経験になるよ」とのことでたったその一言で済まされてしまう。

まったくもって無茶苦茶ばっかり言う。

軍の人は俺を軍に入れ士気向上させたかったようだが、だめだったようだ。

俺個人の気持ちとしては一緒に軍に入れてほしかったのだが・・・

俺が戦場に出てると知ったら、絶対向こうから攻め続けられることとなりそうだ。

あぁ、いやだ。

壁が欲しい。

ひとりとかハロルドはひどすぎる。






 

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